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創造性とは目的か? |
創造性,あるいは創造的であることは目的ではない。たとえば,「創造性とは新しい何かを考え出すこと」だとする。では,「新しいこと」が仕事の中で目的となるのか,新しくさえあればいいのか。そうではない。何をするために,新しいことが必要か,によって,新しくても評価されないことはありうる。
何をするために,新しいことが必要なのか,あるいは,逆に,新しいことによって何を達成しようとするのかが,明確でなくてはならない。創造的であること,創造性を発揮すること自体は目的ではないはずなのだ。つまり,こうだ。
現状での,(このままではどうにもならない)“停滞感”,
(いまのままでは解決できない)“行き詰まり感”,
(これまでのやり方ではこれ以上ムリ)“限界意識”,
(このままではまずいという)“危機感”等々,
今のままでは,今までのやり方では,過去の延長線上では,今すぐにはできない事態を打開するために,「何とかする」こと(これが“発想”)が求められる。そこに,創造性が必要になる。業務の目的実現(達成)のためには,今日,今まで通りに,今のままで,過去の延長線上では,それが達成できず,新たな工夫や創意が求められるからこそ,今日,日常の業務遂行に,創造性が求められる。
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その問題を自分の危機として考えているか |
昨日と同じことを,今まで通りに,今のままで,過去の延長線上でやろうとすれば,生き残れない。
・変化とは,“新しさ”への許容度が大きいこと,“新しさとは変わること”,だ。
・“ルールが変わった” とは,
“いままでの定規や基準器が通用しない”,ということだ。
時代が変わろうとするときは,自らも変身しつづけなくてはならない。現状の中に,昨日までのやり方の中に,これまでの発想に埋没することを,状況は許さない。
それに気づかないのは,
・国内からしか,
・自分たちの組織(の内側)からしか,
・自分たちの仕事の仕方からしか,
見ないからでしかない。変わるためには,まず,自分たちの現状に,「これで(このままで)いいのか」という,疑問をもつこと。それこそが,“問題意識”である。それを「何とかできないか」と考え始めてみるとき,はじめて,創造性が自分に必要になる。
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自分の問題意識がすべての出発点である〜どんなことも「当たり前」としない |
西澤潤一氏は,創造性を「当り前のことを人より先に気づくこと」としたが,それは,こう言い換えてもいい。
見出されてイノベーションや創造性への最大の賛辞は,
「わかりきったことだ。どうして自分は気づかなかったのだろう」
と言ってもらうことである。
“問題意識”とは,自分が現状に感じている疑問,不満,不便,願望や夢をないがしろにせず,「このままでいいのか」「何とかならないのか」と,「空気に爪を立てる」(扇谷正造)ように,あえて波風のないところに波風を立てること。
誰もが問題にしていないこと,
当たり前として見逃していること,
どうせ言っても無駄と諦めていること,
あまり問題とされないことを,意識的に「問題」とする(違和感や疑問を顕在化させる)こと。
つまり,(現状への)「問い」であり,(当たり前としていることへの)「問い直し」であり,「違和感」である。 こうした現状を批評する目が,“問題意識”であり,これが現状を打開する第一歩となる。
問題意識のないところに,創造性は必要ない
| 変化とスピードの時代には,経験則や前例は先入観に変わる |
@知識や経験を積めば積むほど先入観が蓄積される(知っていることが邪魔になる)
Aいまやっていることを当たり前と思ってはならない(明日も通用するとは限らない)
B現状への,“これでいいのか”という直感を見逃すな(錯覚と自分を言いくるめるな)
発見した「問題」が,いままのままでは解決できない,いままでのやり方では見通しが立たない,過去の延長線上では解けない,いままでの知識だけでは当てはまらないからこそ,いままでは異なる,新しい何かが,つまり創造性が求められる。
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創造性の要件〜変化に対応するための3つの新しさ |
「新しいもの」を創り出す,「新しいサービス」を創設する,「新しい仕事の進捗方法」を創案する,「新しい組織形態」を創造する等々,“新しい何かをカタチにすること(具体化すること)”。新たな問題の解決,現状の改革,事態の打開,行き詰まりの打破,難関のブレイクスルー等々のためには,それまでの知識や経験の延長線上でもなく,いまのままのやり方でもなく,いままでの常識にとらわれず,新たな発想と思考の枠組みを創り出さなくてはならない。それが
“創造性”である。
@(発見した)「問題」の新しさ−人の気づかない(人より早く)新しい「問題」を発見すること
A(解決の)カタチの新しさ−既成概念(固定観念)にとらわれず(解決の)カタチを創り出すこと
B(解決を実現する)手段・方法の新しさ−既存のやり方や前例にとらわれず実現をすること |
たとえば,
「老人用紙オムツ」は,「問題」(おしめ)は古いが,解決のカタチ(紙オムツ)は新しい
「プリウス」は,「問題」(排ガス対策)は古いが,解決のカタチ(電気とガソリンのハイブリット化)は新しい
「MP3」は,「問題」(ネット配信による録音)は新しいが,具体化のカタチ(携帯ステレオ)はなじみのもの
「インターネット取引」は,「問題」(電子決済)は新しいが,具体化のカタチ(流通)も新しい
「キットカー」は,「問題」(マイカーの組み立てキット)は新しいが,解決のカタチ(キットもの)はおなじみ
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