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Critique Back Number 56


高沢公信"Critique"/2008.7.20

 

企画づくりの中心・コンセプトをつくる【2】

コンセプトとは何か
コンセプトをつくる

コンセプトをつくるスキル〜スクランブル法
スクランブル法の進め方
“コンセプト”をつくるコツ
コンセプトのプロファイル化〜コンセプトを膨らませる


1.取り上げるテーマの確認。

  ※ここで,テーマを最終確認する。テーマについてのニュアンス,意味あいの違いを刷りあわせておく。

   テーマが大きすぎると,ここで洗い出す条件が大きなものになる。

2.テーマに何が必要なのか,欠かせないのか,必要な「条件」,構成する「要素」,「要因」等々を,具体的に洗い出し,ラベルに書き出す。

  ※ここでは,テーマ決定後の,テーマの前提条件,意味づけ,テーマ分析での作業が生きてくるが,この作業で改めてテーマを多角的に見直すことになる。テーマが大きすぎると,当然洗い出す条件も大きくて,抽象的なものになりやすい。

  ※いまあるものを前提にする必要はなく,「いまはない」が,あるいは「いまは必要とされていない」が,「あったらいい要素(条件)」「あってほしい要素(条件)」「あるのが望ましい条件(要素)」「あればいいのにと願う要素(条件)」「あったらいいなと夢見ている条件(要素)」「他人は知らず自分には絶対必要だと感じている条件(要素)」等々の,「わがまま条件」「自分勝手条件」「身勝手条件」「好き勝手条件」「独りよがり条件」でかまわないが,できるだけ具体的に表現する。

※1枚のラベルには,1つの事柄を,できる限り具体的に書くこと。

.ラベル(ポストイット)を,グループ化していく。一般的な概念でくくらないほうがいい。

   ※どうしてもグループからはみ出すラベルは,独立したグループとして扱う。微妙な差にこだわりたい。

4.グループ化が終わったら,それぞれのグループ毎に,その各ラベル群が何を主張しているかを読み取って,全体を的確に表現できる言葉で,タイトルをつける。

5.グループ群の中から,重要性の高いものを9グループ選び出し,優先順位をつける。

  ※当然,何を重視するか,何を取るかで,テーマのニュアンスが変わっていくことになる。ありきたりの順位づけでは変わりばえがしないので,次のように別のやり方を工夫することもできる。

     @逆に,優先順位の低い方からまとめてみる

     A当たり前(正攻法)の優先順位の1〜3位を捨てて,4位以降からまとめてみる

     B特別の切り口(女性にとって,子供にとって,老人にとってetc.)で優先順位をつけてみる

6.9グループの中の,優先順位の高い,1位,2位,3位の3グループを選び出し,(スクランブル法フォーマットの)トライアングルの一番外の角に,それぞれ置く。

7.次に,優先順位の4,5,6位を取り出し,各辺の真ん中に,先に置いた2つのグループと関係がありそうなものを,それぞれ置く。

8.更に,優先順位の7,8,9位を取り出し,各コーナーに,先に置いた3つのグループと関係がありそうなものを,それぞれ置く。

9.テーマは要するにどういうことなのかを,キーワード(キイ・イメージ)として中心に書き入れる。

  ※中心のキーワードの見つけ方としては,次の2つのやり方がある。

   ・全作業を通して,あるいは配置した結果を眺めながら,浮かんでくるものを見つける

   ・(展開例のように)7〜9位を配置するとき,3つのコーナーで,4つのタイトルに関係をつけたが,

     そこで得た意味やイメージを,積み重ねていく

   ※キーワードは,テーマの新しい意味の発見となる。このキーワードによって,テーマに新しい光が当たったり,新しいニュアンスを創り出しているものでなくてはならない。これが「コンセプト」となる。

   ※要するに,この作業は,

    ・9個の組み合わせから見立てられるアナロジー

    ・9個の組み合わせから喩えられる比喩

    ・9個の組み合わせから象徴できるシンボル

    等々の発見である。いわば,“正解を見つけるのではなく,正解を創る”作業である。

10.最終的に,いくつかのイメージを形成しながら,結論としての,最適コンセプトを見つけていく。

  ※コンセプトの選択肢としては,次の2つである。

    @いくつかのキイ・コンセプトの中から,最適のものを選ぶ。

    Aいくつかのキイ・コンセプトを重ね合わせて,更に飛躍させたイメージを選ぶ。 

     ※こうして絞ったコンセプトは,次の評価基準でチェックしなくてはならない。

    ・選んだコンセプトは,本当に,企画テーマの特徴や狙いを的確に表現したものになっているか

    ・課題の求めるものとずれを生じていないか

    ・コンセプトで,意味の説明だけでなく,やりたいことのニュアンスが表現されているか

    ・それは,企画テーマの新しい価値と意味を具象化したものになっているか

    ・それは,既に何処かで,誰かが,使ったものではないか,あるいはそれに似ていないか

  • “コンセプト”をつくるコツ

     いかがであろうか,コンセプトはできたであろうか?コンセプトをつくるコツは、9の条件すべてを網羅したり、言い尽くしたりしようとしないことである。ましてやキャッチフレーズのようにかっこいい言葉に転換しないことである。とりあえずかっこいい言葉で表現することにこだわるより,意図を表現して,共有化しておくほうがいい。表現レベルでかっこいい言葉にこだわることで,本来の意図からずれてしまうことがある。それよりは,意図を言語化しておくほうがいい。こだわりは、偏りである。どれかひとつに焦点を立てる,どこかを中心的に表現する,といった部分で全体を表現しようとすることが,コンセプト発見につながる,

     図は,「うまいラーメン屋」というテーマのコンセプトをつくったものである。コンセプトの周囲に洗い出した条件こそが,テーマのこだわりを支えているものとなる。これをどう具体化していくかが,これからの作業となるが,その前に,もう少しコンセプトのイメージを練って,コンセプトとしての完成度を高める必要がある。

     たとえば、この「並ぶ人」というのは、どういう人なのかによって、コンセプトのニュアンスは変わってくる。これが,コンセプトのプロファイリングである。

以下続く

企画づくりの全体像については,『企画の立て方・作り方』をご覧ください。


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