変化(身)のスピードの著しい今日,昨日と同じことを,今まで通りに,今のままで,過去の延長線上で,やろうとすれば,組織ぐるみで,時代から取り残されるはずです。変化に対応するには,組織自体が,また管理者自身が,そして職場全体が,職場構成員ひとりひとりが,スピーディに変化(身)しつづけることが求められているのです。そうした変化に気づけないのは,組織自体が,また管理者自身が,そして職場全体が,職場構成員ひとりひとりが,過去の流れから出られない,組織の内側からしか見られない,自分たちの仕事の仕方から出られない等々による固定観念にすぎません。変わるためには,自分たちの現状に,組織自体が,また職場全体が,職場構成員ひとりひとりが,「これで(このままで)いいのか」と,問題意識をもち,それを解決すべき課題とすることなのです。
それは,単に組織のお題目として,トップダウンのキャッチフレーズとして「変身すべきである」などと掲げられるものではなく,職場メンバーとして,ひとりひとりがそれを自分の問題として意識し,職場全体として,“変化とスピード”を実行すべき目標として共有化できたとき,そういう職場を,そういう組織を,活性化した職場というはずなのです。つまり,組織全体が,目的を共有化し,それぞれの役割において,何をなすべきかを自立的に考え,工夫し,実現していければ,それをこそ活性化と呼ぶべきなのです。
そのためには,まず,職場の管理者が,それを自らの課題とし,自らが,そのために何をすべきか,何ができるか,を主体的に考え,主体的に実践しなくてはなりません。そのために,管理者は何をすべきか,どう自らをかえていくか,単に知識ではなく,具体的な課題を通して,実践への道筋をつけていくことを目指した研修にしたいと考えています。
・“変化とスピードの時代”に管理者は,どう考え,何をすべきかたとえば,管理者の意識と行動を改革していくには,
管理者の役割はどう変わるのか
組織の困難な目的を達成するためにどうリーダーシップを発揮すべきか
部下の戦力アップと育成のためにどう指導力を発揮すべきか
組織のかかえる問題解決のためにどうリーダーシップを発揮すべきか
組織の活力を高めるのにどうリーダーシップを発揮したらいいか
自己革新と組織革新のリーダーシップほどう発揮するか
等々,その管理スタイル,発想スタイル,行動スタイルを変えていかなくてはなりません。
・そのため,研修の基本スタイルは,教わる,勉強する,ではなく,自ら振り返り,自ら自己点検して,自らのマネジメントスタイルを革新していく出発点として戴くところにある。
・そのため,ワークシート,セルフチェック等々を用意し,それらを通して,できるだけ各自が主体的に関われ,実践的に考えられる研修を目指す。
・研修は講演スタイルではないので,相互のディスカッション,自己への振り返りが不可欠となる。
・基本的に,グループ討議や全体討議を中心に進める。グループ討議の基本は,ブレインストーミングのキャッチボールによる。
・グループ討議自体が,それぞれのコミュニケーション力,自己表現力,プレゼンテーション力等々の自己点検の機会となる。
【研修プログラム】
《第1日》
時間 |
内容 |
進め方 |
9 :00
11:00 |
T・まず問題意識からはじまる−管理者の置かれている環境と求められる役割の変化を自覚しよう
環境の変化の中で,変化に取り残されないために必要なのは,現状への,「このままでいいのか」という問題意識である。それが,
・ いままで通りではない
・ いまのままではない
・ 過去の延長線上ではない
やり方への変革の第一歩である。その発想転換がいま求められている
・ウォームアップ―問題意識をどう深めるか
・環境分析−いますべきことは何か
|
●「課長」である事の意味を全員に問い掛ける。予想される,課長は「〜をする」という答への,研修全体の目標を投げかけることでもある。課長であるとは「何のためであるのか」と。これが研修全体のベースともなる。
●研修は,基本的に,ブレインストーミングによるキャッチボールを通して相互に意見交換してもらい,それをもとに全体討議
《使用するもの》
・ワークシート
自分のコストと価値を考える
環境分析〜いましなくてはならないことは何か
組織の強味と弱み
・ツール
ブレインストーミング |
【プロセスの狙い】
ここでの基本スタンスは,
@まず問題意識が出発点となる。そのためには,「何のために」という問い(それが目的意識であり,それなしには問題意識はない)に鍵があり,それが研修全体を通しての宿題でもあることを,冒頭に指摘する。
A問題意識を掘り下げるためのスキルとして,キャッチボールの重要性を,ブレインストーミングによるウォームアップを通して体験していただく。これもまた,研修全体を通しての課題となる。
B現状の変化に対する各自の幅広い問題意識を,自分たちなりにまとめあげる。成否を問題にするのではなく,時代の変化をどこまで自覚しているかか,そこで分かる。お互いに問題意識を刷り合わせながら,グループとして,現在の環境が,自分たちの組織にもたらしている危機とチャンスを分析し,何をしなければならないかをまとめていく。
時間 |
内容 |
進め方 |
11:00
(昼食)
14:00 |
U・自分のポジショニングと役割行動のチェック
役割意識のないところ問題意識はない。自らのなすべき課題は,組織での自分の位置に求められている目的を果たすために何をすべきかというチェックなくしてはありえない。
・組織の目的・ビジョン
↓それを達成するために
・本年度の目標
↓それを達成するために
・自分の役割は何か
・課長という役割のポジショニングを考える
役割は与えられるものではなく,自らが創り出していくものである。
・課長として環境課題に何ができるかを考える |
●自身の役割を,全社の中でのポジションの自覚から始める必要がある。各自の結果をめぐり,全体での討議とキャッチボールを通して,自身の現状をチェックする
《使用するもの》
・ワークシート
目標と役割の明確化
自分のポジションと求められる役割行動
・ツール
ブレインストーミング |
【プロセスの狙い】
役割は,公式に求められるものだけではない。それなら,誰がその任についても同じとなる。自分が,その役割を主体的にどう位置づけ,何をしようとするかを,主体的に考える姿勢こそが必要となる。それが明確化されて初めて,環境分析から得られた課題は,自分の役割から,「何ができるか」「何をしなければならないか」が,主体的な課題として,明確化しえる。
時間 |
内容 |
進め方 |
14:00 〜16:00
|
V・目標達成の意味と管理者としての仕事管理
@目的を達成するために部門の機能はある。その機能を完遂するのが管理職である。課長はたえず,何のために自部門があり,その役割は何であり,そのために自分は何をすべきかを考えつづけなくてはならない。それが,管理者の掲げる“旗”であり,メンバーはその実現を目指して,それぞれのPDCAを遂行することになる。
A部門全体のPDCAは,メンバー一人一人のPDCAの完遂によってしか達成できない。ひとりひとりが自分の仕事を完結させること,そのために何をすべきかを考えるのが,管理者の日常のマネジメントである。リーダーシップが必要であり,コミュニケーション能力が必要なのかは,その機能にとって不可欠だからである。
B解決プランの鍵は,それを達成するために何をするかを,どれだけ具体化できるかにかかっている。それは,現実の問題解決でも同じで,それが単なる掛け声で終わってしまうのは,誰が,いつから,何から,どう着手するかまでが,詰めきれていないからだ。そこまで詰めなければ,実践のリスク,障害は見えない。つまり,「できるはず」が,「できたつもり」になる。
|
目的の意味と自部門の役割をチェックした上で,目標達成,PDCA等々の基本を確認した上で,自身の目標達成力のチェックとPDCAのチェックを通して,補佐としての自らの役割・責務をどう果たしていくかを考える。
・ワークシート
プラン実現力チェック
業務棚卸しチェック
計画遂行チェック
・ツール
ブレインストーミング |
16:00 〜17:00 |
W・課長の役割行動として求められるリーダーシップ
課長にいま必要なのは,部下にとって,その基に力を集中させる“旗”を明示することである。それを目指していくことで,現状が打開できるという方向と目標を明示することである。そのためには,
・いまから世の中はどう変わるのか
・そのことによる影響はどうなのか
・それに対応するには自分たちは何をすべきなのか
・そのために自分たちはどう変わるべきなのか
が,上位者とメンバーとで共有化されなくてはならない。そこに,チームとしての力が生まれる。そのためのパイプ役こそが求められる。
|
●自分自身のリーダーシップチェック,コミュニケーションチェック等々を通して,自分の行動スタイルの特徴をつかんでいただく。その上で,どういうリーダーシップが必要なのかを考えていただく。
《使用するもの》
・ワークシート
リーダーシップチェック
コミュニケーション・チェック
報連相チェック
・ツール
ブレインストーミング |
【プロセスの狙い】
管理者の仕事の進め方の基本をチェックし,相互で刷り合わせる。特に管理者としての目標達成とリーダーシップについて,何が不可欠かを,個人として,グループとして再確認しておく。
「目標達成の意味と仕事の進め方」では,いわゆるPDCAについて確認し,目標達成の鍵となる,手段の具体化について,考えていただく場とする。それは,ご自分の課題解決プランの実現可能性につながるものになるはずである。
《第2日》
時間 |
内容 |
進め方 |
9 :00〜12:00
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X・仕事の管理と部下指導に求められる管理者の積極的な指導力
部下育成,部下指導は,明日の組織づくりそのものである。それを怠ることは,その日暮らしのマネジメントである。
・ それは,・
今日より明日へ戦力を増強することである
・ それは,・
自分の後継者を育てることである
・ それは,・
明日の人材をつくっていくことである
・ それは,・
一歩先を見た仕事をしていることである
組織の力は,メンバーひとりひとりの力の総和以上にならなくてはならない。それを束ね,ひとつの方向に力を結集させていく指導の背景は,部下育成の成果である。
部下を育てられないものに,組織を明日へ向けて束ねる指導力はない。 |
部下指導の診断,部下指導のチェックを通して,自分の指導スタイルを振り返る。どうしても,我流になりがちな指導を正す機会である。
《使用するもの》
・ワークシート
部下指導チェック
指導機会のチェック
教えたいとき教わりたいとき
・ ツール
ブレインストーミング |
【プロセスの狙い】
OJTや部下指導が,管理者の重要な役割であるとされるが,そうではない。管理者は,自分の預かるチームや部署の目標を達成するために,ヒト・モノ・カネ・情報・ノウハウ・時間といった資源をいかに有効に配分していくかが重要な仕事になる。OJTや指導とは,昨日より今日,今日より明日へと,ヒト資源のレベルアップをはかることに他ならない。与えられた資源の中で最も重要な,資源であるヒトをどうレベルアップするかが,忙しくてできない,そんな暇はない等々といっていられる仕事ではなく,管理業務の中心的業務そのものであるという再認識が必要である。
13:00 〜15:00 |
Y・組織の問題解決のリーダーシップは管理者のマネジメントそのものである
「問題」とは,マネジメントにおいて,管理者が,「〜したい状態 (水準)」(目標)と「〜でき(てい)る(水準)」(現状)の“ギャップ”である。したがって,何かをしようという意思(使命や役割,目的と目標)のあるもの,何かをしたいという思い(理想・願望)のあるものにとってのみ,それを妨げる障害を「問題と(して意識)する」ことになる。そういう思いのないものには,障害(つまり「問題」)はない。その意味で,目的意識のないものに問題意識(何かを問題として意識する)はない。解決は目的ではない。解決は,管理者が,職場を,業務を,どうしたいかというマネジメントの目的達成のための手段でなくてはならない。マネジメントの目的のないところに,マネジメントの問題はない。
更に,自分の問題にしたことを,チームの課題として,チームとしてどう解決していくか,そのリーダーシップが,管理者には,求められる。
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各自が,自職場で『問題』と感じていることを書き出し,どう解決し,実行していくかを討議し,全体でディスカッションすることを通して,管理者の問題解決力,組織としての解決行動のあるべき仕組みを考える。
《使用するもの》
・ワークシート
いま職場としての課題は何か
課題分析シート
・ ツール
ブレインストーミング |
【プロセスの狙い】
管理者にとっての問題とは,そういう自らの職場(あるいはチーム)運営の基準とのギャップであり,管理者が,「何を問題にするか」とは,管理者が,何を職場の中で重視しているかの反映であり,「なぜそれを問題にするか」「何を問題としているか」が,メンバーにすぐわからなくてはならない。なぜなら,メンバーにわからないとは,メンバーと,
・目的(その部署の機能を果たすのは何のためか),
・目標(目的達成のために,それぞれは何をすべきか)
が,共有化されていない,という事を意味するからである。
それをお互いに刷り合わせながら,職場問題として,何が最も重要な問題なのかを確認し,共通認 識としていく。
時間 |
内容 |
進め方 |
15:00 〜17:00
17:00 |
Z・課題の解決プランニング
解決プランの鍵は,それを達成するために何をするかを,どれだけ具体化できるかにかかっている。各グループのプランを,発表を通して,全体で,
・どうすれば実現可能となるのか
・何が実行プランとして不充分なのか
・それを実行するときの障害は十分対策が立てられているか
・必要時間の予測,必要コストの見積もりは十分か
・その遂行責任は誰か
等々,「できるはず」で終わらせないためにどうするか,をチェックする |
●課題を,どう解決し,どう実行していくかを討議し,全体でディスカッションすることを通して,組織としての解決行動のあるべき仕組みを考える。また解決プランニングを共有化する。
《使用するもの》
・ワークシート
目標達成計画書
・ツール
ブレインストーミング |
【プロセスの狙い】
グループとして,重要と見なす課題の解決プランを立てていく。課題の達成のための具体的な手段を洗い出し,その実行をプランニングする。手段を具体化して初めて,その障害や困難は具体的な問題として見えてくるはずである。こういうプロセスを通して,解決プランニングのスキルとマインドを共有化する。
業務遂行においては,原因分析のアプローチを取っても,機械の故障や仕事のミスならともかく,生産的とは思いませんので,次のような考え方を取ります。
当然,ここでは一例ですが,各手段毎にブレイクダウンし,現状の各自の現実と対比し,何ができていないのかを,できる限り,行動レベルで特定化します。特定されない行動改革は,実施のために,またプランニングを必要とします。
この,すべき目標と現状とのギャップを,取っている行動レベルまで具体化することが,プランニングの具体的な実施項目,つまりアクション事項になります。このブレイクダウンされた手段を,いつから,何から,どう実行するか手順化することが,解決行動のプランニングとなります。
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