OJTの手抜くことは,自分やチームにそのつけがはねかえることになる
●OJTとは,On the Job Trainingで,仕事中,仕事遂行を通して訓練をすること
単に,部下を現場に放りこんで,成り行きで仕事の要領やコツを身につけさせるのではなく,管理者や先輩が,職務遂行を通して,@組織メンバーとして成長するための布石,A仕事に必要な知識や技能,取り組み姿勢,B仕事をすることの価値や達成感等々を,部下や後輩に,どう効果的にかつ有効に身につけさせるか,意識的に取り組む育成・指導の活動を,OJTと呼びます。
管理者にとって,部下育成,部下指導は,明日の組織づくりそのものです。それを怠ることは,その日暮らしのマネジメントとなりましよう。
それは,今日より明日へ戦力を増強することです
それは,自分の後継者を育てることです
それは,明日の人材をつくっていくことです
それは,一歩先を見た仕事をしていることです
組織の力は,メンバーひとりひとりの力の総和以上にならなくてはなりません。それを束ね,ひとつの方向に力を結集させていくマネジメントのバックボーンになるのが,それまでの部下育成の成果です。
部下を育てられないものに,組織を明日へ向けて束ねるリーダーシップはありません。
管理者は,自分の預かるチームや部署の目標を達成するために,ヒト・モノ・カネ・情報・ノウハウ・時間といった資源をいかに有効に配分していくかが重要な仕事なのです。OJTや部下指導とは,昨日より今日,今日より明日へと,ヒト資源のレベルアップをはかることに他なりません。与えられた資源の中で最も重要な,資源であるヒトをどうレベルアップするかが,忙しくてできない,そんな暇はない等々といっていられるレベルの仕事ではなく,明日実のある成果を上げられるかどうか,あるいは組織全体の力そのものの行方を左右する中心的業務そのものであるという再認識が必要なのです。