1.取り上げるテーマの確認。
※ここで,テーマを最終確認する。テーマについてのニュアンス,意味あいの違いを刷りあわせておく。
テーマが大きすぎると,ここで洗い出す条件が大きなものになる。
2.テーマに何が必要なのか,欠かせないのか,必要な「条件」,構成する「要素」,「要因」等々を,具体的に洗い出し,ラベルに書き出す。
※ここでは,テーマ決定後の,テーマの前提条件,意味づけ,テーマ分析での作業が生きてくるが,この作業で改めてテーマを多角的に見直すことになる。テーマが大きすぎると,当然洗い出す条件も大きくて,抽象的なものになりやすい。
※いまあるものを前提にする必要はなく,「いまはない」が,あるいは「いまは必要とされていない」が,「あったらいい要素(条件)」「あってほしい要素(条件)」「あるのが望ましい条件(要素)」「あればいいのにと願う要素(条件)」「あったらいいなと夢見ている条件(要素)」「他人は知らず自分には絶対必要だと感じている条件(要素)」等々の,「わがまま条件」「自分勝手条件」「身勝手条件」「好き勝手条件」「独りよがり条件」でかまわないが,できるだけ具体的に表現する。
※1枚のラベルには,1つの事柄を,できる限り具体的に書くこと。
3.ラベル(ポストイット)を,グループ化していく。一般的な概念でくくらないほうがいい。
※どうしてもグループからはみ出すラベルは,独立したグループとして扱う。微妙な差にこだわりたい。
4.グループ化が終わったら,それぞれのグループ毎に,その各ラベル群が何を主張しているかを読み取って,全体を的確に表現できる言葉で,タイトルをつける。
5.グループ群の中から,重要性の高いものを9グループ選び出し,優先順位をつける。
※当然,何を重視するか,何を取るかで,テーマのニュアンスが変わっていくことになる。ありきたりの順位づけでは変わりばえがしないので,次のように別のやり方を工夫することもできる。
@逆に,優先順位の低い方からまとめてみる
A当たり前(正攻法)の優先順位の1〜3位を捨てて,4位以降からまとめてみる
B特別の切り口(女性にとって,子供にとって,老人にとってetc.)で優先順位をつけてみる
6.9グループの中の,優先順位の高い,1位,2位,3位の3グループを選び出し,(スクランブル法フォーマットの)トライアングルの一番外の角に,それぞれ置く。
※中心のキーワードの見つけ方としては,次の2つのやり方がある。
・全作業を通して,あるいは配置した結果を眺めながら,浮かんでくるものを見つける
・(展開例のように)7〜9位を配置するとき,3つのコーナーで,4つのタイトルに関係をつけたが,
そこで得た意味やイメージを,積み重ねていく
※キーワードは,テーマの新しい意味の発見となる。このキーワードによって,テーマに新しい光が当たったり,新しいニュアンスを創り出しているものでなくてはならない。これが「コンセプト」となる。
※要するに,この作業は,
・9個の組み合わせから見立てられるアナロジー
・9個の組み合わせから喩えられる比喩
・9個の組み合わせから象徴できるシンボル
等々の発見である。いわば,“正解を見つけるのではなく,正解を創る”作業である。
10.最終的に,いくつかのイメージを形成しながら,結論としての,最適コンセプトを見つけていく。
※コンセプトの選択肢としては,次の2つである。
@いくつかのキイ・コンセプトの中から,最適のものを選ぶ。
Aいくつかのキイ・コンセプトを重ね合わせて,更に飛躍させたイメージを選ぶ。
※こうして絞ったコンセプトは,次の評価基準でチェックしなくてはならない。
・選んだコンセプトは,本当に,企画テーマの特徴や狙いを的確に表現したものになっているか
・課題の求めるものとずれを生じていないか
・コンセプトで,意味の説明だけでなく,やりたいことのニュアンスが表現されているか
・それは,企画テーマの新しい価値と意味を具象化したものになっているか
・それは,既に何処かで,誰かが,使ったものではないか,あるいはそれに似ていないか