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Critique Back Number 69


高沢公信"Critique"/2012.5.20

 

指示待ちの部下をどう育てるか【1】

 

指示待ちというのは何か
本人に担ってほしい仕事の全体像と役割を相互で再確認する
仕事をチームとリンクさせることで当事者意識を喚起する

指示待ちの部下を育てるステップ
4段階で部下を育てる
第1段階
第2段階
第3段階
第4段階


指示待ちとはどういう現象か

指示待ちというのは,たとえば,

・言われなくてはやらない

・言われたことしかしない

が考えられるが,前者は仕事の力量の問題で,後者は仕事の質の問題である。前者は,上司の指示をまっている,あるいは上司がないと動けない。後者は,上司に言われていないから動かないだけで,やらなくてはならないことは見えている。理由は,手一杯で仕事をふやしたくないとか,上司への反発とか考えられるが,仕事を主体的に完成しようとせず,上司の指示をまっている面では,問題は同じである。

多くは,指示した側の期待度と受けた側の遂行意識のギャップである。指示した側は,自分なりに考えて仕事を完成させることを求めているが,指示された側は,指示された分だけ進めていこうとする。この齟齬は,部下が,

●自分のチーム内のポジショニング(役割期待)がわかっていない

●求められているレベルに必要な仕事の仕方ができていない

ことからきている。しかしそれは,指示した側が,何をしてもらいたいかをきちんとすりあわせていない結果ともいえるのである。

指示は成立しているのか

上司が指示待ちという場合,しかしそもそも指示は成立しているのだろうか。指示が成立していなければ,指示待ちもない。

 仕事の指示と受命はどこで完了するのか。上司が指示を出したところか,部下がそれを確認したところか。しかし部下がいちいち指示を求めるのは,

 ・指示の完了状態,方向性,期間の確認が不十分

 ・どの程度までに仕上げるかの達成基準が共有化されていない

・途中で確認するチェックポイントを決めていない

のかもしれない。それは指示・受命が完了していないことを意味する。上司ができるはずと思っていることは,期待にすぎない。一緒にやったからといって,上司の視点と同じことを学んだとは限らない。一緒に行ったときに,ついていくので精いっぱいで,どの道を通ったか覚えていないのと似ている。それを確かめなかったのは,できると判断して指示を終えた上司のミスである。

指示待ち状態が起きているとき,上司と部下との間で何が生じているのか

 指示待ちとは,上司の視点で見ると,指示をまっていると見えるが,部下から見ると,仕事の割り当て,仕事の任せ方の行き違いに見える。つまり,部下は指示の仕方を問題にし,上司は指示され仕事の仕方を問題にしている。両者にズレがある。部下に,きちんと仕事を完成させるような指示の仕方をしなかったのは,上司の責と考えるところからはじめなくてはならない。


ここでは,以下,部下にどう主体的に仕事に関わってもらうかを,上司の視点で考える。部下に,チームのため何をしたらいいいかを考えながら,自律的に仕事を動かそうという気になってもらう,そのためにマネジメントとしてどう関わるかを考える。

 業務遂行に必要な能力には,@英語力や対話力,プレゼン力のような単位能力と,Aおかれた状況で自分に期待される役割を自覚し,それを遂行することで期待に応えていける能力とがある。いまここで問われているのは,後者である。そこでいう役割とは,チームメンバーや上司が「これをしてくれるに違いない」「ぜひこうしてもらいたい」と期待を寄せていることである。その意味で,期待は自分ではコントロールできない。新人であれ,中堅であれ,そのポジションに伴って,周囲が期待するのである。それに応えようとしなければ,期待はずれはつづき,チームの一員として認知されにくい。そこで,

・自分は何をするためにチームメンバーとしているのか

・それを果たすことで,チームの目的や方針にどうリンクしているのか

・そのために,自分は何をしなければならないのか

・そのために,何ができなくてはならないのか

を相互ですりあわせ,周囲の期待とのギャップに気づかせ,それに応えるには,何が足りないのか,それを身につけていくのに,何をしたらいいのかを確認し,期待に応える一歩を踏み出させなければならない。

 

 期待されている役割とそれに必要なスキルを確認するだけではなく,日々の自分の仕事そのものがチーム全体とどう関わるのか,またチームは上位部署とどう関わるのか,その一翼をになう自分の仕事がどんな位置にあるのかを確認する。点になっている仕事を線にして,チームにつなげる。上司に指示された課題も,チーム全体の中に配置することで,自分の担当業務の一環であることに気づければ,それをすることが自分の仕事だと気づくのを促せる。

以下つづく

指示待ち部下の指導については,タイプ別部下の指導法-1-タイプ別部下の指導法-2-を参照ください。
また,OJT,については,
OJTのスキ ルを参照ください。


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