プレイング・マネジャーはどうマネジメントしたらいいか【2】
プレイング・マネジャーは何のために存在しているのか
プレイングマネジャーは何をするためにいるのか〜主体的に役割を作り上げる
それぞれが自分の仕事の役割を明確にする
プレイングマネジャーとして,おのれ自身の仕事の旗を立てる
各自の役割・業務・目標がチーム全体とリンクづけられている
補佐役を育てる
自分の旗をたてさせてみる〜自分への確信の根拠
たとえば,チーム内のベテランを補佐役として育てることで,自分のプレーヤーの部分以外の,マネジメント部分のサポートが得られる。逆に言うと,ベテランにゆだねる役割を明確にすることで,チーフとしての自分のしなくてはならないことも明確になっていく。たとえば,部下を育てるニーズには3つある。
@部下の担当している仕事のレベルアップ〜担当している部分自体の幅と質のアップ
A部下が本来求められている役割にふさわしい担当業務領域の拡大〜その役割ならもっとやってほしい期待される力量
B近い将来求められる役割にふさわしい業務領域への浸透〜これからはもっとこういうことをになえるようになってほしい期待値
@は,今担当している業務の質量をレベルアップするための必要点である。通常これを部下育成の必要点と考えるが,これは現状の業務遂行を前提にしているにすぎない。本来は,そのキャリアと職位から考えると,もっと幅広い役割が期待されていることを自分で受け止められれば,周囲の求める期待にふさわしい役割を実現するには何をしなくてはいけないかが,おのずと本人に見えてくるし,もしそこに手がついていなければ,それにふさわしいスキルと知識と経験を積まなくてはならない,と自分で気づくし取り組むはずである。それがAである。しかしそれは@の視点に立っている限り決して出てこないのである。更に近い将来,組織の中であるいはキャリア上,たとえば後継者として,求められる役割が高まり,それにふさわしい業務遂行ができるように,いまから少しずつスキルと知識と経験を積まなくてはならないと気づくこと,それがBである。必要なのは,チームの目的を実現するために,自分のポジションでは何をすべきかを,いつも,主体的に考えられる力である。それには,まずAができること,それを未来のキャリア形成へ延長させることでBが見えてくることになる。
●現在の役割を確認する
それには,自分のやっている仕事を列挙してみることだ。
●周囲の期待,上司の期待からみて,自分の役割を考えてみる
・自分と上位との関係の中で,自分がどういうかかわり方をするのか
・自分が周囲からどういうことを期待されているのか
という中で,自分に求められている役割は何か。
●自分がどうしたいのか,どうなりたいのか,どうあるといいのか,を考える
自分がこれからどういう役割行動をになっていきたいのか(自分は何をするためにそこにいる人なのか)を考えることを通して,自分にとってのその役割の意味を見直すことになる。
●自分の役割に旗印(キャッチフレーズ)をつける
上記@ABを受けて,改めて自分の役割を明確化し,その役割に自分の旗(自分のキャッチフレーズ)を考える。その上で,その旗から見て,現状やっていることの中で,抜けていることはないかを考える。自分の仕事に旗をたてるということは,自分をチームの中,あるいは上位組織の中で,どういう位置にいるのか,その中でなにをするためにいるのか,役割を主体的に考えることになるはずである。
このことを,大沢チーフはチーム全体の視点から,プレーヤーとしてではなく,マネジャーとして支えていかなくてはならない。それは,大沢チーフ自身の旗のありようが,自分が上司との間で,どう期待を主体的に受けとめ,自分自身のなすべきことを定めているかが逆に照射される。大沢チーフの旗が明確になっていなければ,小森の旗は明確にしようがないのである。(完)
新任管理者の部下指導力チェックリスト,上司を動かすチームリーダーのリーダーシップ,職場のコミュニケーションを円滑にするにはどうすればいいか,プロジェクトチームを成功させる,部下をどう叱るかも,をあわせ参照ください。
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