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問題への感度を高める

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bullet問題とは何か

 「問題」はあるのではない。誰かが「問題にする」ことによって,初めて「問題になる」。だから,皆が大騒ぎして「問題になる」からといって,「問題にする」に値いしないことはある。逆に,自分たちのミスを見ないふりし,なかったことにすることで,「問題にしない」ことはできかるかもしれないが,クレームがそうであるように,自分は問題にしたくなくても,顧客の方が「問題にする」ことで,「問題になる」だけである。
 だから,「問題になる」前に「問題にする」ことが必要になる。例えば,
  「疑問」を「問題にする」(問題にできる)役割意識の主体性
  「不安」を「問題にする」(問題にできる)責任感
  「不足」を「問題にする」(問題にできる)顧客意識(カスタマーマインド)の先取り
  「不満」を「問題にする」(問題にできる)
  「理想」を「問題にする」(問題にできる)目的意識・方向意識の視線
  「願望」を「問題にする」(問題にできる)感性
 等々。これが“問題意識”である。しかし,考えてみれば,こうして「問題にする」「問題」とは,自分の側に「〜したい」「〜あるべき」との思いがなければ存在しない。〜を実現したい,〜をしたい,〜しなくてはならない,〜すべきだ,等々という思いがあるからこそ,現状を「問題」にすることができる。

 だから,前提として,目的意識や自分自身のやるべきテーマ,果たさなくてはならない使命・役割等々がなくては話にならない。いまはどうか知らないが,以前チューナーを買うと必ず,T字型のFMアンテナがついてきた。これは,ほんの間に合わせにしか使えない代物だが,それは,指向性(感度分布)がないからだ。しかし,これに,TVのアンテナ線(フィーダー)を切って,前後につけてやると,強い指向性をもつ。これと同じで,問題の感度や深度は,指向性(何について)があって初めて研ぎ澄まされる。目的意識のないところでは,感度もセンスもアンテナも働かせようがないのである。

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bulletどうすれば問題への感度を高められるか
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問題意識とは

扇谷正造氏は,問題意識を

 @「空気にツメをたてろ!」
 A原点に立ち返って問題を洗い直す
 B煮詰めてモノをいろいろな角度から考える

 と,された。「空気にツメをたてろ!」とは,あえて波風のないところに,波風を立てることと言ってもいい。「意識的に問題にすること」とは,この意味である。「原点に立ち返って」とは,何のために(目的),何をする(目標)ためなのかを洗い直せということだ。「いろいろな角度から考える」とは,「タテヨコナナメ十文字」に考えることだ。が,このアドバイスも,そもそもの目的意識が欠けていればから念仏に終わる。

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「問題」への感度を高める

 「問題意識」の感度を高めるとは,「当たり前」のこととして,「問題にしない」固定観念に流されないようにする,ということだ。そのためには,次の3つの基本スタンスから始めなくてはならない。

 @知っていることをアテハメない−「まてよ!」

  現状(いまあるもの),前提(いままでの経緯),条件(与えられた制約)を,鵜呑みにし
  ない,そのまま当てはめない⇒見えるままに見るな,知っているままに見るな

  「知っている」「わかっている」「やったことがある」という思い込みが一番まずい。わか
  っている!と思ったら,「本当にそうか?」と振り返らなくてはならない。

 A別に答はないかと問い直す−正解はひとつではない

  問い方によって見え方が変わってくる−問い方が変われば正解は変わる。問いによっ
  て,分からない(知らない)ことが見えてくる,何が知らないことかが見えてくる。「答」が
  わかったら終わりではなく,出発点である。別の答を探さなくてはならないのである。人
  の見つけた答をなぞって何が面白いか。

 Bキャッチボールする−(ヒトに,モノに,コトに)問い掛けてみる

  問わなければ,分からないことがある。問いかけて初めて,見えてくることがある。現
  場,現物,現実に当たる,誰かに問い掛ける,キャッチボールによって,情報の幅と奥
  行が現れる。 3Mのポストイット開発をめぐる逸話で,シルバー氏が,接着剤を開発し
  ていて,貼ってもすぐ剥がれてしまうものを創り出した。彼はそれを「失敗」とはみなさ
  ず,社内の技術者に,この特性を生かした使い道を考えてくれないかと主張し,それに
  応じて,いつも聖歌に挟む付箋に不便を感じていたフライ氏が,その使用方法として,
  ポストイットを発想したのである。

  ここには,大事なポイントが2つある。第一は,自分から人にアイデア(考え)を問い掛
  けるということ。第二は,失敗作という先入観にとらわれず,何とかできないかと受けと
  める「聞く耳」をもっている人がいたということ。これが,Bの趣旨である。「ブレインスト
  ーミング」はまさにキャッチボールを機能させるためのルール,つまり,異見をいかに活
  かしていくかの仕掛けと考えるべきである。とすれば,何も何人かが集まらなくてはでき
  ないのではなく,こちらから,「これどう思う?」と問い掛けていく姿勢があれば,電話や
  Eメールやインターネットのチャットがそのままブレインストーミングになっていく。

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「問題」を掘り下げるスキル

 扇谷氏の,「煮詰めてモノをいろいろな角度から考える」で言う,多角的とは,タテヨコナナメ十文字にものが見れるかどうかということだ。その切り口は,次の4つに整理できる。

 @視点(立場)を変える 
 いまの位置・立場そのままでなく,相手の立場,他人の視点,子供の視点,外国人の視
 点,過去からの視点,未来からの視点,上下前後左右,表裏等々

 A見かけ(外観)を変える
 見えている形・大きさ・構造のままに見ない,大きくしたり小さくしたり,分けたり合わせた
 り,伸ばしたり縮めたり,早くしたり遅くしたり,前後上下を変えたり等々

 B意味(価値)を変える
 分かっている常識・知識のままに見ない,別の意味,裏の意味,逆の価値,具体化したり
 抽象化したり,まとめたりわけたり,喩えたり等々

 C条件(状況)を変える
 「いま」「ここ」だけでのピンポイントでなく,5年後,10年後,100年後等々

  ここでいう,「変えてみる」とは,それを意識してみるという意味だ。例えば,「視点を変えてみる」の,「視点を意識してみる」とは,「〜と見た」とき,「いま自分は,どういう視点・立場からみたのか」と振り返ってみるということだ。そのとき,会社の立場で見たのだとすれば,それ以外の,父親として見たらどうなるか,客の立場で見たらどうなるか,………等々,別の視点にもうひとつは気づけるはずである。その意識的な「問い直し」が,少なくとも問題意識の端緒であり,問題の感度を研ぎ澄ます出発点なのである。

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なお,このスキルについては,ここ[創造的発想とは]もあわせて参照して下さい。

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問題意識について,更に関心のある方は,ここ「問題意識を育てる」)をご覧下さい。
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さらに,問題の発見に関連しては,ここ(「問題の見方・見え方」)をご覧下さい。

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また,問題意識の掘り下げについては,ここをご覧下さい。

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問題の分析と解決については,ここをご覧下さい。
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ケーススタディの参考文献は,ここ,問題解決の参考文献は,ここをご覧下さい。

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