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OJTのための
面談の仕方-1-


  • 面談は,コミュニケーションのスキルを象徴的に現す。お互いの立場の違いを強く出すのか,その場での目的を強く意識するのか,相互の理解を前面に出すのか。それは,ある意味で,マネジメントスタイルやリーダーシップスタイルの表現になる。日常のマネジメントが強圧的で,権威的なのに,面談や話し合いのスタイルが,融和的ということはありえないし,不自然だ。ここで,面談のスキルを提案するが,あくまで,自分のマネジメントを実現するための手段であって,面談だけが,孤立してあるわけではなく,自分のマネジメントのあり方を振り返り,チェックするきっかけとしていただければいい。

  • 最も効果のあるコミュニケーションは,立ち話である。部下との親密度を高めるには,接触の頻度が多いほどいいという。それなら,立ち話に勝るものはない。第一に,相手の警戒感を解かせ,鎧を着せる暇を与えない。第二に,どんなに忙しくても,立ち話なら,時間が取れる。それも,30秒という信号待ち程度なら,もっと確率が上がる。これを30秒ルールと呼ぶ。


  • 上司と部下との間で,この面談の目指すものは確認されているか

 いったい何のために面談するのか,その確認が,上司自身に,まずできていなくてはならない。たとえば,

 ・OJTの実施前なら,目標設定

 ・OJTの実施中なら,目標の進捗状況

 ・OJTの実施後なら,目標結果の評価のすりあわせと次への展開の確認

 というように,それに応じて,進め方も,事前の準備も異なってくる。

【面接の目的と目標の確認】

 面接は,単に目標管理の目標を確認したり,擦り合せたり,OJTのプロセスを確認する,結果を評価したりするだけの場ではない。

 上司側にとって,

 @自分の考え方,方針,目標を確認し,徹底する場

 A自分自身の仕事への価値観を伝える場

 B自分への信頼を確認する場

 C自分の将来について話す場

 であり,部下にとっても,

 @自分の考え方を伝える場

 A自分の仕事の抱える問題状況を伝える場

 B自分の将来への希望や考え方を伝える場

 C自分への信頼をえる場

 でもある。


 

  • 管理者としての基本姿勢

     大事なことは,面接は,ただそのピンポイントだけがあるのではなく,それまでの上司と部下との関係の結果であり,それまでどうチームの方針や目的を伝え,それを共有化する努力をしたのか,それに基づいたどんな一貫した指示をし,指導したのか,があって初めて,この面接が,自分のマネジメントの一環としてのポジションを占める。それがなければ,面接のための面接,目標設定のための目標設定になるだけだ。当然,この面接すが,それ以降のチーム運営へと連続していかなくてはならない。


  • 面接プロセスの留意点

@自分が一方的にしゃべらず,どう相手の話しを引き出,耳を傾けるかを心がける

 〜聴くというのは積極的にそういう姿勢を取ろうとしないと聞き流しにつながる

A具体化,具体例を訊く質問を効果的に用いて,相手の気持ちや本音を訊き出す

 〜質問を細かくして,ときやところやひとを具体化させる等々

 〜肯定的,仮定的な質問で,それをやるにとどうしたらいいか?もし君ならどうするか?等々

 〜言葉の意味,状況,判断基準を問うことで,それはどういう意味?どうしてそう考えた?等々

 〜そのときの気持ちを確かめることで,そのときどう感じた?本当はどう思う?

 〜5W1Hで具体化して,ピンポイントに絞り込んでいく等々

B自分の考えを押しつけたり,説教にならないように,提案や自分の考えとして話す

 〜僕はこう思うが,君はどう考えるか?こうしたほうがいいと思うがどうか?

C事実に基づいて話す。〜両者で共有化できる事実を確かめるところからはじめる

D感情的にならない〜そういう言い方をされると,怒りを感ずると,感情を言葉の土俵に乗せる努力をする

E確認できたところをフィードバックしながら,要点を相互で確かめながら進める

F言うべきことは毅然として,きちんと言う

 〜チームの責任者として,相手の考えや行動について,自分の考えをきちんと伝え,チームの一員としてのやるべき役割と課題遂行の責務を果たすべきことはきちんと伝え,納得するように話す


  • 面談で話す(伝える)スキル〜言いたいことが明確なだけではダメ

@管理者の言葉の力とは何か

 言いたいことを表現するための言葉のもつ力は次の3つである。

 ・何を言っているのか,指示対象,容の明確さ(対象指示性)

 ・自分はどう考えているのか,自分自身を表現する力(「私」表現性)

 ・相手はどう受け止めているのか,《フィードバック感受力(相手の「受信状態」へのアンテナ感度)

 管理者が言葉を発するのは,みずからの意思をキチンと伝えるためである。いくら指示が明確でも,意思のない言葉に力はない。意思の力とは,自己確信である。そしてそれが相手にどう伝わっているかを確かめつつ発信することができる必要がある。

◇信頼のバックボーンは,言葉である。といって聖人君主である必要はない。怒りも腹立ちもなくすことはできない。それならなまじ「バカヤロー」と言いたい気持ちを隠すよりも,「ぼくは,バカヤローといいたい気分だ」「そう大声で怒鳴られると萎縮してしまいます」と,アサーティブに言葉にすることだ。それが,感情を直接ぶつけるのとは違う,言葉によるやり取りを可能にするはずだ。感情を感情としてではなく,それを言葉として表現しようとしたことで,@自分の感情との間合いが取れる,A相手の感情とも距離を取れる。感情のやり取りを感情のぶつかりあいでなく,感情を言葉にするコミュニケーションの土俵ができる。必要なのは,語っていることへの「私」性を常に保つことだ。「『〜』と言いたい気分です」「『〜』と考えます」と言うように。

◇しかし,それだけでは独善かもしれない。大事なのは,内容や「私」性という主観的な言葉発信力が,独りよがりにならず,相手に伝わっているかどうかを確かめる力があってはじめて,その人の言葉に力がある,といえるはずである。つまり,自分のいうことに対して,相手がどんな身振り,手振り,感情,言葉,振る舞い等々から,相手に伝わったかどうかを,相手の無意識のフィードバックからきちんと読み取り,相手の状況に対応しながら,臨機応変に発信するスタイル,様式を考えながら,相手がどう受け止め,どう感じ,どう理解してくれているかを推し量ることが出来ることである。それが真の意味の,自分の言葉の伝達力であり,言葉の力の源である。それは共感性と同じく,相手の目線で(自分の視点だけでなく,相手の立場や視点で)確かめられる発想の柔軟性があることをも意味している。

A要求や希望を明確に表現する

共有できる事実をさがす

 いきなり自分の要求や感情を伝えるのではなく,相手にもわかる事実を伝えようとすることで,自分の感情を押さえることになる。たとえば,目標達成が難しくなったと言ってきたとする。そのとき必要なのは,目標と現状との距離を,事実として確認し合えるかどうかだ。「まだ頑張りが足りない」と言うのではなく,予定した行動がなされたかどうか,やっておくべき準備がなされたかどうか,まだ取りうる行動があるのかどうか,といった事実を確認し,取り得る具体的な行動の選択肢を客観的に考えていくことだ。

感情にとらわれない状況把握

 非難したくなっても,その気持ちを脇において,状況を観察する。そうすることで,相手の行為の理由や状況が見えてくる。観察するということは,状況や相手について見える事実を客観的に把握することであり,それを感情的でなく,言葉にできれば,会話の土俵ができる。「何でそんな態度をとるんだ」と怒鳴っても,問題は解決しない。売り言葉に買い言葉になる状況にするくらいなら,「そういう態度をとられると,僕としては君をサポートする気がなくなるよ」と言ったほうが,次へつなげられる。

具体的な提案をする

 観察された事実と自分の感情を区別できていれば,どうしてほしいかをきちんと伝えても,そのメッセージは伝わるはずである。具体的であるとは,5W1Hである。いつ(からいつまでに),何を,どうしてほしいのか。

・選択肢を提案する

 やるかやらないかというのは,提案ではない。相手の意志で選択できる可能性を,相手と一緒に考えてもいいが,複数(できれば3以上)考えること。

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