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OJTの意味と目標
〜「育てる」とはどういうことか〜

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bulletOJTとは
bulletOJTとは明日のチーム力づくりである

OJTの手抜くことは,自分やチームにそのつけがはねかえることになる

●OJTとは,On the Job Trainingで,仕事中,仕事遂行を通して訓練をすること

 単に,部下を現場に放りこんで,成り行きで仕事の要領やコツを身につけさせるのではなく,管理者や先輩が,職務遂行を通して,@組織メンバーとして成長するための布石,A仕事に必要な知識や技能,取り組み姿勢,B仕事をすることの価値や達成感等々を,部下や後輩に,どう効果的にかつ有効に身につけさせるか,意識的に取り組む育成・指導の活動を,OJTと呼びます。

 管理者にとって,部下育成,部下指導は,明日の組織づくりそのものです。それを怠ることは,その日暮らしのマネジメントとなりましよう。

 それは,今日より明日へ戦力を増強することです

 それは,自分の後継者を育てることです

 それは,明日の人材をつくっていくことです

 それは,一歩先を見た仕事をしていることです

 組織の力は,メンバーひとりひとりの力の総和以上にならなくてはなりません。それを束ね,ひとつの方向に力を結集させていくマネジメントのバックボーンになるのが,それまでの部下育成の成果です。

 部下を育てられないものに,組織を明日へ向けて束ねるリーダーシップはありません。

 管理者は,自分の預かるチームや部署の目標を達成するために,ヒト・モノ・カネ・情報・ノウハウ・時間といった資源をいかに有効に配分していくかが重要な仕事なのです。OJTや部下指導とは,昨日より今日,今日より明日へと,ヒト資源のレベルアップをはかることに他なりません。与えられた資源の中で最も重要な,資源であるヒトをどうレベルアップするかが,忙しくてできない,そんな暇はない等々といっていられるレベルの仕事ではなく,明日実のある成果を上げられるかどうか,あるいは組織全体の力そのものの行方を左右する中心的業務そのものであるという再認識が必要なのです。

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bullet OJTは,目的化してはならない

 しかし,OJTそのものは目的ではありません。何のためにOJTするかは,管理者自身にとって,OJTの相手にとって,会社あるいは組織・チームにとって,それぞれ異なるはずですが,

 @管理者の問題意識としては,メンバーの力をアップすることで,チーム力を高めることにあるはずです。メンバーのもつ諸資源が効率よく統合・活用することによっで,チームとしてのパワーと能力を高めることができます。

 そうしたチーム力を維持・向上するには,管理者自身も含めた,個々のメンバーが,自分の役割を果たす力(知識・経験,スキル)を身につけ,更なる向上をはかり,それをメンバーの総和として高めていくこと(これがチームワークである)ができるかどうかにかかっています。このチーム(の総合)力こそが,目標達成力の源泉であり,要めとなるもののはずです。OJTの目的は, 組織上も,制度上も,管理者側としても,ここにあるはずです。

 AOJTを受ける側にとっては,チームの一員として認められたいという動機では,チームの問題意識と一致するはずですが,それと個人の成長目標(こうなりたい)とが必ずしも一致するとは限りません。

 組織としてやるべきことと本人のやりたいこととの調整が,成長は人に強いられてできるものではなく,自らがその必要を自覚し,自らの意志と意欲でつづけるものです。そのためにも,その成長が自分にとって必要であることをどう納得するか,その管理者にゆだねられていることを忘れてはなりません。組織にとって,「してほしいこと」だけでは,本人のやる気と意欲を維持していくことは難しいからです。

 A会社にとっては,その企業のマインド,企業文化の“らしさ”を身につけ,継続していく効果が期待できるはずです。いわば,その組織のDNAを受け継いでいく,次代の育成ということになるはずです。

 

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業務を通して「育てる」意味何のために,誰にとって,OJTをするのか
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OJT(On the Job Training)を考える出発点―その構成要素

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OJTの構成要素(目的・目標・方法)―OJTは目的ではない

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業務を通して「育てる」ことの意味―チームとしての力を高める

・OJTリーダー自身にとって
・OJTの相手にとって
・会社あるいは組織・チームにとって
 それぞれ意味があるが,
・チームリーダーの問題意識としては,メンバーの力をアップすることで,チーム力を高めることにある。メンバーのもつ諸資源が効率よく統合・活用することによっで,チームとしてのパワーと能力を高めることができる。そうしたチーム力を維持・向上するには,個々のメンバーが,自分の役割を果たす力(知識・経験,スキル)を身につけ,それをメンバーの総和として,高めていくこと(これがチームワークである)ができるかどうかである。このチーム(の総合)力こそが,目標達成力の源泉であり,要めとなる。OJTの目的は, 組織上も,制度上も,リーダー側としても,ここにある。
・OJTを受ける側にとっては,チームの一員として認められたいという動機では,チームの問題意識と一致するが,それと個人の成長目標(こうなりたい)とが必ずしも一致するとは限らない。
・会社にとっては,その企業のマインド,“らしさ”を身につけ,継続していく効果が期待できる。

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育てる期待値(水準)―仕事のできる部下(後輩)を育てる

@仕事のできる部下  目指すのは,“仕事のできる部下(後輩)”である。
仕事ができるとは,「自分が努力すれば,周囲や自分に好ましい変化を生じさせられるという自信と見通し」をもっていることである。この能力と自信を「有能感」「有効感」という。この“有能感”“有効感”の手ごたえは,努力の主体が自分であるとする自律性の感覚(“自己決定感”)が不可欠である。つまり,「自分の考えを実現すればより効果的のはずだ」という自信である。
A必要な能力  能力には,それぞれの人がおかれた状況において,期待される役割を把握して,それを遂行してその期待に応えていける能力(“コンピタンス”)と,英語ができる,文章力がある等々といった個別の単位能力(“アビリティ”)がある。どれだけ主観的に有能感をもとうと,そのおかれている状況を把握し,それに応えた自信(コンピタンス)でなければ,他のメンバーの阻害要因になるだけである(メンバーシップの欠如)。
B役割期待の自覚  組織での業務遂行において,状況の中で,自分が期待されている役割を自覚し,それを遂行しきる能力(“コンピタンス)”が重視されるのは,自分がそこで“何をすべき”かを自覚し,その状況の中で,求められる要請や目的達成への意図を主体的に受け止め,自らの果たすべきことをどうすれば実行できるかを実施して,アウトプットとしての成果につなげていける総合的な実行力(これがコンピテンシーと呼ぶ)こそが求められるからにほかならない。最終的に,それが,個人にとっても,組織にとっても,育成目標のはずである。
C“有効感”“有能感”  “有効感”“有能感”を育てるには,次のプロセスが重要であるとされる(アージリス)。
 @目標を自分自身で決定する
 A目標に到達するにはどうすればいいかを自分で見つけ出し,チャレンジし,
 B自分が重要だと思う価値に基づいて,何をすべきかを,自ら決定する
 C達成には,現有の能力では不足しており,それを伸ばさなくてはならないと感じること
 D達成した結果について,自分が重視している人から認知されること

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共同作業としての育てるプロセス―「育てる」行為の自己モニタリング効果

@教え教えられる,育て育てられる関係
 広い意味では,自分のチーム力の底上げになるが,狭い意味では,「教える」「育てる」は,自らも「教えられる」「育てられる」ことなのである。
 @教える側と教わる側の共同作業である。それは必ずしも一方通行とは限らない。OJTリーダー側がいくら「ここが育成目標」と一方的に設定しても,部下(後輩)側がそれを自覚しなければ,主体的なとりくみにならない。
 A「どう育てるか」とは,育てる側が,チームが,組織,会社,仕事をどう考えているかを,具体的な仕事への取り組み方,遂行プロセスにおいて,刷り合わせていくことである。
 B結果として,チームの,ひいては組織のあり方について,チームワークについて,仕事の達成について,メンバーそれぞれの成長について,価値や考え方を刷り合わせていくプロセスである。
A共同作業 「育てる」目的を確認し,「育つ」目標を明示し,そのための相互の役割分担(共同作業)をするOJTプロセスは,そのままチームの目標を共有化し,役割分担し,意思を確認しあうチームワークそのものである。

B自己モニタリング効果 「教える」ことを通して,自分の仕事観,仕事スタイルをモニタリングすることとなる。

以下続く

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