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Critique Back Number 51


高沢公信"Critique"/2007.7.20

 

こうすれば企画はカタチになる【1】
〜忘年会を例にして〜

 

企画に何を見るか〜企画には何が必要か
企画に当って何をすべきか
企画づくりの基本スタンス〜誰のために企画するのか
企画づくりの流れ
企画づくりは仮説の連続です
コツさえわかれば企画にできる
企画したいことを構造化する


まず,あなたは上司か先輩だとしましょう。部下や後輩から企画が上がってきたとします。あなたなら,どんな点をチェックしますか?

どうですか。アイデアのよさでしょうか?企画書の読みやすさでしょうか?それともわかりやすさでしょうか?斬新さでしょうか?ボリュームでしょうか?

 少なくとも,企画は,アイデアをひけらかしたり,企画することや企画書を書くことが目的ではありません。それは,

 存在しない新しい商品やサービスを実現する,

 現状の不都合やトラブルが起きない仕組みや仕掛けをつくる,

 誰も到達したことのない目標を達成する,

 等々のために立てるもののはずです。企画がそれを実現して見せなければ,企画した意味がありません。

 当然,それ以外にも手段はあるはずです。企画は,他の手段よりも優れていることを示さなくてはならないはずです。それを構造化したのが,下図です。企画は,何らかの目的達成のための,一手段なのです。

 当然,企画をチェックするのは,次の3点です

@それによって何が達成(実現・解決)されているか(されるか)

 Aそれは,どんな点で新しいのか(いままでないものか,それともいままであるものとどこが違うのか)

Bそれは,どこまで実現可能なのか(実現できるメドが,きちんと示されているか)

 第1は,企画は,それによって「何を解決実現しようとしたか」「何が解決実現できたか」が明確でなくてはなりません。それが企画を立てる目的だからです。企画は,目的実現(達成)のための手段(のひとつ)に過ぎないのです。その意味では,何のために(何を解決するために)それを立てたかの目的を明確にしていなくてはならないし,である以上,それを実現できる案を示すものでなくてはならないのです。

 第2は,企画にするに足る“新しさ”が必要です。

 いくら,目的が明確で,実現プランがクリアでも,既に誰かが立てたもの,既にどこかで実行しているものなら,企画には値しません。どんなに目的が明確でも,それがなければ,ひとりよがりに終わるだけなのです。

 第3は,こうすれば,実現できるという,実行プランニングを示していなくてはなりません。企画は,立てることが目的でないということは,その目的を実現できなくてはなりません。それがが,空手形でない証拠を,きちんとしたアクションプランのカタチで示さなくてはならないのです。企画の「画」の部分です。実現プランのない企画は,「画」のない,夢倒れの「企」のみということになるのです。

 以上の3点から,企画のポイントが,下図のように絞られるはずです。

【企画の結果と企画の立案】

企画のどこを見るか(アウトプットとしての企画)

企画を立てるポイントは何か(インプットとしての企画)

@何が解決(達成)されているか

@何を解決しようとするのか(絞り込み)

Aどこが他と違うのか(新しいのか)

Aどう(他と違う)解決をしてみせるのか

Bどうこまで実現に現実味があるのか Aどう(他と違う)解決をしてみせるのか

では,以上を前提に,実際に企画を立ててみるこどうなるでしょうか?

 たとえば,毎年毎年不評続きの「忘年会」の幹事にさせられた若手社員が,「いつもの忘年会はちっとも面白くない」との問題意識で忘年会を企画するという状況設定で,考えてみましょう。

 ご自分の職場で忘年会を企画しなければならなくなったとして,あなたなら,まず何から着手しますか? ちょっと考えてみてください。

 

 どうでしたか?去年何をしたかを調べようとしましたか?それとも,去年の参加者に希望ないし不満を情報収集しましたか?あるいは,他の職場の成功例を取材にいきますか?

 これは上司や顧客に企画を依頼されたのと同じ状況です。そのとき,まず何をすべきなのでしょうか?これは業務命令を受けたときと同じだと思います。

 通常,次の3点確認しなくてはなりません。

 第1は,その目的は何か,です。つまり忘年会は何のために開くのかです。

 第2は,その期待成果は何か,です。アウトプットとしてどういうものを期待しているか,です。これは目的達成の程度といってもよいでしょう。

 第3は,その期限はいつかまでか,です。

 企画も同じです。特に依頼された場合,その依頼主が,何のために,何を求めているかを確認しないで企画することは,企画が期待はずれにならないための最低限の前提です。

 忘年会のように,年中行事のように実施している場合,ただ何となく引き継がれ,何となく企画し,何となく実施しているというものの企画が一番難しいのは,それをやることが前提になっていることなのです。

 しかし,本当にやる必要があるのか,必要がないなら別ですが,必要があるとしたら,その目的を改めて確認しなおさなくてはなりません。でなくては,何時までたっても,本来の目的とは別のカタチで実施されつづけることになるからです。

 これは,企画を立てるとき,最も誤りやすいことでもあります。企画を依頼されると,「企画を立てる」ことを前提にものを考えてしまうのです。たとえば,「忘年会」も,それをやめる,一律ではなく個別パーティ方式にする等々,「忘年会」という概念とは全く別のものに変えるという方が,その目的にかなうかもしれないからです。

 忘年会の企画を依頼されたとき,どう考えるかを構造化してみたのが,下図です。

 「〜について企画してくれないか」と言われて,そこからいきなり企画の中身に入っても,それで何を達成しようとするかが明確でなければ,企画の評価のしようがないのです。そういうのを,企画ごっこと呼びます。

 だから,まず,その目的を確認するのです。たとえば,「若い人が参加したがるものにしてほしい」と言われたとします。でも,それだけでもだめなのです。

 なぜなら,現実には「若い人が参加したがるものにしてほしい」ということを解決するだけで,すべてがクリアになることはめったにありません。それを目的と考えた背景が必ずあるはずなのです。それは,依頼者が向き合っている現状です。それを解決したくて,企画依頼があったと考えるべきなのです。

 たとえば,その現状が,下図のようになっていたとしましよう。

とすると,依頼した側が考えた「若い人が参加したがらない」ということを解決すればいいのかどうかは,こうした現状と向き合い,改めて「何が問題なのか」を洗い出し,本当は,何を解決すればいいのかを検討し直すほかはないのです。

 忘年会企画の意味を整理し直してみたのが,下図です。

以下続く

企画づくりの全体像については,『企画の立て方・作り方』をご覧ください。


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