◇組織としての目標(〜しなくてはならない)と個人としての目標(〜したい)との接点となるのは,自分の成長目標である。人の能力を,能力=知識(知っている)×技能(できる)×意欲(その気になる)×発想(何とかする)と分解するなら,目標を達成する力は,意欲と発想(つまり,その気になって,何とかすること)とにある。能力のキャパシティは,「知っていて,できる」範囲だけの仕事ではなく,それを超えた仕事に取り組んで,“何とかした経験”をどれだけ積んだかにかかっている。それだけに,役割を自己限定せずどれだけ広げてチャレンジするかが重要である。
◇組織目標=個人目標などはありえない
組織としての目標達成を目指すこと(役割意識)が,同時に個人としての(こうしたいという)成長目標にな(す)ることができれば,問題意識(何とかならないか)は,目的意識(何のためにそうするのか)がより個人的な思い入れが強まり,達成を導く力となりうる。上位者とのキャッチボールが必要となるのは,そこである。独り合点や思い込みではなく,組織目標達成の中に,個人成長の意味をどう見つけるかは,上位者が“なんとかしてくれる”“わかってくれる”ことを期待したりすることではなく,自分の力で見つけられるものにしなくてはならない。