どう企画アイデアを具体化するか【3】
企画をコンセプトつくる狙い
コンセプトの狙いを具体化する
実現手段に置き換える
実現手段を具体的に煮詰める〜すぐ着手できるところまで絞り込む
手段の洗い出しと落とし込み
手段・仕掛けを特定化る
具体化した実現手段の最適組合せを見つける
手段選択の原則
アイデアをカタチにするスキル〜アイデアづくりの4原則
コンセプト具体化におけるアイデアスキルの使い方
アイデアチェックシートを活用する
アイデアとは要素(手段)の組み合わせの発見である。アイデアづくりのポイントは,自分の知識と経験の枠組みをどう崩し,いままでの知識の整理棚をシャッフルできるかどうかにかかっている。発想というのは,結局,自分の“ 知識と経験の函数”であり,もっていないものを生み出すのではない。とすれば,既存の知識と経験から,どうすれば新しい枠組みや組み合わせが見つけられるか,つまり,自分の手持ちの駒である知識と経験を最大限に活かすにはどうすればいいか,そこにアイデアづくりの仕掛けがある。
アイデアづくりの4つのスキルの詳細については,ここを見てほしいが,アイデアづくりの基本スキルは,次の4つである。
「分ける」
「グルーピングする」
「組み合わせる」
「アナロジー(類比/類推する)」 |
● 「分ける」は,分解してみる,細分化してみる,新たに分けてみる,分け方を変えてみる等々で,新しい
カタチ(つながり)を見つける
● 「グルーピングする」は,くくり直す,束ね方を変える,一緒にしていたものを除く,区分の基準を変え
る,一緒でないものを一緒にする,強制的につなげ変える等々で,新しいカタチ(つながり)を見つける
●「組み合わせる」は,異質の分野のもの,異なるレベルのもの組み合わせる,新たに組み替える等々で,
新しいカタチ(つながり)を見つける
●「アナロジー(類比/類推する)」は,似たもの,異分野の例になぞらえる,参照にする等々で,新しいカ
タチ(つながり,構造,組成,仕組み等々)を見つける。パターン認識。
たとえば,痛くない注射針←蚊,カッターナイフ←板チョコ,シュレッダー←製麺機等々
《アイデアづくりの4原則の使用例》
コンセプト実現手段を具体化する流れは 「分ける」に当たる。具体化が足らなければ更に落とす。それを,(コンセプトを基準に)束ね直し(「グルーピング」に当たる),更にはいくつかを「組み合わせ」,場合によっては他の事例(「客の並ぶ店」の例でいえば,ファミリーレストランの例や生そば屋の例),行列をつくるという意味ではゲームの新作発売,アイスクリーム等々も参照にしながらアイデアにつなげていく。
たとえば,
・自分で麺をうち,麺をつくり,店秘伝のたれでつゆを使える,ラーメン店,
・醤油味でも,産地別の味が注文できる,マイ醤油味ラーメン店(味噌でもできる)
・トッピングを,定食屋やおばんざい屋のように,自分で選択できるラーメン店
・新作発表を定期的にし,その新作をパッケージ販売するラーメン店
・麺のゆで具合を,讃岐うどんのように,自分でできるラーメン店
・麺を自分でゆでて,自分で具を選択して載せていくラーメン店
等々,アイデアのベースとなる具体化ができていればいるほど,アイデアにつなげやすくなる。
最終的に何を選択するか,できるかできないか等々を考える前に,まずは,選択できるアイデアの数を増やすこと。いいアイデアを出すコツは,いかに多くにアイデアを出すかなのである。
アイデアをまとめるとき,アイデアを総花的に羅列するのでなく,コンセプトの意図を実現できる,コンセプト実現に寄与できる,他とは違う何か,という視点から,
・特色ある(売りになる)
・目玉となる
アイデアをどう絞っていくかが重要になってくる。
従来と違う組み合わせ,異業種の行列の例を参考にする,別のものと組み合わせてみる等々の発想を試みる,何かを引き立てるには,何をどれだけ捨てるか,も鍵になるはずである。ひとつひとつはありふれて特色がなくても,いまあるものをなくすだけでも変わるし,いくつかをくっつけたり,組み合わせることでもガラリと様相が変わる。
【アイデアチェックシート】
アイデアチェックシート |
@アイデアの内容と特徴
|
Aコンセプトへの寄与度;コンセプトの何を,どう実現できているか
|
Bどんなメリット・効果があるか
・どんな満足があるか
・どんなメリットがあるか
|
Cマーケティング
・市場の成長性
・ユーザー像
・市場は新しい分野か
|
D技術上の問題
・予想されるネック
・解決のメド |
@アイデアの内容・特徴
アイデアをきちんと書き出してみること。説明できないようなら,練り直しである。
Aコンセプトへの寄与
そのアイデアによって,どうコンセプトが実現できるのかを,きちんと検証しておかなくてはなりません。
Bメリット・効用
大事なことは,
誰に,どんな効果があるか,
誰に,どんな満足を与えられるか
誰に,どんな喜び,楽しさを与えられるか
が明確であることです。誰にも使えるというのは,えてして誰も使わないものです。
Cマーケティングイメージ
具体的に商品にしたとき,それは自社の市場やチャンネルに合致しているのかどうかをチェックします。どんなにそれ自体優れていても,自社イメージに合わなければ,逆効果となることだってあります。
新規市場に出るのだとすれば,そのリスクに見合う魅力がなくてはなりません。それが成長性や将来性です。
D技術上の課題
多くは,実際にやり始めて出てくるものが多いのですが,新規であればあるほど,目途の立たない壁があるものですが,よほどのことがなければ,クリアできない壁はないと思います。技術の壁は絶対できありません。
以下続く
アイデアづくりについては,発想トレーニング,アイデアづくりの基本スキルを参照ください。
企画づくりの全体像については,『企画の立て方・作り方』をご覧ください。
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