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Critique Back Number 37


高沢公信"Critique"/2005.4.20

 

OJTをどう実施していくか-2-

OJTのフロー
OJTの実施手順1
OJTの実施手順2
OJTの評価とフォローアップ


実行プロセスで重要なのは,報連相(報告・連絡・相談)である。報連相とは,

報告:PDCAの共有化(仕事の進捗状況のすりあわせ)
連絡:業務情報の共有化(保有知識やチエ・ノウハウのレベル合わせ)
相談:問題状況の共有化(事態の現状認識や見通しのキャッチボール)

である。それを実行するために,

 ・報連相の手段は決まっているか?

 ・不在時の報連相の取り方は決まっているか?

 ・なぜ相手はその報告が必要なのかを考えたことがあるか?

 ・いつ,どこで,何を,どう報告するかが決まっているか?

 ・連絡時間は決まっているか?

 ・緊急事態の連絡方法は決めてあるか?

 が必要となる。

《OJTプロセスのチェック》

指導のチェックポイント

該当の有無

@不足スキル・能力の育成の仕方を工夫している  
A部下を育てるために意識的に仕事の割り当てをしている  
B自分の仕事の代行・代役を割り振っている  
C部下を意識的に仕事先に同行させている  
D自分と違う仕事の仕方でもある程度本人の裁量に任せる  
E部下の仕事の進捗状況についての目配りを怠らない  
F仕事の標準・レベルから外れた部下の指導に時間をさく  
G部下の企画・開発アイデアが具体化できるよう見守る  
H部下の提案はカタチにさせるように支援する  

  • 結果の評価

 結果の評価は,

 ・目標(期待された成果)−結果としての成果=成果のギャップ

 ・目標に最適の手段−現実に用いた手段=手段のギャップ

 の2点である。その上で,

 ・計画の期待水準と進捗水準のギャップの確認(どこまで出来ているのか,どれだけ遅れているのか)

 ・何をどう軌道修正すればいいかの分析と対策方針の決定(手段の再選択,手順とステップ,ピッチの見直し)

 ・目標の再設定(何のために,どういう成果を目指していたのか,の再確認)

 を点検し,具体的には,

 ・目標の立て方,目標の納得性

 ・目標達成プランの是非

 ・遂行時のチェックの仕方

 ・サポートの仕方

 ・日常的なPDCAの仕方

 ・是正や軌道修正の図り方

 等々,個々の指導の仕方を含めた全体でのOJTの進め方について,擦り合せる。

  • OJTの評価とフォローアップ

     OJTは1回で自己完結するものではなく,組織の中で仕事を続けていく限り,継続して行くものだ。大事なことは,まず本人側の,

     @何ができ何ができなかったのか

     という結果そのものの評価だけではなく,

     Aその目指した目標自体の意味と位置づけの再確認

     Bこれからのレベルアップ目標のステップとそのための次の目標をどう立てるか

     と同時に,管理者側の,

     @その目標がチーム全体の中でどんな意味をもっているか

     をたえず確認し,

     A管理者側,あるいはチームメンバーとしてどんなサポートができるか

     も合わせて検討しておく必要がある。

部下の成長ステップを描くためには,管理者にも次のふたつの留意点が必要である。

 @上司自身が自分の成長ステップができていなければ,教えるための手順とステップは見えない

A能力は具体的なスキル・知識・経験まで具体化されていなければ,アクションにつながらない

【了】


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