ホーム 全体の概観 侃侃諤諤 Idea Board 発想トレーニング skill辞典 マネジメント コトバの辞典 文芸評論

リーダーシップに必要な5つのこと【1】


自分の仕事に旗を掲げる〜自分の仕事のポジションと役割が明確にできているか
組織全体とリンケージできる〜自分の旗を意味づけられる
コミュニケーション・チャンネルを確立できる〜常にパブリックをつくる
もっていき方を構想できる
必ずやり遂げる仕組みをつくる〜実現可能性を明確にする


  • リーダーとリーダーシップは違うリーダーは,役割としてなさなくてはならない機能でありリーダーシップはポジションに関係なく自らがリーダー役を買って出て周囲を巻き込み引っ張っていくことである。トップにはトップのリーダーシップか求められるのであり,平には平のリーダーシップが求められる。リーダーシップはその人の役割遂行に必要な手段なのである。

    リーダーシップは,知識でも学問でもなく,実践のスキルでなくてはならない。まして,パワーでも,権威でも,ない。自分がその仕事の中で,実現したいことがあったとき,それを達成できるように,事態を動かし,状況を変えることができなくてはならない。組織の仕事は,自分でできる範囲ならやればいいだけだ。しかし自分の裁量を超え るとき,周囲を動かさなくてはならない。そのとき,リーダーシップが自分にとって必要になる。しかし経験しただけではスキルにはならない。スキルにするためには,どうすればそうできるのかを,言葉として表現できなくてはならない。またそうすることの意味もまたきちんと整理できていなくてはならない。そのために,何が必要かを整理してみると,リーダーシップには,次の5つのポイントがいる。

     @自分にとっての意味〜自分のポジション 自分はどういう形で組織とリンケージしているのか

     A上司やチームにとっての意味〜組織全体との関連 それは組織全体の目標にどういう形でリンクしているのか

     Bメンバーにとっての意味〜各自の旗とのリンク そうすることで一人一人にとってどんな意味があるのか

     C同調者にとっての意味〜巻き込まれることの効果 それは自分たちにどんなメリットをもたらすのか

     D方法としての意味〜やり遂げる仕掛けはあるか  それはどれだけ実現可能性があるのか

     これを確実にすることが,周囲を動かし,事態を動かす力となる。このために必要なのは,

     @自分の仕事に旗を立てる

     A組織全体とリンケージできる

     Bコミュニケーションチャンネルを確立できる

     Cもっていき方を構想できる

     D必ずやり遂げる仕組みをつくれる

    である。これを順次考えてみたい。


◇自分自身が担っている仕事の意味を自覚し,それを実現するために何をすべきかを明確にする(これが「“旗”を立てる」)ことがまず前提となる。それを実行するためには,いかにして,関係者を巻きこみ,説得し,その旗を共通の旗とし,共に実現するようにしていかなくてはならない。

◇旗を立てるとは,

 ・自分のやらなくてはならないことの明確化

 ・自分への周囲の期待の明確化

 ・自分のやりたいことの明確化

  • 自分のやらなくてはならないことの明確化〜何がやって当たり前か

そのポジションの役割は固定ではない。それなら,誰が担当者になっても同じになる。一人一人が,自分の役割に主体的に格闘し,何をウエイトを置くか,を決めていく中で,メンバー間のキャッチボールが活きる

 

  • 周囲の期待の明確化〜自分役割期待を受け止めきれているか

役割期待とは,周囲が自分に期待ないし要求している役割の自覚度であるが,その基準には4つある

@組織の求める期待水準(職位要件,職務基準の“なすべきこと”と同時に,組織風土からくる,チームリーダーレベルへの暗黙の期待,「チームリーダーならそれくらいやってくれるはず」「やってくれなくては困る」)

 A組織メンバーの期待水準(「あの人ならやってくれるはず」といった個人へのリーダーシップや的確な判断への期待。更に,「あれだけの経験があるならできるはず」といった本人のキャリア・経歴に伴う期待値。)

B上位者の求める期待水準(「彼にはこれくらいのことはしてもらいたい」「してくれなくては困る」といった,上位者が,その統括する部門目的達成のために,分担した機能を完遂するために求める要求水準)

 C同僚や他部署のチームリーダーの期待水準(上位目標を共にさえていく他部署のチームリーダーの「この位はやってくれるだろう」「やってくれないとこちらにしわ寄せがくる」等々の要求値)

  • 自分のやりたいことの明確化〜自己成長の視点をもつこと

    ◇自分のやりたいことの視点があってはじめて,旗は,やらなくてはならないことだけではなく,つまり,組織からの要請に応えることだけではなく組織に応えさせようとすることが可能となる。これがなければ,言われたことをやっているだけであって,リーダーシップとは無縁の,組織要請を周囲に押し付けるだけのパワーに過ぎなくなる。

    ◇どうなりたいかを明確にする。自分はどんな仕事をしたいのか,どういうキャリア形成をしたいのかの視点から役割を考えることが必要である。自分の役割を狭く限定することは,「課題」を(自分の解決すべきこととして)すくい上げる視野を狭くする。自分の経験と知識の枠を(これだけと)限定してしまうことで,可能性を閉ざしているだけでなく,自分の経験を少しずつ超えていく経験が,自分の成長機会なのに,その機会を自ら逸していくことになる。また,自分自身に自己成長の視点のない者に,部下や後輩の自己成長を促す説得力がない。

    ◇自分の成長目標の視点から目標達成の意味を見つけること。組織の役割との格闘とは,そこでしなくてはならないこと(求められる役割期待の遂行とその目標の達成)と,自分がしたいこととの格闘である。その意味には,「目標達成をどう進めるかに,自分の発想を反映させる」という意味と同時に,「自分自身の成長(キャリア形成)のステップにとっての成果を見つける」という意味が含まれる。その目標達成を通して,何をえたいのか,を明確にしておくことである。そのためには,自身の成長目標と成長ステップをきちんと見定めている必要がある。

◇組織目標と個人目標の接点を創り出すこと。組織目標=個人目標はありえない。組織としての目標達成を目指すこと(役割意識)が,同時に個人としての(こうしたいという)成長目標になるようにするには,本人のどうなりたいか,どうしたいかという自己成長の意思が不可欠である。「しなくてはならない」組織としての目標(〜しなくてはならない)と個人としての目標(〜したい)との接点となるのは,自分の成長目標である。人の能力を,能力=知識(知っている)×技能(できる)×意欲(その気になる)×発想(何とかする)と分解するなら,目標を達成する力は,意欲と発想(つまり,その気になって,何とかすること)とにある。能力のキャパシティは,「知っていて,できる」範囲だけの仕事ではなく,それを超えた仕事に取り組んで,“何とかした経験”をどれだけ積んだかにかかっている。それだけに,役割を自己限定せずどれだけ広げてチャレンジするかが重要である。


  • 自分のポジショニングの旗になっている〜自分のリーダーシップの根拠

    以上の3つの明確化によって初めて,

     ・自分と上位との関係の中で,自分がどういうかかわり方をするのか

     ・自分が周囲からどういうことを期待されているのか

     ・自分がこれからどういう役割行動を担っていきたいのか

     を明確にして,自分の旗が立つ。旗は自分勝手に立てるものではなく,上位者との関係のなかで明確になる。そうすることで初めて,

     ・その旗から,逆に,それにふさわしい行動は何かを考え,現在はやっていないし,できていないが,役割から考えてやるべきだし,やらなくてはならないと思われる仕事や行動のモレやヌケを追加する

     ・個別の行動・作業レベルについて,それをきちんと達成するためには,何が必要か,技能(〜できる)や知識(〜を知っている),姿勢・心構え(〜しようとする)を,具体的に洗い出す。

リーダーシップに必要な5つのこと【2】
up



研修プログラム一覧

中堅社員研修・管理職研修

管理者の役割行動4つのチェックポイント
管理者の管理行動例
コミュニケーションスキル@
コミュニケーションスキルA
コミュニケーション力を決めるものT
コミュニケーション力を決めるものU
エゴグラムによる自我分析
エゴグラムの読み方・活かし方
リーダーシップ論
目標設定のリーダーシップ
目標達成のリーダーシップ
リーダーシップ研修プログラム・目次
対人関係スキル関連参考文献

ホーム 全体の概観 侃侃諤諤 Idea Board 発想トレーニング skill辞典 マネジメント コトバの辞典 文芸評論

ご質問・お問い合わせ,あるいは,ご意見,ご要望等々をお寄せ戴く場合は,sugi.toshihiko@gmail.com宛,電子メールをお送り下さい。
Copy Right (C);2024-2025 P&Pネットワーク 高沢公信 All Right Reserved