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目標設定のリーダーシップ-2-
管理者にとっての目標 と個人にとっての目標〜目標の二面性


組織の目的と目標設定の意味
管理者にとっての目標と個人にとっての目標
組織目標(すべきこと)と個人目標(したいこと)との接点は何か
部下にどう成長の視点のある目標を設定させるか
部下にどう目標設定のための手段を具体化させるか


  • 管理者は目標(しようとすること)と方針(その指針)を明示しなくてはならない
    • 「目標」は管理者の意思の表現である
      • チームで共有するに足る目標であること

    チームの凝集度(力)を高めるのに必要なのは,どれだけメンバーが目的意識を共有化できるかである。

     そのために,課長補佐に求められるのは2つの役割となる。

     @旗を立てる機能(トップの方針を踏まえ,それを実現するために,チームとして何のために(目的),何をするのか(目標)という“旗幟”とそれに不可欠な情報を,たえず部下に明確に提示できること)。

     A盛り上げる機能(チームの目的(のためになすべき目標)を達成するために,メンバーの共働態勢づくりをどうしたらいいのか,日々の指導・助言はどうしたらいいのか,部下の育成をどうすすめたらいいのか,等々によって,チームとしての力が発揮できるようたえず努力・工夫できること)

    あくまで,「旗」が主であり,コミュニケーションや部下指導や日常の業務管理は「従」である。コミュニケーションや部下指導や日常の業務管理を(それをすること自体が意味あるかのように)目的化することは本末転倒である。

    管理者やリーダーが確信をもってチームの目指すもの(目的と目標)を指し示すことができなければ,チームメンバーが毎日の仕事の意義(目標達成のためになすこと)に確信をもてるはずがない。それこそが管理者の示す“旗印”が必要な理由である。それによって,チームの目的と情報を共有化を図り,何のためにそれをするのかという目的意識が明確となり,そのために何をしたらいいか(目標意識),どういう役割を果たせばいいのか(役割意識),チームメンバーがひとつの目的実現のために一体となって取り組むことができる。管理者は,メンバーが共有するに足る目標をどう掲げるかが問われている。


    • 上位目標の垂れ流しではない

    部門の「目標」を,単に上位者の「方針」「目標」の垂れ流しにする管理者は自分の役割の放棄である。

     役割認識には,3つの側面がある。

     ・上位者,他部門からの部門責任者としての役割期待

     ・自分自身が自部門をどうしたいのかという役割意識

     ・部下からのリーダーとしての役割期待


    • 「役割」は主体的に創っていくもの

    「役割」は,主体的に創り出していくものである。「○○」の役割を果たすことで,「○○」の役割を担うものと認知される。それはあくまで主体的な行為の結果である。その意味で,部門目標も,

     「全社・他部門から要請されているアウトプット」

     「自分がこうしたいという主体的なアウトプット」

     「部下から期待されているアウトプット」

    の3面があり,それを「自部門の目標」として設定するのは,管理者の責務の中にある,意思の問題が大きい。そこに,自分なりの問題意識や,場合によっては,権限の枠を超えてでも提起しなくてはならないこともある。そういう主体的な,挑戦的な経営マインドなしには,主体的な部門経営はないし,またそうでなくては役割意識を,単なる組織規程の枠通りに維持するだけだ
  • 部門目標の設定と徹底〜目標設定の手順
    • 全体〜部門〜課の目標・方針の体系化

    部門目標とは,自部門をどうしたいかという意思(期待水準の表明)である。それを絞ることで,全社目標,ブレイクダウンされた上位目標との接点を主体的,自分たちの「したいこと」を投影したカタチに詰めていくことができるはずである。そのためには,目標明確化に,メンバーの参加(あるいは管理者によるメンバーの意思の汲み取り)は不可欠である。それが,メンバーの,目的達成への参画意識と当事者意識を高める。

    組織目標・方針

    1.

    2.

     

                      全社目標達成するために〜部は何をすべきか

    ○○部目標・方針

    1.

    2.

     

    ○○部目標・方針

    1.

    2.

                    〜部の目標を達成するために〜チームは何をすべきか                               

    〜チーム目標・方針

    1.

    2.

     

    〜グループ目標・方針

    1.

    2.

          〜チームの目標を達成するためにメンバーAは何をすべきか                       〜チームの目標を達成するためにメンバーBは何をすべきか

    Aの目標

    1.

    2.

     

     

    Bの目標

    1.

    2.


    • 部門の問題の共有化と課題の設定

     部門で立てた「課題」とは,自部門をどうしたいかという意思(期待水準の表明)である。それを絞ることで,全社目標,ブレイクダウンされた上位目標との接点を主体的,自分たちの「したいこと」を投影したカタチに詰めていくことができるはずである。そのためには,課題の絞り込みに,メンバーの参加(あるいは課長補佐によるメンバーの意思の汲み取り)は不可欠である。それが,メンバーの,目的達成への参画意識と当事者意識を高める。その際,

     ・メンバーにわかる言葉で明文化する

     ・全員の参画のもとに課題を絞り込むこと

     ・課題相互の関連性を明確にしておく

     ことも必要である。必要なことは,全社目標(体系)の中で,どんな位置にあり,それを果たすことがどんな意味と重要性をもっているかの確認である。それがなければただの“スローガン”や“願望”である。そこには,達成されなければどうなるのか,という 目標達成責任の重さが裏打ちされなくてはならない。その意義と重要度の確認が,自分たちの日々の仕事への確信と意欲につながるからである。

     

    • 部門目標・方針案の作成

     自分たちの「こうしたい」という意思(部門の期待水準)の表明である課題をどう目標としてまとめていくかは,管理者の重要な役割となる。そこには,

     ・何を達成するのか

     ・どんな方向に向かうのか

     ・どういうことができていなくてはならないのか

     ・なにがクリアされなくてはならないことなのか

     等々が明確化されなくてはならない。そのためには,次の「達成条件」(これが方針,行動指針となる)が明確に絞られる必要がある。それは,次の2つである。

     @絶対条件;目標達成のために絶対譲れない条件。これがクリアできなくては目標達成にならない。

     A希望条件;(絶対条件を満たした上で)目標達成にとってできればあるほうが望ましい条件。

     その選択のポイントは,次の3つである。

     ・部門課題の中核部分を絞り込む

     ・その中の何を優先させるか(何を捨てるかでもある)

     ・課題をどう序列化して,今年度,次年度……,とステップ化した目標とする


    • 業務分担と各自の目標設定

@業務分担・役割分担・目標分担

◇単に,分担した役割を右から左へこなすだけなら,仕事をしているとは言わない。まして,それが課長補佐なら,課長補佐失格である。課長補佐は,自分たちは,組織全体の中で,何をすることを求められているのか,自分の預かるチームの存在意味(チームの目的)を,明確にしなくてはならない。同時に,そこに課長補佐という役割に隠れているのではなく,何の何某という個人として業務を遂行する以上,自分の意思がなくてはならない。自分のチームの使命と自分自身の意思を織り込んで,自分がそのチームの課長補佐として何をするのか,の旗を掲げてはじめて,チームのリーダーたりうる。そのとき,その旗を実現するために,単に,上位目標を垂れ流しするだけではなく,チームとしての主体的な目標が掲げられるはずである。それがなせてはじめて,監課長補佐としてのリーダーシップが発揮できる


A業務の役割分担と目標設定の関係

・課の業務

・課員の業務分担

・課員の目標分担


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目標設定のリーダーシップ3



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