ご自分の発想スキルを,ひとつのキーワードで表現してみてください。そのステップとして,
@箇条書にしたチェック項目を再確認し,
Aそこで何をしようとしているのかを具体的に考えて
Bそこでの動き,変化を一言で的確に表現できるキーワードを考えてください。
以上のキーワードを,
Cそれで,本当に発想を展開するキーになっているかどうか
を確かめて,ご自分の発想の旗印として下さい。少なくとも,パニックになる時間を短縮できるだけの自信にはなるはずです。
たとえば,前述した4タイプのチェックリスト例から,一例として,各タイプのキーワード化を試みてみますと,
@の「理想の実現」指向タイプは,「5W2H」
Aの「未達の回復」指向タイプは,「目的確認」
Bの「問題点の改善」指向タイプは,「もうひとつの視点」
Cの「内部価値の実現」指向タイプは,「相対化」
となります。
チェックリストを発想のツールとして使うというのは,既存のチェックリストもそうですが,ただその項目と照らし合わせれば,自動的にアイデアが大量に出るということではありません。
どういうことかといいますと,チェックリストの場合,たとえば「視点を変える」というチェック項目があったとして,それをただ読み流しても,決して発想につながることはありません。必要なのは,そのチェック項目を,自分の発想への刺激として,それと意識的にキャッチボールすることなのです。
たとえば,バラバラ化の4つの切り口,
@視点を変える
A見かけを変える
B意味を変える
C条件を変える
をチェックリストとして活用する場合を例にとって,具体的に考えてみます。
たとえば,身近にあるパソコンをみながら,どれだけのアイデアが出せるかを試みるとします。
「視点を変える」という項目とキャッチボールするとは,「視点」とは何のことか,
立場なのか,位置なのか,こちら側の価値観なのか,機能なのか,感情なのか,着眼するところなのか,先入観なのか,慣れたものの見方なのか,
立場だとしたら,どういう立場なのか,公人としての立場,私人としての立場,会社員としての立場,父親(母親)としての立場,子供としての立場,
位置だとすると,どういう位置なのか,上から,下から,横から,上からだとしたら,どのくらいの上なのか,下だとしたら,どのくらいの下なのか,
価値だとすると,無価値なのか,価値が高いのか,価値が薄いのか,価値が減っていくのか,価値が高まっていくのか,
意味だとすると,意味が同じなのか,意味が変わるのか,意味が読みにくいのか,意味が誰にもわかりやすいのか,
機能だとすると,どういう機能なのか,機能を減らすのか,機能を付加するのか,
感情だとすると,いい感情なのか,悪い感情なのか,怒りなのか,悲しみなのか,喜びなのか,楽しみなのか,うれしさなのか,
等々を,考えること自体で,アイデアにつながるはずなのです。チェックリストは,それ自体がアイデアの元ではなく,自分自身の記憶と知識とのキャッチボールによって,アイデアを誘発する起爆剤,導火線にすぎません。
とすると,公人仕様セキュリティパソコン,会社員のIDカードなしには使えないパソコン,親が子供のパソコンをモニタリングできるパソコン,ゲーム機仕様の使えるキッズパソコン,どこに行っても衛星で探知できるIDパソコン,使い捨て可能な紙かダンボール製の激安パソコン,年々ネットでバージョンアップ可能なパソコン,カバーやボックス部分を着せ替え可能なパソコン,液晶(モニター)部分が取り替え可能なパソコン,不明な部分にポインターを置くだけで解説が(音声でも)出るパソコン,ポインタが一定時間動かないと自動上書きするパソコン,液晶部分のみが剥がれて独立した形態端末になるパソコン,キーボードもマウスもないパソコン(入力手段が音声のみ),携帯電話と同じ大きさのパソコン,仕様機能単一パソコン,必要機能がICチップで自由に追加・削除できるパソコン,使い手の感情に対応してキーボードの圧力が変わるパソコン,感情レベルを感知するセンサーのついたマウスが,パソコンの壁紙を自動的に差し替えるパソコン,等々とキャッチボールのつどアイデアのかけら位は手に入る。
もちろん,キャッチボールすれば,すべての項目で何かが必ず出てくるというわけではありません。が,少なくとも,固まっていた脳のネットワークに新しい回路がよみがえったり,忘れていた回路が行き返ったりする手がかりにはなるはずです。
そうした手がかりになるかどうかは,キャッチボールに耐えられる項目になっているかどうかとも関係があります。この点も自作チェックリスト評価のポイントになるはずです。