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Critique Back Number 57


高沢公信"Critique"/2008.9.20

 

企画づくりの中心・コンセプトをつくる【3】

コンセプトとは何か
コンセプトをつくる

コンセプトをつくるスキル〜スクランブル法
スクランブル法の進め方
“コンセプト”をつくるコツ
コンセプトのプロファイル化〜コンセプトを膨らませる


“コンセプト”は,ただテーマの条件を整理してキーワードに置き換えたままでは,未使用の風船でしかない。どこまで大きく膨らむものなのか確定しているわけではない。どこまで膨らむかは,まだ単なる「そうなるはず」の可能性にすぎない。「企画」は,その風船に込めた“思いの大きさ”以上に膨らむことはない。とすれば,企画がどこまで膨らむかは,風船に設計したユメの規模次第なのである。それを確定するのが“コンセプトのプロファイル化”である。

  • コンセプトの明確化〜コンセプトのシーン(場面)を想定する

“スクランブル法”で作り上げた「コンセプト」は,荒削りのラフスケッチに過ぎない。塑像をつくるにも,木組みに粘土で具体像に作り上げていくように,コンセプトもラフスケッチに肉付けしていく必要がある。それは,コンセプトのイメージを具体的に膨らませていく作業である。それには,たとえば,

 誰が/何のために/何を求めて/どういうときに/どういう場所で/どの位なら/どんなふうに使うか

  どんなタイプの,誰が,何をするか/どんな特有のことが起きるか/それは,どうなっていくか/これから,

 どうなる可能性が高いか

 等々について,具体的場面に即して,“完成イメージ”を具象化していく。何をしようとしているのか,それはモノづくりなのか,サービスなのか,ソフトなのか,仕組みづくりなのか等々,最終的に目指しているものは何か。

●コンセプト・イメージを完成させる〜“完成イメージ”具象化の手順

イ・作成したコンセプトを,具体的場面(シーン)に置き換えてみる

 例えば,「客が並ぶ店」というコンセプトの,「客」を具体化すると,サラリーマン,おやじ,学生,若者,若い女性等々いろいろあるが,どれかに限定するには,まだイメージが広すぎる。そこで,

 ・どういう場所(場面)で

  ・どういうとき(機会,時間帯,時期)に

 等々,使われている(買われている,利用されている)場面,シチュエーションを具体的に思い描いてみる。

ロ・それにふさわしい登場人物を設定してみる

 その場面にふさわしい登場人物(たち)

 ・誰(どんなターゲット,どんな対象,どんなグループ,どんな年齢層)が

 ふさわしいのか,性別,年齢,職業,背景,来歴等々を描きながら,それに似た映画,アニメ,マンガ,小説を借りて,ストーリーを描いてみる。

ハ・その場面の効果を上げるには,どんな仕掛け(舞台装置)がふさわしいかを列挙してみる

 ・デートの二人

 ・親子(父と子,母と子)連れ

 ・家族連れ

 ・女子高校生連れ

 ・体育会系の一団

 ・学生グループ

 ・サラリーマンの一団

 ・OLの一団

 等々によって,それに似つかわしい舞台装置は何かを,街,町並み,風景,季節,時間,衣装を含めて挙げてみる。

ニ・こうして,状況設定と登場人物によって,文脈が整い,ひとつのストーリーを描いてみる

 ・何のために(動機,ニーズ,欲求)

 ・何を求めて(期待して,関心・動機)

 ・どのくらい(予算,コスト,値頃感,頻度)

 ・どんなふうに(使用方法,利用方法)

ホ・出来上がったコンセプトのストーリーから,新しい何かが見えたか

 ・いままでにないモノに見える(それは,急いで手に入れなくては

 ・新しい意味(価値)が見える(へェ,そんな意味があるのか

 ・新しい効用が見える(そうか,そんな効果が期待できるのか

 ・新しい面白さが見える(ほう,それは是非やってみたい

 ・新しい世界が見える(それは一度行ってみなくては

 ・新しい生活が見える(あんな楽しい生活を送りたい)等々

ヘ・コンセプトは,課題(解決しなくてはならない「問題」)と焦点があっているか

ト・コンセプトの展開上,何かネック,障害,問題となりそうなことはないか

  • コンセプト・プロファイルの作成

あれこれ検討したコンセプトの具体像を,コンセプト・プロファイルシート”にまとめる。まだこの段階では,実現策は具体化していないので,細部の煮詰まっていないラフなものになる。ただし,コンセプトがプロァイルとして明確に具体化できていないと,その実現手段の具体的検討がしにくいので,どれだけ鮮明かを確認しておくことが大切である。 

  • プロファイル化の効果〜なぜプロファイル化が必要か

コンセプトは,企画づくり全体の“見取り図”でなくてはならない。そのためには,たとえば,「(いままでにない)(いままでにない)うまいラーメン屋」のコンセプトも,「人が並ぶ店」だけでは,具体像に欠ける。並ぶのが,サラリーマンなのか,学生なのか,若い女性なのか,家族連れなのか等々によって,同じラーメン屋でも,

 「大学生の並ぶ店」なら,割安でボリュームがあり,味はそこそこ

 「体育会系のマッチョの並ぶ店」なら,安くててんこ盛りサービス

 「女子高生の並ぶ店」なら,小ぶりで選択肢の多いおしゃれな店構え

 「サラリーマンの並ぶ店」なら,安くて早くて,味で満足させる

 「若い女性の並ぶ店」なら,うまくて雰囲気のある小奇麗なつくり

 「家族連れの並ぶ店」なら,大人から子供までのバリエーションのある品揃え

等々と,まったく目指す方向も基準も違ってくる。ここまで具体化しなくては,コンセプトは完成したことにならない。コンセプトが企画づくりの“へそ”となるかどうかはここでのイメージの具体化と肉付けで決まる。

 プロファイル化したものを実現していくのが,企画づくり作業のすべてである。その意味では,プロファイル化されたコンセプトが,実現手段の具体的検討をするための機軸となっていく。

【コンセプトプロファイル例】

【了】

企画づくりの全体像については,『企画の立て方・作り方』をご覧ください。


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