ホーム 全体の概観 侃侃諤諤 Idea Board 発想トレーニング skill辞典 マネジメント コトバの辞典 文芸評論

horizontal rule

4つの基本スキルの使い方

horizontal rule

【4つの基本スキル】
分ける
グルーピング
組み合わせ
アナロジー

horizontal rule

bullet

分ける要領

「分ける」の意味

いまあるカタチ,いまある意味,いまある条件,いまある構造,いまある位置関係,いまある流れ等々を崩し,その中から,新しい関係づけを見つける

「分ける」基準

ツリー型の分解 垂直分解(機能分解,目的・手段),水平分解(役割区分)

フロー型分解  流れのパターン(時系列,因果関係,起承転結)

配置型分解  位置関係,布置関係等々パースペクティブ(遠近法)の関係

構造型分解   組成関係,骨格構造等々立体的関係

状況型分解   5W2H,ヒト・モノ・カネ

ジャンク型分解 シャッフル,ピースへ解体

「分ける」のパターン例

 ・系統図(ツリー)状に設問をブレークダウンする

全体構造を樹状に分解すると,選択肢を経る毎に,曖昧さは減少し,

具体化・特定解へと絞られていく。

 ・目的→手段連鎖で設問をブレークダウンする

「全体構造を樹状に広げていく」方法は,目的(目標)のための手段は何か,その手段(下位目標)のための手段はないか,と目的→手段の連鎖として,設問のネットワークを組み立てることもできる(これは,組織・システムのようなコトあるいは商品のようなモノの働き(役割・機能)の場合は目的→機能に置き換えてみる)。 

・原因→結果連鎖で設問をブレイクダウンする

 目的→手段連鎖の設問を,目的を結果に,手段を原因に置き換えれば,原因→結果の連鎖として設問を組み立て直すこともできる。

・二者択一の選択肢連鎖で設問をブレイクダウンする

 @ABほど設問が明確でなく,漠然とした曖昧な問題状況の中で,周辺から核心へと,問題の焦点を絞っていくとき,二者択一によって,曖昧さを少しずつ消去しながら,絞り込んでいく。例えば,世界状況は→国内状況は→業界状況は→社内状況は→職場の状況は→メンバーの状況は……というように,広げた状況から個別の状況に,順次ブレイクダウンしていく設問の仕方がある。また,例えば,ある人の職業を言い当てるために,設問を立てていくには,自営か勤め人か→公務員か民間か→メーカーかサービスか→重厚長大か軽薄短小か→……と,外から順次二者択一式に絞りをかけていくというものもある。かつてテレビの「二十の扉」という番組で,「それは動物です」という切り口から,20の質問で答にたどりつくというものがあり,それは動物です→人ですか?→今も生きていますか?→実在ですか?……と,二者択一の質問を20回繰り返していく。いわば,220 (1,048,576)分の1に細分化していくことである(例えば,イエス/ノーの選択1回を1ビットとすると,5回で,232通りになる)

horizontal rule

bullet

グループピングの要領

 ●グルーピングの目指すこと

バラバラになった情報の中に,意味のある「つながり」(束ね直しの基準)をつけることによって,バラバラの「地」に「図」を見つけ出す。

 ●グルーピングの基準は共通点

共通点の発見−矛盾し,バラバラの情報から共通性を発見し,新たな関係づけを見つけ出す。

共通点は見つけるのではなく創り出す−「醜いアヒルの子の定理」(渡辺慧)。2羽の白鳥の共通点と白鳥とアヒルの共通点は,述語の数で比較する限り同じである。

 ●共通点を発見するためのチェックリスト

@まだ細分化し足りないのかもしれない。

A逆に細分化し過ぎてしまっているのかもしれない。そのために,1つひとつが意味の単位を失っているかもしれない。

Bまず似たところはないかと考えてみる。意味的,形式的,質的,形態的,構造的等。

C違いはどこにあるか。逆に,似ても似つかないものはどれか,違いは何か,そうすることで区別がはっきりする。似ていないものとそうでないもの,という2グループの境界線が見えてくる。

D別に言い換え(置き換え)られないか。それはどういうことかと,別に言い換えてみる,別のものにたとえてみる(比喩),他のものに置き換えてみる(拡大解釈,抽象化,縮小,逆さに,裏返す,伸ばす,縮める等)。

Eそれを具体例で考えてみる。具体的人物,具体的事物,具体的出来事で比べてみる。

F両者に関係づけられるものはないか(アナロジー)。一部でも,他を介した間接的でも,断続したつながりでも,僅かに関係づけられるものはないか,原因結果,表裏,前と後,一方が他方の部分,他方が一方 の全体,目標と手段,地と図,相関,従属,相補,補完,入子,主客,陰陽,等々。

G無関係なものはないか。逆に,どんな意味でも無関係なものによって,最初のグループ化が図れる。

H関係や類似させる媒介(触媒)はないか。全く関係なさそうなのに,何か別のモノや言葉と関係づけると,間接的に似てきたり,その関係づけによって,全体の配置が見えたり,順序が見えてくる。

I両者をそれぞれ別のモノ(似たもの,関係あるもの)に置き換えてみる。別のものに置き換えると,共通 項が見えるかもしれない。

J補充・補完してみたらどうか。何か欠けていないか,何か加えられるものはないか。もし,それを補ったら共通項が見つかるかもしれない。

K結合してみる,合わせてみる,重ねてみる。一体化すると,共通項がみつかるかもしれない。

Lそれぞれを統一する(括れる)ものはないかと考える。両者をまとめるとどうなるか,両者共通の傘はないか,共通に括れる枠はないか,と考えてみる。

Mそれぞれを遡ってみる。それぞれが何に原因している(由来している)か,何がもたらしたものかと,背景・根拠・理由に遡ってみる。

Nそれぞれを下ってみる。これからどうなるか,今後の方向,流れを考えてみると,下流では一本化しているかもしれない。何のために,何を目指しているかと,目的を考えてみる。

horizontal rule

bullet

組み合わせの要領

組み合わせのめざすこと

異質のものを組み合わせることで,ピース自体の出自にかかわりなく,全く新しい全体像を見つけ出す

組み合わせの見つけ方

機能1 

サブ1

サブ2

サブ3

サブ4

サブ5

サブ6

 

 

機能2

サブ1

サブ2

サブ3

サブ4

サブ5

サブ6

 

 機能3

サブ1

サブ2

サブ3

サブ4

 

  
 組み合わせ例1

 ○発見型組み合わせ

     ランダムにいろいろ組み合わせて輪郭を創り出す

グループ化した情報群同士を,逐次組み合わせて,新しい可能性を見つけていく。例えば,機能別区分とそのサブグループ群の組み合わせを探るために,各機能毎にサブグループのカードを並べ,スライド式に順次ずらして組み合わせを検討する。

  ○仮説型組み合わせ

     何か媒介を使って(似たものの輪郭を借りる)輪郭のモデルを創り出す

グルーピングで得た全体の関係性から,何かになぞらえられる(見立てられる)アナロジーを発見し,個々の組み合わせを導き出す。まず全体の枠組を発見するアナロジーを見つけなくてはならない

   ○代理型組み合わせ

部分に焦点を当てて,全部ではなく1部分で組み合わせを見つけていく(部分に偏った仮説型の変型)

horizontal rule

bullet

アナロジーの要領

 ●アナロジーのめざすこと

異質な分野との対比を通して,まったく新しい意味や行き詰まりの打開につながる

 ●アナロジーとは

アナロジーとは,当該の何かを,それと似た(あるいは関係のありそうな)別の何かを媒介して見ること,「〜を通して」見る(考える)ことである。

例えば,Aを,それに似たXを通して見る(理解する)というのは,

・Aの仕組みをXの仕組みを通して理解する

・Aの構造を構造を通して理解する

・Aの組成をXの組成を通して理解する

・Aの機能をXの機能を通して理解する

等々。アナロジーで見たいのは,見えない関係を,「〜を通して」見ることで見つけることである。

 ●アナロジーの“かたち”

アナロジーは,次の2つにわけることができる。

・類似性に基づくアナロジーを,「類比」

・関係性に基づくアナロジーを,「類推」

前者は,内容の異質なモノやコトの中に形式的な相似(形・性質など),全体的な類似を見つけだすのに対して,後者は,両者の間の関係を見つけ出す。特に関係性が重要なのであるが,これには,次の2つのタイプがある。

  @両者の構成要素のもつ関係性からの類推

独立した2つの対象間の構成要素の対比によって,既知のBの要素間(β1β2)の関係(b12)がわかっており,Tの要素(τ1)とBの要素(β1)とが対応し,BとTの要素間の関係(b12とt12)が対応しているとき,それとの類推から,Tにおいてもτ2があるに違いない,と推測していく。要素の類推だけでなく,関係そのものの類推でもいいし,性質が1つであれば,類比となる。

  ○ β1
  ↓
b12

  ○ β2


  ○ τ1
  ↓
t12

  ○ τ2

  A両者の関係から生み出す全体構造の類推

その要素ではなく,独立しているBとTとの間の関係から,それを図とする地を類推することになる。

@両者の位置関係から,両者の包含関係,全体・部分関係,一部の重なり,という全体としての関係づけの発見。

ABとT自体が,両者を要素とする別の枠組の内部の組成関係である,という関係づけの発見。これは,隠されているフレーム(X)を,両者間の構造から,類推していく。

 ●アナロジーの見つけ方

  グループ群に新しい全体のモデルを見つけるには,次の3パターンがある。

  ◇全体に関係が似ているものを見つける

   イメージや印象,働きなどから見立てる

  ◇部分からつながりを見つけ,そこから逆算して関連するものを吸引する

   メロディの一節からフレーズをつなげていく

  ◇部分と部分の関係の断片から全体像を見つける

   メロディとメロディのつながりから全体を類推していく

 ●アナロジーのパターン例

 ・連想式

同じ言葉で考えているだけではつながらものが,イメージを介在させることで,飛躍できるのである。

     カッパ→かわうそ→……

          ハゲ→屋台のおやじ→中曽根

       バーコード→レジ→……

・類推式

与えられた条件や情報の枠組みを考えるとき,そのまま掘り下げるのではなく,その特定の状況を,別の状況設定に(仮定して,仮想して)置き換えて,問題の枠組みを変えて考えてみる。そうすることで,与えられた問題の枠組みの中では,気づかなかった別の視界(「問題」)が見えてくる。

・拡大(縮小)

通常の視点で見ている限り,情報の深度や幅が深まったり広がったりすることは別として,特別に距離感が変化することはないが,対象との距離を意識的に変えることで,近づけば拡大するし,遠ざかれば縮小する。裏側に回れば裏返したことになる。上から見れば俯瞰したことになる。

ページトップ

horizontal rule

bullet

創造性とは何かについては,ここをご覧下さい。
bullet

創造的発想とは何かについては,ここをご覧下さい。
bullet

発想力チェックについては,ここをご覧下さい。ご自身でお試し下さい。

bullet

発想力とは何かについては,ここをご覧下さい。

bullet

また,発想を妨げる要因については,ここをご覧下さい。

bullet

バラバラ化については,ここをご覧ください。

bullet

アイデアづくりの基本スキルについては,ここをご覧下さい。
bullet

アイデアづくりの構造については,ここをご覧下さい。

bullet

アイデアの生存率については,ここをご覧下さい。

bullet

発想技法については,ここをご覧下さい。
bullet

発想スキルと関連して,ここ[問題への感度を高める]も参照して下さい。

bullet

発想トレーニングについては,ここをご覧下さい。

bullet4つの基本スキルを使っての情報探索への応用については,ここをご覧下さい。
bullet情報分析については,ここをご覧下さい。
bulletアナロジーの見つけ方については,ここをご覧下さい。
bullet4つの基本スキルを使った研修については,ここをご覧下さい。
bullet創造性開発研修プログラムは,創造性開発研修プログラム・目次をご覧下さい。
bullet企画・発想・創造性に関する参考文献一覧については,ここをご覧下さい。

horizontal rule

創造性開発研修頁へ戻る

創造性とは何か
アイデアづくりの構造
発想トレーニング
アイデアづくりの基本スキル
アナロジーの見つけ方1
創造性開発研修プログラム・目次
企画・発想・創造性関連参考文献

horizontal rule

ホーム 全体の概観 侃侃諤諤 Idea Board 発想トレーニング skill辞典 マネジメント コトバの辞典 文芸評論

ご質問・お問い合わせ,あるいは,ご意見,ご要望等々をお寄せ戴く場合は,sugi.toshihiko@gmail.com宛,電子メールをお送り下さい。
Copy Right (C);2024-2025 P&Pネットワーク 高沢公信 All Right Reserved