まず,リーダーシップにある3つの常識,
@リーダーシップはトップのものである,
Aリーダーシップはパーソナリティである,
Bリーダーシップは対人影響力である,
を点検し直してみる必要がある。リーダーシップとは,トップに限らず組織成員すべてが,いま自分が何かをしなければならないと思ったとき,みずからの旗を掲げ,周囲に働きかけていくことでなくてはならない。その旗が上位者を含めた組織成員に共有化され,組織全体を動かしたとき,その旗は組織の旗になるのであり,リーダーシップにふさわしい地位や立場があるわけではない,ましてやリーダーシップにふさわしいパーソナリティがあるわけではないのである。でなければ,だれも,人を動かせない。このままではいけない,何とかしなくてはならないという思いがひとり自分だけのものではないと確信し,それが組織成員のものとなりさえすれば,リーダーシップである,と考えるところから,リーダーシップを詰めて行かなくては意味がない。
そこに必要なのは,自分自身への確信である。それは自分を動かすものだ。それが人を動かす。リーダーシップは他人への影響力である前に,自分への影響力である。「お前がやらなくて誰がやるのか」「自分がやるしかない」と,みずからを当事者として動かせるものが,自分の中になければ,人は動かない。それが旗の意味であり,旗の実現効果であり,そこに共に夢を見られることだ。だから,リーダーシップには,新たなつの常識が必要となる。
@周囲を巻き込める夢の旗を掲げられること,
A夢の実現プランニングを設計できること,
B現実と夢とを秤にかけるクリティカルさがあること,
である。「こうすべきだ」だけでは人は乗らない。それが単なる夢物語でも人は乗らない。夢と現実味をかね合わせて,絶えず点検していける精神こそが,求められるリーダーシップである。それは,パーソナリティでも地位でもパワーでもなく,スキルであることを意味している。
だから,リーダーとリーダーシップは区別したい。リーダーは,役割行動であり,リーダーシップはポジションに関係なく,その問題やタスクを解決するために必要と考えたら,自らが買って出る,あるいは誰かの委託を受けて,その解決に必要な周囲の人々を巻き込み,引っ張っていくことである。多く,リーダーとリーダーシップを混同している。つまり,トップにはトップの,平には平のリーダーシップが求められる。リーダーシップはその人の役割遂行に応じて,必要な手段なのである。職位が上のほうに行けばいくほど,リーダーシップがないことが目立ち,下へ行くほど,リーダーシップがあることが目立つ。上に行けばいくほど,リーダーシップを発揮しやすい条件と裁量を与えられているから,あるのが当たり前だから,ないことが目立つのである。
リーダーシップが,トップや上位者にのみ求められているというのは勘違いである。職位が上のほうに行けばいくほど,リーダーシップがないことが目立ち,下へ行くほど,リーダーシップがあることが目立つ。上に行けばいくほど,リーダーシップを発揮しやすい条件と裁量を与えられているから,あるのが当たり前だから,ないことが目立つのである。トップにはトップのリーダーシップか求められるのであり,平には平のリーダーシップが求められる。常識とは異なり,リーダーシップはその人の役割遂行に必要な手段に過ぎない。
つまり,リーダーシップには,
役割としてのリーダーシップ(リーダーのリーダーシップ)
個人としてのリーダーシップ(メンバーのリーダーシップ)
の二つがあり,立場が異なろうとも,いずれにも共通して言えることは,必要なのは,その人が自分の役割を責任を持って達成しようとするとき,自分の裁量内でやっている限り,その仕事は完結しないということである。そのとき,自分の裁量を超えて,人に働きかけ,巻き込んででも,それを達成しなくてはならないときがくる。それが結果としてリーダーシップであるに過ぎない。必要なのは,自分は何をするためにそこにいるのか,そのために何をしなくてはならないのかを,自分の頭で考えられるかどうかだ。それを仕事の旗と呼ぶ。それは
,メンバーとして,平のときから自ら考え続けていなくては,リーダーシップがあって当然という立場になったとき,リーダーシップがないことが目立つことになるだけなのである。
リーダーシップとは,字義通りに言えば,リードするスキル,リードとは,周囲を引っ張っていくことであり,そのために周囲を巻き込んでいくことである。つまり,目標を達成しようとするときにどれだけ人を巻き込む力があるか,である。そのとき必要なのは,「どこへ」「何のために」「何を目指して」という旗が明示ざれているかどうかなのだ。それは,リーダーという立場から見れば,組織やチームは何のために存在するのか,その目的からみて目標・手段は適切か,あるいはその目的はいまも重要か,もっと別の目的を創れないか等々と,問い続ける姿勢である。その答えがビジョンであり,旗幟となる。旗幟を鮮明に掲げ続けられるかどうかは,リーダーが組織の目的とどれだけ格闘したかの結果であり,そこにこそリーダーシップが必要なのである。そのとき,リーダーシップは,リーダーである(状態を保つ)ためのスキルとなる。戦略・戦術を語るのはその後である。
リーダーが,リーダーとしての立場と役割とは何かを自問しながら,何を目指すことが組織の未来を決することになるのかと,組織の目的と格闘し,その方向と行く末を描き出していくからこそ,下位者一人一人もまた順次,それを実現するために何をしたらいいか,それぞれの役割の目的と格闘しながら,主体的に考えていくことができる。そういう組織が硬直化するはずはない。その責は,ひとえにリーダーシップの硬直化そのものにある。
リーダーとしての役割とリーダーシップの違いは,メンバーからくる。リーダーとして,メンバーの役割期待の範囲,つまりリーダーとして,やって当然と考えるようなことは,リーダーとしての役割の範囲内であって,リーダーシップとはいわない。リーダーシップがあると思うのは,メンバーであって,リーダー自身がそういっているときは,そういわざるをえないか,リーダーシップの何かがわかっていないか,のいずれかである。リーダーシップは,メンバーの期待に応えてはじめて,認知される。
リーダーシップに必要なのは,周囲を引っ張り,周囲を巻き込んでいくに足る力があるか,である。そのとき必要なのは,
・「どこへ」「何のために」「何を目指して」という旗を明確にできること,
・必要な人々にその意味をきちんと伝えていく力があること,
・めざすことを一緒にやっていくための土俵(協働関係)をつくれること,
の2つだ。そのためには,次の3つの機能が必要になる。
@旗を立てる機能(指示機能)〜向かうべき方向と目標を提示する
何のために(目的),何をするか(目標),どこへ向うのか等々自分たちの目的/目標をきちんと掲げ,明示すること。トップ方針のブレークダウン(自部署,自チームとして,何のために,何をすべきか),目標の明確化と達成への実行計画の立案,等々“戦略”に関わること
A巻き込む機能(盛り上げ機能)〜目標に向けてチームを奮い立たせる
立てた“旗”をどう実現(達成)するかの手段として,目的達成のために,チームとしての活力を維持・向上させるために,必要なことはすべてが対象となる。どうメンバーをまとめ,集団としての力を盛り上げていくかを工夫し,実践する。場合によっては上位者だけでなく,チーム外のキーマンも巻き込む。コミュニケーションの円滑化,協働体制づくり,メンバーの指導・育成,職場風土づくりその他日常の細々としたチーム運営の“戦術”に関わること
Bやりきる仕組みづくり機能(仕掛けづくり機能)〜達成するためにさまざまな仕掛けを工夫する
目指す旗を確実に達成するために必要な仕組みや仕掛けをつくり,環境や条件整備をして,旗の実現をお膳立てをする。一人一人に自主的に取り組ませるための仕組み,業務分担の見直しや調整,チーム全体が足並みが揃う仕掛け,障害物を取り除く工夫,途中経過や進捗状況を共有化する仕組みづくり等々。
@リーダーシップは,自分(ひとり)では(裁量を超えていて)解決できないこと,あるいは解決してはいけないことを解決するために,解決できる(権限のある,スキルのある)人を動かして,
一緒に解決しようとしていくことである。
Aリーダーシップが本当の必要なのは,自分のポジションより上や横を動かそうとするときだ。そのとき必要なのは,
・「何のために」「何を目指して」という,意味づけの旗が明示されていること
・必要な人々に,その意味をきちんと伝えていく力があること
B上や横を巻き込むためには,仮に自分の現場で起きたことだとして,それを現場レベルだけでは解決できない,あるいは解決してはいけないから,相手に動いてもらいたいと,相手に認めてもらうために,
@それが組織全体,あるいは相手にとって,動く必要のあることを納得させるものであること
Aそれが,自分の役割遂行上,重要な問題であり,相手が必要があると納得させるものであること
をきちんと伝えなくてはならない。そのためには,
・自分自身の組織での位置づけ,自分のチームや仕事の意味づけができていること(自分の旗との関係づけ)
・起きている問題の奥行きや広がりを押さえ,そのことのもたらす意味づけがきちんとできていること(問題の意味づけ)
が必要である。
@自分たちのやっていることへの確信と意味づけ〜目的を見失わない
チームの凝集度(力)を高めるのには,どれだけメンバーが目的意識を共有化できるかである。そのために,リーダーは,確信をもって,何のために自分たちのチームがあり,チームの仕事があるのかを指し示すことができなければならない。それがチームメンバーに,日々の仕事の意義(目標達成のためになすこと)への確信となる。
Aゴールの明示とプロセスのフィードバック〜方向性の共有と進捗への確信
メンバーに必要なのは,時々刻々の目標への進捗状況,いま自分たちに何を期待しているのか,現在までの自分たちの仕事ぶりをどう考えているのかというフィードバックである。いま目標達成プロセスのどの辺りなのか,残りはどのくらいなのか,達成のメドはどうなのか,いままでのやり方でいいのか等々,各自のゴールへの途上,方向の明示と頻繁なフィードバックである。ポイントは,方向性の明示,道が間違っていないことへの確認である。
Bチームメンバーとしての自分の有効感・有能感〜チームに貢献できていることの確信
メンバーに,「自分の有効感・有能感と自己決定感」(自分がやった結果できた・役立ったという満足感)を味わわせていくことで,自分がチームの一員として戦力となっているという確信がほしい。。そのためには,肯定的な自己評価を下せるような,フィードバックや励まし,承認・積極的な期待の表現が不可欠である。
C部下への効果的な情報の提示〜情報の共有
各自の業績の途中経過をフィードバックする。フィードバックは頻繁に,明確な形で行う。各自の業績上の問題や,その人が責任を負っている問題解決に役立つバックアップ情報を提供する。
自分自身が担っている仕事の意味を自覚し,それを実現するために何をすべきかを明確にする(これを「“旗”を立てる」と呼ぶ)ことがまず前提となる。それを実行するためには,いかにして,関係者を巻きこみ,説得し,その旗を共通の旗としてもらい,共に実現するようにしていかなくてはならない。ここにこそリーダーシップが求められる。
その人が自分の役割を責任を持って達成しようとするとき,自分の裁量内でやっている限り,その仕事は完結しない。ときに自分の裁量を超えて,人に働きかけ,巻き込んででも,それを達成しなくてはならないときがくる。それが結果としてリーダーシップであるに過ぎない。必要なのは,自分は何をするためにそこにいるのか,そのために何をしなくてはならないのかを,自分の頭で考えられるかどうかだ。それを仕事の旗と呼ぶ。それは平のときから自ら考え続けていなくては,リーダーシップがあって当然という立場になったとき,リーダーシップがないことが目立つだけである。
◇自分がいまやっている仕事が組織のどこにどうつながり,それがどう組織に貢献しているのかをはかる目安を自分なりに持っている必要がある。旗を立てることの効果とは,そのための方法であり,自分の意味づけ,自分の仕事の意味づけでもあるのである。
@上司の旗とのリンクを確認することで組織全体の方向性を意識する
全体とどうつながっているかは,上司の旗とのリンクを通して確認する。全体と自分がズレているのではなく,上司がズレていることもある。それを上位者との間ではかることで,上司とのキャッチボールの機会にできる。
A自分のチームの旗を立てる
自分自身が担っている仕事の意味を自覚し,それを実現するために,チームは何をすべきかを明確にすることがまず前提となる。これが,旗を立てるといっている意味である。それは,チーム構成員を巻き込むための目印であり,場合によっては,この旗の故にこそ上位者に動いてもらわなければならない,大義名分ともなる。もし,チーム全体に関わる方向性や上位チームとのかかわりについてあまり目が向いていないとすると,リーダーとしての視野が,個人の業務遂行ベース,個別の部下にしか向いていないということを意味している。部下とのコミュニケーションはもちろん大事だ。しかしチーム内で明らかになった問題を解決するのに,上位者を動かさなければならない。そのとき,それがチームの旗にどう関わり,それが上位者とどう関わるかといった視点がなければ,上位者は動かない。リーダーとして最も真価が問われるときだ。
B自分の旗の明確化を通して,部下の旗とのリンクを意識する
自分の旗が明確になることは,
部下にとって,自分の旗を立てやすくなることを意味する。部下の旗の明確化を通して,自分自身の旗を鏡を見るように確認することになる。
Cおのれ自身の仕事の旗を立てる
自分の立てたチームの旗に,担当としてどういう旗を立てて,チームの旗に貢献するかを考えるのが,リーダーのプレイヤーとしての仕事だ。リーダーはチームの旗と同時に,それにどう貢献するか,自分の担当の旗も立てる。
D旗のリンクを通して,仕事の守備範囲を確認する
自分がどう上司とリンクし,組織全体とリンクしているか考えることは,自分および自分のチームがやっている仕事がどう組織とリンクしているかを考えることであり,ある意味で,自分が何をしなくてはいけないかの確認だけではなくて,何をすることが,周囲から見て当たり前のレベルなのか,という自分たちの守備範囲を考えることになる。それは自分にとって,何が裁量の内なのかを考えることであり,リーダーシップを考える前提となる。
E旗をたてることで自分やチームの仕事を組織にリンクさせる
◇旗をたてるとは,自分が何をすべきかを自分なりに明確にする作業である。それは,自分のチームでのポジショニングをはかることであり,ひいては組織でのポジショニングを意識することにつながる。
◇それは,自分自身の意味づけ,自分の仕事の意味づけ,自分のチームの意味づけを考えることであり,それが,チームとの関わり,上司との関わり,他のチームとの関わり,組織全体とのかかわりを考え,自分の役割を主体的に考えることになる。それが,旗を立てることの効果になる。たとえば,目的や目標を共有化するということは,自分の立場,役割としてそれをどういう形で受け止めていく
かを考えることになる。それが,自分の旗を上司の旗とリンクさせ,組織の旗とつなげていくことになる。
◇大事なことは,自分及び自分のチームの目標ではなく,その目標を達成することで,自分及び自分のチームの所属する上位チームの目標(自分の目標にとっては目的)にどういう形でリンクしているのかを意識することである。それが自分の目標の意味づけであり,チームの仕事の意味づけとなる。
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自分の役割・業務と目標をリンクづけることの効果〜すべてに意味のつながりが見える
◇現在の自分の役割,組織の業務分担から自分の目標を見るのと同時に,目標の意味づけから自分のポジションを整理して見る。そのことで,日々の仕事が組織全体とどうリンクしているかを再確認する。
◇リーダーシップは,実践のスキルでなくてはならない。その人が自分の役割を責任持って達成しようとするとき,自分の裁量内でやっている限り,その仕事は完結しない。ときに自分の裁量を超えて,人に働きかけ,巻き込んででも,それを達成しなくてはならないときがくる。それがリーダーシップを自分が必要になるときである。必要なのは,自分は何をするためにそこにいるのか,そのために何をしなくてはならないのかを,自分の頭で考えられるかどうかだ。それを仕事の旗と呼ぶ。それは平のときから自ら考え続けていなくては,リーダーシップがあって当然という立場になったとき,リーダーシップがないことが目立つだけなのである。
@自分の仕事を自己完結しないで,その完成を目指すとき,より上位を巻きこんでいかざるを得ない
必要なのは,その仕事を真に完結するのはどういうことか,その目的達成にはなにをしなければならないか,を考えていることだ。自分の裁量を超えても完結を目指すとき,上位者や周囲を巻き込まざるを得ない。そのとき,明確な旗が不可欠となる。それは上位者の指示を正そうとすることも含まれる。
Aかかえている問題が大きく深いとき,より上位者を巻き込まざるを得ない
その解決すべき問題が,自分を超え,部署をまたぎ,広がるほど,より幅広く巻きこんでいかざるを得ない。
B自分の仕事にリーダーシップを発揮しようとしないものに,リーダーシップは担えない
組織の中で,自分のしたいことを実現しようとかするなら,上位者を動かさざるを得ないはずである
Cチーム内に,自分以外にチームをまとめていけるものが見当たらないとき,その役を引き受けざるを得ない
別に勝手に「しょっている」のとは違う。自分が経験と知識,キャリアから見て,リーダー役を買わなくてはならないと自覚し,チームをまとめて,チームの目標達成のために何をしたらいいかをチームメンバーと一緒になって考えていこうとするとき,そのとき,役割としてのリーダーを担い,チームをリーダーとなってまとめ,引っ張っていこうとしていることになる。この場合,メンバーがそれを受け入れ,それを支えようとしてくれている限り,独りよがりではなく,チームメンバーは彼にリーダーシップがあるというだろう。
大事なことは,次の2つである。
@その案件,問題の広がりや影響の大きさをどれだけわかっているか〜何をどこまで動かさなくてはならないのか
ただ,リーダーシップは発揮しなくてはならないものと考えるべきものではない。大事なことは,そのことをどう伝えるかで,上司から見ると,自分を動かそうとしている(自分に指図している)ととられる恐れがあることをわかっていることだ。何か考えておいてくれるように頼むのと、こうすべきだと働きかけるのとでは意味が違う。
Aそれをすることの意味がどれだけわかっているか〜自分にとって,上司にとって,組織にとって。
自分の裁量を 超えたことについては,決定は上位者にある。しかしそれを促すにしろ,しないにしろ,必要な情報,現場の事実は,きちんと伝えなくてはならない。それが報告である。
結局,自分の取り上げている問題の大きさ,案件の広がりが判断できれば,それを動かすために,何を,どこを,誰を動かさなくてはならないかが,分かるはずである。リーダーシップは現実を動かし,変化をもたらすために使うものであり,使わなくてはならないものだ。
そのポジションの役割は固定ではない。それなら,誰が担当者になっても同じになる。一人一人が,自分の役割に主体的に格闘し,何をウエイトを置くか,を決めていく中で,メンバー間のキャッチボールが活きる。
4つの窓を図式化したのが下図である。
パブリック
@(自由の世界)
自分が知っている自分
‖
他人が知っている自分 |
ブラインド
A(盲目の世界)
自分が知らない自分
‖
他人は知っている自分
|
プライベイト
B(秘密の世界)
自分が秘密にしている自分
‖
他人は知らない自分
|
アンノウン
C(未知の世界)
自分の知らない自分
‖
他人も知らない自分 |
@パブリックな部分(開放した領域) 行動・感情及び動機について,自分がよく知っていて,他人にも知られている部分。ここでは,「自分は……の人間である」と思っているし,他人もそう認めている。自他共に認めている自分の姿がある。ここでは,自分の考えや言動は容易に相手に通ずる。他人とのコミュニケーションもよく通ずる。
Aブラインドな部分(気づかない部分) 行動・感情及び動機について,他人からは見られ,知られているが,自分自身ではまだ知らない部分。ここでは,自分だけが自分のことを気づいていない。たとえば,周りは皆その欠点を認めているのに,自分だけがその欠点に気づいていない。自分が自分に盲目になっている。
Bプライベイトな部分(隠した部分) 行動・感情及び動機について,自分自身はよく知っているが,他人には意識的に隠している部分。ここでは,自分だけが胸に秘めていて,他人に知らせていない自分の姿がある。
C未知の部分(わからない領域) 行動・感情及び動機について,自分も知らないし,他人にも知られていない領域。ここには,自分も他人も気づいていない自分の姿がある。 ABCの世界では,コミュニケーションは通じない。
●自己表明 プライベイト領域を縮小して,パブリックの領域を拡大することである。自分が何を目指し,何をしようとしているかを,メンバーに表明し,明示することによって,プライベイトな部分が小さくなる。
●フィードバック 自分の行動がメンバーやチームリーダーからどう受け止められているかをフィードバックしてもらい,自分の知らない部分,気づいていない部分を受けいれることによって,ブラインドの部分を減らし,自己認知,自己イメージを広げることである。いわば“聞く耳”である。
必要なのは,常に,相手に合わせて,パブリックをつくる,あるいは広げる努力である。それが,相手とのコミュニケーション・チャンネルをつくるということである。(リーダーシップに必要な5つのこと【2】の,パブリックをつくるを参照。)
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