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アナロジーの見つけ方1

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アナロジー発見の方法
アナロジーの見方チェックリスト
アナロジーの見え方チェックリスト

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アナロジー発見の方法〜アナロジー発見のための二つのチェックリスト
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ゴードンの分類

アナロジーとはどういうものかについて,ゴードンは,『シネクティクス』の中で,アナロジーの手法を,

・擬人的類比(personal analogy)

・直接的類比(direct analogy)

・象徴的類比(symbolic analogy)

・空想的類比(fantasy analogy)

 の四つ挙げている。

直接的類比は,対象としているモノを見慣れた実例に置き換え,類似点を列挙していこうとするものである。ゴードンは,蓋なしで開閉するもので貝を挙げている。

擬人的類比は,対象としているテーマになりきることで,その機構や働きのアイデアを探るというものである。いわゆる擬人法(モノや動物を人に見立てる)とは違う。モノになり切るものである。チャールズ・ヤン氏は主観類推法と表現している。

象徴的類比は,象徴的なイメージを手掛かりに発想を広げていこうとするものである。ゴードンは,インドの魔術師の使う伸び縮みする綱のもつイメージを手掛かりに,伸縮するものへと連想していく。

空想的類比は,潜在的な願望のままに,自由にアイデアをふくらませていく。ゴードンは,閉じる→向かい合った虫の握手→クモの巣の獲物を捕まえて離さない状態,と連想を飛躍させている。

しかし,問題は,どう使いこなしたらそういう着想がえられるのかの方法は具体化されていないことだ。では,アナロジーを見つけやすくする工夫は何か。

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2つのアプローチ

 アナロジーを見つけやすくする工夫として,

 ・アナロジーの見方のポイント(どういう着眼点があるか)

 ・アナロジーの見え方のリストアップ(類似性と関係性にどんな基本パターンがあるか)

 の二つのチェックリストを試作してみたい。

 第一は、アナロジーの着眼点の整理である。どういう着眼点に立てば,どんなアナロジーが見えるのか(どんな見方をすればどんなアナロジーとなる)。われわれの取れる視点(見方)毎に,そこから見えるアナロジーを点検していけばいいのである。いわば,見立てにおいて着眼すべきポイントのリストアップである。ゴードンの挙げた擬人的類比,空想的類比は,そういう意味のアナロジーの着眼点を意味する。

 第二は、見えているもの(カタチ,構図,関係,機能,性能,流れ等々)を,何に(どんなものに)見立てればアナロジーとして成立するか,基本パターンの整理である。見えているもの,たとえばカタチ,構図,関係,機能,性能,流れ等々のどこに目をつければ,アナロジーに見えてくるか。アナロジーを見つけやすい基本パターンをチェックリストとすればいいのである。アナロジーの類似性、関係性の構図をできるかぎりリストアップしてみた。それと照合すれば,グループの間の関係にどんなアナロジーが隠されているかをチェックできるはずである。こういうパターンはないか,かくかくの見え方はないか等々。見立ての構造の側からのチェックリストである。ゴードンの挙げた直接的類比,象徴的類比は,そういうパターンの一つである。

 前者が,アナロジーの見方のリストアップ、後者がアナロジーの見え方のリストアップ,である。それぞれチェックリストとして、以下に試作した。

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アナロジーの着眼点(アナロジーの見方チェックリスト)

基本的には,「〜と見る」見方,「〜にする」仕方,「〜になる」なり方,の3つがある。アナロジーのとらえ方(見立て方)には,3つがある。

 
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「〜と見る」見方

「〜と見る」は,見えているものを何かと同一視することである。芝生を緑の絨毯、群衆の逃散を蜘蛛の子といった,何かを別のモノやコトと見る,何かに別のモノをダブらせることである。これは視線の変換である。

つもり/ごっこ/仕立てる/喩える(例える)/引用(代用・転用・兼用・併用・応用)/代理・代表/つなげる(並べる)

 

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「〜にする」仕方

「〜にする」は,一方を他方と同じにすることである。そう見えるようにする、そう見えるように変える,そう見えるように置き換える。これには,同じ大きさ(サイズ,嵩,規模,長さ,広がりの似たもので比較してみる),同じ重さ(重量で似たものを対比してみる),同じ格好/同じ形状,同じ性質,同じ次元等々といった、ミニチュア,模型,箱庭,プラモデルといったものが当てはまる。これは対象の変換である。

模型(モデル)/かたどる(カタチにする)/なぞる(写す)/触媒(媒介)/補う(補足)/伸縮/集散(離合)/増減/開閉/置き換え(回転,転倒,裏返し)/ずらす(スライド)

 

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「〜になる」なり方

「〜になる」は,見る側,する側から,される側に代わることである。そういう立場になる,その役割を引き受ける,そのモノになる,その場に立つ,といった身振り,ジェスチャー,声帯模写,形態模写等が当てはまる。ゴードンの擬人的類比,空想的類比はこれに当たる。自分の変換である。

 

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アナロジーの見方がわかる20の着眼点

もちろんこれは見立て方であるから,実際にそうなったり,そうしたりするのではなく,そうしてみる(〜してみる,〜なってみる)ということに変わりはない。いずれも,それを通すことで別のものを見る眼鏡の設定である。

 以下,そんな見立てを手に入れるための眼鏡のいくつかを挙げておく。

 
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「〜と見る」見立て方

 @つもり

 Aごっこ

 「つもり」は,何かを別のモノやコトに見立てる。実際はそうではないのにそうしたモノと見たり,そうした気持になってみたりする。別のモノに見せたり別の気持にさせるための眼鏡である。木の葉をお札のつもり,泥をごはんのつもり,棒を刀のつもり,風呂敷をマントのつもり。落語の「長屋の花見」では,沢庵を卵焼き,大根を蒲鉾,番茶をいれた徳利を酒に見立てる。

 それを使ったり,その場に立ったつもりになれば,自分をその役割や立場になぞらえる(擬する)ことになる。そこに「ごっこ」が成立する。ここでは後述する「なる」とほとんど同じである。〃ままごと〃は,炊事や家事の真似ごとというごっこの例である。

 逆もある。つまり,「ごっこ」をすることが,モノをその状況や場面にふさわしいものに見立てさせる。つまり,ままごとをするために,葉っぱがお金に見立てられ,父親になったつもりにさせる。電車ごっこが綱を車両に見立てさせ,運転手になったつもりにさせる。ブーンという擬音を立てて手を広げた格好が,身体を飛行機に見立てさせ,同時に自分をパイロットになったつもりにさせる。ちゃんばらごっこが,木の棒を刀や電子サーベルに見立てさせ,自分を鞍馬天狗やゴレンジャーになったつもりにさせる等々。

 B仕立てる

 つもりの目を徹底すれば,モノやコトだけではなく,その世界そのものが,別のものとなる。「ドラマ仕立て」とか「その場を仕立てる」という表現にあるのは,自分も含めて,その場全体を,別の何かのシーンにしてしまい,すべてをその登場人物に変えてしまう。例が悪いが,取り込み詐欺で,縁もゆかりもない銀行の応接セットを無断で借りて,あたかも銀行マンのごとく自分を見せてまんまと騙す。これは,自分を〃銀行マン〃に見立てさせる(偽装する)場をつくっている,ということができる。これには,

場仕立て(その場の状況を再現してみる。現場検証,オープンセット,時代村等)
時(時代や時期)仕立て(時代の雰囲気は,時代を象徴する小道具,たとえば,だっこちゃんやフラフープ,朝日という煙草等々にある)
人物仕立て(忠臣蔵の吉良と浅野,新撰組と討幕浪士といった,人と人の関係で場や時が象徴的になる)
ドラマ仕立て(忠臣蔵仕立て,三国史仕立て等,有名な歴史や芝居に仕立てることで,その場の状況が典型的になる)
ゲーム仕立て(ゲーム,囲碁・将棋に仕立てると,状況が白黒をはっきり描きやすい)
スポーツ仕立て(二人の対決には相撲,ボクシング,チームプレイには野球等)
もじり(何か有名なもののスタイルや構成等に似せながら,少しずらしてパロディにする。たとえば徒然草の書き出しをもじる,何々三国志というように人物立てをもじる,あるいは駄洒落や語呂合わせのように音を真似て意味をずらす等々)

等々,創り出した状況によって,多少デフォルメされたり単純化される面はあるが,かえって関係や構図の輪郭が鮮明になる。

C喩える(例える、擬する、なぞらえる)

ヒトやモノやコトを例にする,引き合いにする,喩える。これには,2つある。

ひとつは,直喩の「雪のような肌」「岩のような意志」というように,対比するものを例とすることでより具体化するもの。

もうひとつは,隠喩の「頑固ものの機械」(機械を人に見立てている)「走る宣伝カー」(人を車に見立てている)というように,モノやヒトになぞらえる(擬する),ヒトに見立てる擬人化(ゴードンの擬人的類比はこれではない),モノに見立てる擬物化、状態になぞらえる擬態化等がある。

いずれも,人(や社会)をモノ(やコト)に見立てる,モノ(やコト)を人(や社会)に見立てる。両者を同列にする,同一と見なす,同型と見なす等,対比するものを質や形態の差異を捨てて同じとみなすところで成立する。それによって特徴がパターン化される。これには,

《ヒトに見立てる目》事象や事物をヒト,ヒトにまつわるものに喩える

・ヒトの生物学的な構造,システムになぞらえる(社会の頭脳,手足にして使う等)
・ヒトの生態になぞらえる(おしゃべりなコンピュータ,夜更かしする街等)
・ヒトの活動になぞらえる(元気な車,暴走する地価等)
・ヒトの心理になぞらえる(好戦的な国,一服する株価等)
・ヒトの病気になぞらえる(社会の病気,肥大化した組織等)

《モノに見立てる目》コトバや概念をモノや具体物になぞらえる

・モノの形状になぞらえる(社会の土台,柱,骨組,罅割れた関係,時代の節目等)
・モノの状態になぞらえる(人口の流動化,バブルがはじけた,タケノコ生活等)
・モノの構造になぞらえる(骨太な思想,頭がピーマン,理論の土台と骨組等)
・モノの素材になぞらえる(張子の虎,軽量化した本社機構等)
・モノの組み合わせになぞらえる(歯車が合う,コインの裏表等)

《コトに見立てる目》ヒトや社会を自然や歴史に擬する

・コトの状態になぞらえる(薄曇りの景気,坂の上の雲等)
・コトの働きになぞらえる(地滑り的勝利,地殻変動する社会構造等)
・コトの歴史になぞらえる(〜戦国史,今太閤,冷戦状態等)
・外国の土地や名跡になぞらえる(日本のアルプス等,有名なモノや地名に擬す)

等々がある。喩えるイメージの焦点の当て方,その箇所によって,見立て方は違ってくる。

Dつなげる(並べる)

幾つかのモノ・コト間に,対,対称性,リズム,周期等々の様式や意味を見つけるのは,

・連続的な配列の仕方(直線,曲線,点線,波線,並列,直列,断続,番,交互,強弱,繰り返し,リフレイン,サイクル,数珠つなぎ,黒白,大小,天地等)
・面としての配置の仕方(対称,鏡像,一双,斑,対,碁盤,縞,唐草,市松,亀甲,渦巻,波型等)
・層としての重なり型(和音,重奏,階層,多層,入子,地層,成層,螺旋,浮き彫り,畳む等)
・立体としての結びつき方(高次元,多面体,原子構造,分子構造,高分子構造,結晶,球,ドーナツ,星雲,銀河,太陽系等)
・時間としてのつながり方(カノン,フーガ,輪唱等の対位法,周期,波長,拍子,因果等)

等々,並び方,位置関係,つながり方に,一続きの〃まとまり〃を見立てるからである。

 
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「〜にする」見立て方

@模型(モデル)を立てる

ここでは,縮尺モデル(現物の縮小や拡大)や類推モデル(仕組みを似たモノに置き換える)によって,大きさも視点も全く異なる両者を,同列に見えるようにする。同型と見なす,数ヵ月の時間の間隔を一瞬に縮める,早いスピードをゆっくりした時間に延ばす,プラモデルのようなミニチュア,あるいは箱庭,ひな型,木型等々,われわれの視点に見やすく,対象を同列に見えるようにする。これには,

・空間の差異をなくす(人のサイズにおき直す,箱庭,シミュレーション,拡大図,地図等)
・時間の違いをなくす(「あのとき」を「いま」におき直す,いまを明日として見る,スローモーション,静止,高速度映画)
・クラスの差をなくす(特定個人で全体を推測する。女性誌で若い女性の傾向を推測する。団塊の世代,団塊ジュニアで個々人の傾向を推測する)

等々がある。

Aかたどる(カタチにする) 

粘土細工にする,図形にする,構造物にする,形式化する,類型化する。カタチ,形態,形状,輪郭,枠組に似せ(真似)てみる。構造,仕組み,配置をかたどる。カタチあるものにする。モデルとは違い,全体である必要はない。部分だけを取り出す。ある部分と部分の関係だけをかたどる。必ずしも静的なものだけではない。動きや変化も,パターン,図式化できれば,そのカタチから真似られる。そのカタチによって,見え方が決まってくる。

 例として、動きの類型/変化の典型/トレンドの傾向/分布の曲線/周期の型/配置の構図/輪郭の相似/構造の近似/様式の同時代性/順序の同型/位相の一致/考え方の類型/ステレオタイプ等々。

問題は,どこをかたどるか,どことどこをカタチにするか,だ。

Bなぞる(写す、映す)

手や紙の形で影を映す影絵,モノの形を写す魚拓・拓本と同じく,対象をなぞる。

カタチをなぞる/時間をなぞる/時代をなぞる/構造をなぞる/仕組みをなぞる/働きを写す等々。どんな瑣事,細部も逃さず写す,トレースする。丸写し,敷き写し,透き写し,引き写し。カタチのほんの些細な凸凹も,ほんの僅かな曲りも,構成のわずかな歪みも,順序も配置も,漏れなく写す。

ちっさな組み合わせの特色から唯一の類似性を気づくかもしれない。ともかく忠実になぞること。ラインも点も,疵さえも重要なヒントかもしれないのだ。全体の輪郭から,細々した部分の特徴まで,ともかく律義になぞる。縮小・拡大コピーになると伸縮となる。

C触媒(媒体、媒介、仲介)させる

プリズムを媒介にすることで,光のスペクトルが見えるように,そのままでは他に見立てようがなくても,何かを媒介にすると,見えてくることがある。

・面や線といった空間や量を媒介にすることで図形が見え方を変えるもの
・モノ・コト・ヒトを媒介にするもの(活性炭を通す濾過,白金片を媒介に水素と酸素が水になる,酒宴を媒介にするノミニケーション,その人がいると主役が引き立つ脇役,喧嘩の仲裁,仲人)
・色や質を媒介にするもの
・気温変化や気候の変化といった条件を媒介にするもの

等々,媒介物(者)を立てることで,見立ての範囲を変えるはずである。

D補う(補足、仮設)

星座に神話を描くように,そこにないものを想像で置いてみる,足してみる,補ってみる。それがあると見なしたらどうなるかと見立てることである。そこに,つながりが見えたり,全体像が見えたり,脈絡がつながったり,別のカタチが見えたりする。それは,媒介に似ているし,「増減」「ずらす」にも似ている。ただ「増減」は、現状に過不足(という変化)を与えるのに対して,これはないものを仮設してみることである。これには,

・ないもの(者)をある(いる)と見なしてみるモノやコトの補足
・ないカタチや線の補足といった空間や量の補足
・色を加えてみる柔らかさを加えてみるといった質の補足
・立体(三次元)に変化を加えてみる、コンピュータグラフィックスの時間の補足
・別の条件を加える

等々がある。

E伸縮させる

凹面鏡・凸面鏡やゴム細工のように,拡大・縮小,曲げる・伸ばす,畳む・伸ばす,折る・広げる,縮尺度,倍率を変えてみる。形態,輪郭,厚み,奥行,幅を変えてみる。これには,

・トポロジーのように,形状や輪郭を伸びたり縮めたりすることで同一と見なすもの。たとえば,ゴム膜の上でAの字を伸ばせばRの字となる,Cの字はSの字にもなる,ドーナツはコーヒーカップとは同型になる。
・ある特徴をクローズ(ズーム)アップするもの。部分や組み合わせ,つながり具合だけを部分的に伸縮させるデフォルメ(誇張、戯画化),構造や配置の間隔,距離,広さを変えてみる,ある部分だけを大きく(小さく)してみる,ある部分と部分の組み合わせだけを縮めて(拡大して)みる。
・時間の幅を伸縮させることでモノやコトを変えてみるもの。たとえば一瞬を拡大する,膨大な時間を縮める。

の3つがある。

F集散(離合)させる

万華鏡のように,散ったり集まったりすることで変形,変質するもののイメージを手掛かりにする。外観の集合・分離、統合・分解、一括・分割、稠密・過疎だけでなく,部分や機能,役割の離合集散もある。その中身には,単なる集散の他に,並べる(バラす),つなぐ(解く),結ぶ(断つ)等がある。これには,

・物理的な集散(モノやカタチ,力や重さ等)
・性質的な集散(アモルファス,高分子のような化学的な変質)
・機能的な集散(働き,役割といったコトやヒトにまつわる仕組み,構造等)

等がある。

G増減(濃淡・厚薄)させる

いまあるモノ・コトに,加減,加除,満ち欠け,過不足,盛衰等々する。むろん量的空間的な増減もあるが,質的時間的な増減もある。一方に写実的な細密画があれば,他方にどんどん捨象していく抽象画や漫画がある。細密に過ぎると,たとえば時間を緻密に追えばスローモーションになるし,白描のように素描することで,かえって対象の本質はつかみやすくもなる。

これには,単なる増減とダブらせる(逆に省く,丸める)がある。

・増減は,量的質的な変化による見え方の違いが手掛かりになる。一人増えただけでトリオからカルテットになる。
・ダブりは,12345を11223344と変える(逆に135をカットする)だけで,リズムが変わる。構成・配列を重ねる,繰り返す,ダブらす。逆に桁を変える,丸める,四捨五入。

H開閉(見え隠れ、浮沈、出没)させる

扉を開けるだけで内外がつながってしまうように,開く・閉じる,包む・晒す(露出),出没,見え隠れ,包囲・解放等によって,別の見立てをしてみる。

・ゲートの開閉で回路が変わる,接続が変わる
・境界の開閉で領域が変わる
・層を圧縮することで次元が変わる
・境界線の開閉をつなぎ変えることで包含が逆になる
・句読点の位置で文脈が変わる
・レベル(例えば水位)の変化で見え隠れする

等々。結果として次の「置き換え」へとつながっていく。

I置き換える(転置、回転、転倒、裏返し)

現状の構図,配置,配列,順序,関係をあちこち置き換える,入れ替える。隣同士を取り替える。シャツを裏返すだけでも,違った枠組になる。

・部分,部分の組み合わせを替える
・括りを拡大したり,縮小したりして境界を変える
・近いもの同士を遠ざけてみる
・連続性を切る,曲げる,断つ
・境界線の線引きを変え,閉じたところを開き,開いたところを閉じる
・上下関係を変える
・内外関係を変える
・包含(入子)関係を変える
・プラス・マイナスを逆にする
・方向(前後、表裏)を変える,等々。

Jずらす(スライド)

ずらすには,そこから滑っていく移動(後戻り)と,その場や時を先へ延ばす(後ろへ引っ張る)がある。

・場所を移す・場所そのものを延ばす
・時代・時間を移す・延ばす
・一つ上へ層をずらす,一つ層を増やす

線/面/時間/次元/層等を,移すことでは切れるが,延ばすことではつながっている。移すことでは,別のつながりに変わるが,延ばせば一つのつながりになる。

K引用(代用・転用・兼用・併用・応用)する

よそから借りる,借用する。知っている何かをもってくる。手慣れた働き,意味,形,性質を借りる。有名なもので代用する。別の使い方をしてみる。全体がどこも似ていないが,ほんの一部に,あるいは一瞬に,何かを感じる,有名な俳優の何かに似ている,何処か輪郭に面影がある。そういう似た部分,知っている部分を手掛かりにして,配列や配置をし直してみる。組み直してみる。別の輪郭をたどってみる。本歌(本家)を探す。

L代理・代表させる

部分で全体を象徴させる,特徴ある部分,知っている部分で全体を代表させるモノを列挙してみる。その部分を何かの象徴(代理・代表)とすると見えてくる全体はないか。

・部分で全体を肩代わりさせる
・部から全体を想定してみる
・小道具で象徴する時代にまとめてしまう
・印象に残るもので全体を括ってしまう
・分かるもの(部分)だけで全体の輪郭を描いてしまう

等々、部分から見えるパースペクティブ(視界)においてみて,構成を見直す,組み直す。

 

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「〜となる」見立て方

@なる

A代わる

いわゆる共感や相手の立場,そのモノになる,そのものと代わる,ということを意味する。これは,自分の固定した「私」を捨てることで,全く違った視野を想像することである。これには,感情から入る(感情移入)のとカタから入る(ロールプレイングやジェスチャー)のとがある。物まねや形態模写のような,カタから入る方がやりやすい。

・その人に成ってみる
・その人の立場(地位)に立ってみる(子供の目線に降りて子供の世界を見る)
・その人の状態(環境)を引き受けてみる
・その人の来歴を引き受けてみる
・その人の顔つきを真似てみる
・その人のスタイルを真似てみる
・その人の恰好をなぞってみる
・その人の発想を真似てみる
・その人の気持になってみる
・その感情(好悪、喜怒哀楽、寂しさ)を感じてみる
・その感触(手触り、肌ざわり)でイメージを描いてみる

等々,それを自分の体(心,気持)でなぞることが,視点の型枠となり,違った見方ができる。ある意味で〃つもり〃と似ているが,違いを強いて挙げれば,つもりが小道具(葉っぱや泥等)からなぞって結果として〃なる〃のに,〃なる〃や〃代わる〃は意識的にそうしてみることにある。ただ,モノやコトを通すことで〃なり代わる〃見え方をしやすくなるのだから,つもりやごっこは,「なる」見立ての小道具ともなる。

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着眼点を使うとアナロジーが見える

 大事なのは,第1に,手当たり次第に,何かを立ててみることだ。その意味をこう解釈したらどうなるか,いやこうもできる,とあれこれ試す。こうしたら間違っているのではないかとか,正しい使い方ではないのではないか等と考えることは無駄だ。何でもかまわない,試せることなら試す。ここでやっているのは,アイデアを飛躍させるためだ,ということを忘れてはならない。

 第2に,そうやって挙げることが目的ではない。そう見立てることで新たな見え方をもたらしてくれるかどうかが大事だ。

 着眼点の中には,該当しないもの,妥当ではないものもあるかもしれない。必要なのは,とにかくその視点で見てみること,見えたら,何でも拾い上げておくことだ。ブレインストーミングと同様に,評価しないで,ともかく試みてみることだ。

【以下続く

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