コンセプトの意味
“コンセプト”は,キャッチフレーズやキャッチコピーとは違う,2つの意味がある。
●「テーマの焦点」(何をしたのか,どこが新しいのか,どこが違うのか,何を訴求したいのか)を明確化する
●「テーマの達成水準」(創ろうとするものの“新しさ”をどこまで実現するのか)を明確化する
つまり,
@創ろうとしている企画の「新しさ」の表現(「企画の意味づけ」)
A創ろうとしている企画の目指しているもの(達成基準)の明確化(「企画の方針」) |
を明確化する意図がある。つまり,自分が変えようとする(動かそうとする,実現しようとする)何か,の焦点を絞ることである。そうすることで,「どこが新しいか」「どこが違うか」という,企画者の“こだわり”(いままでの常識や前提からの偏り,シフトのさせ方)を鮮明にする。
そのために,次の2つの意味がある。
@コンセプトは「創ろうとしている企画」の新しさ(特徴・効用・値打ち)を明確に意味づける
「コンセプト」の「新しさ」が、何が、どう、どの程度なのかを表現するのは次の4つです。
企画の新しさの表現 |
テーマの方向性の指示 |
「テーマ」に込めた意図(「何を重視しているか」「何を大切にしているか」),願望(「何がしたかったのか」「何を実現させたいか」)といった「狙い」をはっきりさせる |
テーマの範囲(境界)の確定 |
「テーマ」を,どこまでやるのか(ほんの手直しか,抜本的な見直しか)という,取り組みの「覚悟」を明らかにする |
テーマの価値(意味)の掲揚 |
「テーマ」のもつ「新しさ」「強み」「特徴」を「コトバ」として明示する |
テーマの感性の表現 |
「テーマ」のもつ「面白さ」「楽しさ」「熱中」を「イメージ」として表すこと |
こうした「コンセプト」の明確化には,「テーマの確定」作業をきちんとやっていればいるほど,何が新しさで,何をめざしているのか,が鮮明になっており,容易に焦点が絞りやすいはずなのである。改めてつくるのではなく,テーマ絞込みの中で,ある程度明確になっていなくてはならないことでもある。
当然「テーマ」が同じでもコンセプトは異なる。コンセプトが異なることによって目指すものは変わり,達成水準も違う。達成水準が違えば,実現方法も違うし,当然達成結果も変わることになる。
Aコンセプトは,企画づくりを通しての“旗印(方針)”となる
コンセプトの意味づけによって,“テーマが目指すこと(達成基準)”(どこまで,どれくらい)を明確化する。それによって「テーマ」の“落としどころ"が明確になり,企画づくり作業を通して,その基準や水準となり,「ずれ」や「逸脱」を正す規範となる。
基準の明確化によって,「何を重視するか」「何を優先させるか」の判断基準として,何を取り,何を捨てるかのメリハリをつけ,企画の“目玉”(何が他と違うのか)の焦点が絞り込みやすくなる。