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OJT研修プログラム4例
−自分の仕事の仕方でどれだけ周囲に影響を与えうるか−


  • 研修の狙い〜自分の仕事の仕方でどれだけ周囲に影響を与えうるか

    • 求められている役割期待の自覚

    • 職場でのポジションとなすべき責務の再確認

    • OJTを考えることを通して,チーム力とは何か,目標達成とは何か,目標とは何かを主体的に考える

    • まず自らが主体的に発信するリーダーシップの自覚

    • リーダーシップを効果的にするコミュニケーションスキル


  • 研修の進め方

    • 基本は自覚であるので,まずワークシートにポジションに伴う役割を自己確認すると共に,自己の役割・責務の遂行度を確認することを通して,自分自身の目で,自分を棚卸しする。

    • リーダーシップとは,職位や地位に伴うものではなく,自分自身の仕事に掲げた仕事への“旗”(何のために,何を目指すのか)に伴うものであることを,役割意識とともに改めて確認する。

    • 育てる」意味を多面的に考える。新人にとってのみではなく,自分にとって,チームにとって,会社にとって。

    • 管理職としてなすべき課題とリーダーシップの基本についての確認をする

    • OJTを進めるための,自分たちのための行動指針を作成する。その作成を通して,自分の位置,役割,仕事でのリーダーシップを再確認する


  • 研修プログラム

【第1日】役割確認とリーダーシップ

時間 内容 進め方

9:00

 

 

 

 

 

 

10:00

T・まず問題意識からはじまる−管理職の置かれている環境と求められる役割の変化を自覚しよう

環境の変化の中で,変化に取り残されないために必要なのは,現状への,「このままでいいのか」という問題意識である。それが,

いままで通りではない

いまのままではない

過去の延長線上ではない

やり方への変革の第一歩である。その発想転換がいま求められている

●「管理職」である事の意味を全員に問い掛ける。管理職であるとは「何のためであるのか」を一緒に考えていくのが研修全体のベースとなる。

 

《使用するもの》

・ワークシート

 自分のコストと価値を考える

 

・ツール

 ブレインストーミング

【プロセスの狙い】

@まず問題意識が出発点となる。そのためには,「何のために」という問い(それが目的意識であり,それなしには問題意識はない)に鍵があり,それが研修全体を通しての宿題でもある。

A現状の変化に対する各自の幅広い問題意識を,事前課題とすることも可能。お互いに問題意識を刷り合わせる機会とすることもできる。

時間 内容 進め方

10:00

 

 

 

 

(昼食)

 

12:00

U・自分のポジショニングと役割行動のチェック

 

役割意識のないところ問題意識はない。自らのなすべき課題は,組織での自分の位置に求められている目的を果たすために何をすべきかというチェックなくしてはありえない。

  ・組織の目的・ビジョン

      ↓それを達成するために

  ・本年度の目標

      ↓それを達成するために

  ・自分の役割は何か

●自身の役割を,ポジションの自覚から始める必要がある。各自の結果をめぐり,全体での討議とキャッチボールを通して,自身の現状をチェックする

《使用するもの》

・ワークシート

 目標と役割の明確化

 自分のポジションと求められる役割行動

・ツール

 ブレインストーミング

 

【プロセスの狙い】
 自分のポジショニングを明確化することで,全体の中での,自分の役割と使命がより,具体的にイメージできるはずである。それは,自分の仕事を達成することで,何をするのか(自分の仕事の目的)の確認でもある。
役割は与えられるものではなく,自らが創り出していくものである。自分のポジショニングを明確化することで,全体の中での,自分の役割と使命がより,具体的にイメージできるはずである。それは,自分の仕事を達成することで,何をするのか(自分の仕事の目的)の確認でもある。役割は,公式に求められるものだけではない。それなら,誰がその任についても同じとなる。自分が,その役割を主体的にどう位置づけ,何をしようとするかを,主体的に考える姿勢こそが必要となる。

 その役割は,上司の方針や目標をただ,受動的に受けとめる,あるいは自己完結的に,孤立して仕事をすることではない。自分がそのポジションにおいて,何をするのか,上位者の目標を受けて,自らが主体的に考えるところで,自分自身の仕事の意味と使命が見える。それを自分の仕事の“旗”と呼ぶ。自分自身の仕事と役割にリーダーシップを発揮できないものに,上位者を動かす力はない,上位者を動かさずして,組織で自分の目的を達することはできない。
 その役割から考えて,果たして,自分の日常の業務,行動はそれにかなうものなのかどうか,チェックする。

時間

内容

 進め方

13:00

 

 

 

 

15:00

V・管理職に求められるリーダーシップ

 

いまリーダーに必要なのは,自分にとって,またメンバーにとって,その基に力を集中させる“旗”を明示することである。それを目指していくことで,現状が打開できるという方向と目標を明示することである。そのためには,

  ・いまから世の中はどう変わるのか

  ・そのことによる影響はどうなのか

  ・それに対応するには自分たちは何をすべきなのか

  ・そのために自分たちはどう変わるべきなのか

が,上位者とメンバーとで共有化されなくてはならない。そこに,チームとしての力が生まれる。
自分の役割を確認した上で,ではそこでどんなリーダーシップが求められるのか,自分自身のリーダーシップチェックを通して,何が不足し,何が更に必要なのかを考えていただく。

 

《使用するもの》 
・ワークシート
 
リーダーシップチェック
 リーダーシップを振りかえって
 リーダーシップが求められるとき
・ ツール  
ブレインストーミング

【プロセスの狙い】
 リーダーシップは,上司にのみ限定されているものではない。
 @上司の方針を実現するためには,どうしたらいいかを主体的に考えていくとき,上位者を超えても実現しなくてはならないことに気づくこともある。
 A自分の担当業務を真に達成するには,現在の限定された枠を超えなくては達成とならないこともある。
 等々,主体的に考えれば考えるほど,上位者をはみ出さざるを得ない。そのとき,
 @どれだけメンバーに働きかけ,巻きこんで,同調してもらうか
 Aどこまで上位者を巻きこんでいけるか
 に,管理職のリーダーシップが問われる。と同時に,そこには,上位者やメンバーとの日頃のコミュニケーションがどれだけ蓄えられてきたかも問われることになる。

時間

内容

 進め方

15:00

 

 

 

 

 

17:00

W・周囲を巻き込むためのコミュニケーション力

 

リーダーシップが,どれだけ人を巻きこめるかであるとするなら,そこには,

 ・その旗は人を巻き込むに足るものになっているか

と同時に

 ・それを実現するためにどう周りに働きかけるか

が必要になる。そこで鍵になるのは,コミュニケーション力である。

 それは,日常の,

 ・ミーティング

 ・報連相

 ・キャッチボール

 をどけだけ積み重ねたかの結果でもある。

 

 ●コミュニケーションには,「話すスキル」と「聞くスキル」がある。「話すスキル」には,「言葉の力」と「自己開示力」が要る。

「聞くスキル」には,「聴く」と「訊く」の2つのスキルが必要となる。

《使用するもの》 
・ワークシート
 
コミュニケーション・チェック
 
コミュニケーションギャップを振り返る
 報連相チェック
 上位者との関係チェック

・ ツール  
 ブレインストーミング

【プロセスの狙い】
 
リーダーシップを生かすのはコミュニケーションスキルである。自分の旗のもと,周囲を巻きこみ,上位者を巻き込んでいくために何が必要かを整理し,確認しておく。

 コミュニケーション力には,聞く力と話す力がある。その両方について確認していく。コミュニケーションを支える力は,自分への点検が欠かせない。自分を受け入れているものが他人を受け入れる。自分を知らないものに他人を動かす力はない。そこで,自己点検のツールとして,簡便なTAによるチェックを試みる。それによって自己像を再点検してもらう。

 ひとを動かす場合,上位者を動かすのと,下位者を動かす場合では,多少異なる。上位者との関係は,報連相についての振り返りで,下位者との関係は,部下や後輩への指示の仕方について考えることで,それぞれ検討していく。


【第2日】部下への指導力

時間

内容

 進め方

9:00

 

 

 

 

12:00

X・OJTの基本〜教えることと育てることの違い

「育てる」意味と目標を考えていただく。
 部下がやる気がない
 教える暇はない
等々という発想は,教えることが,自分にとって意味がないと考えるからに過ぎない。
@何のために「教えるのか」
(目的)
A誰のために「教えるのか」(利益享受者)
Bどういう状態にするのか(期待成果)
を再確認することが不可欠である。教えるとは,教えることが自分にあるかどうかが,問われることでもある。

「育てる」ということのもっている多面性を考えていただく。「何のために育てるのか」と同時に,「育てる」目標,更に戦力となるとはどういうことか等々,目標達成に必要な資源としての人材とは何かを考えることになる。

《使用するもの》
・ワークシート
 
OJT確認シート
 行動指針づくりのガイダンス

・ ツール  
ブレインストーミング

【プロセスの狙い】
 ここでは,一方的にOJTの意味を講義するのではなく,事前課題を通して,各自の感じている問題点,課題を整理し,相互で擦り合せた上で,OJTの意味や効果を全体で考えていく。
 スキルから入るのではなく,そのスキルや知識の修得を通して,どういう人材像を描けているのかが問題になる。育成やOJTは目的ではなく,そのための手段であり,その相互確認と共有化が部下と上司のOJTの土俵となる。
 そのために,
 @目的・目標の共有化
 A成長目標の確認
 B現状の確認とすりあわせ
 C手順とステップの確認
 D成長プロセスのフォロー
 が部下との間で確認できていなくてはならない。それは,業務の指示や業務目標と同じことである。
ここでは,一方的にOJTの意味を講義するのではなく,事前課題を通して,各自の感じている問題点,課題を整理し,相互で擦り合せた上で,OJTの意味や効果を全体で考えていく。

 
時間 内容 進め方

13:00

 

 

 

 

15:00

Z・OJTのための行動指針づくり

OJTの基本構造とその手段の具体化を自分たちで考えてみる。

OJTは,特別のことではなく,みずからの役割行動の遂行そのもののであることが確認されるはずである。

 @何のためにOJTが必要なのか

 Aそれによって何を目指すのか(どういう水準に育てるのか)

 B誰がそれを実行するのか

 Cどういう機会に実行するのか

 Dいつ実行するのか

 Eどういう手順とステップで実行するのか

 Fそれをどうフォローしていくのか

行動指針とは,いわば,OJTの理念を具体化したものである。それを行動レベルにブレイクダウンすることで,マニュアルとすることができる。

《使用するもの》

 ・ワークシート

行動指針づくりのガイダンス

ツール

  ブレインストーミング

 

【プロセスの狙い】

 最終的には,個別の部下について,どんなOJT方針を確定するのか,ひつとの事例として,まとめるところで,全体の確認としたい。また部下のいないものについては,自分仕事の中の何を部下に委任するのか,新人や配属されたものを想定しながら,考えていただく。部下にどういう役割を担わせるかは,自分自身がどれだけポジショニングと役割確認がきちんと取れているかを反映するので,部下の役割を設定することを通して,自分がどれだけ自分自身の仕事の意味と役割の意味をきちんと捉えているかを確認する作業にもなる。

時間

内容

 進め方

15:00

 

 

 

 

 

17:00

Y・OJTの 基本とスキル〜何をどう伝えるか

 

 目標を確認し,それを達成するためのプロセスを通してOJTを進めるとしても,たえず,コミュニケーションスキルが問われる。

 @何をどう伝えたらいいのか

 A自分の意志は伝わっているのか

 B部下は何を考えているのか

 C部下は成長する意欲があるのか

 D部下の反応がはかばかしくない

 E何を考えているのかがよくわからない

 F幾ら話しても伝わっているという実感がない

 等々,相互の意思疎通はどうすれば確認できるのか。具体例を素材にしながら,どうしたらいいかを,実践的に考えていく
ここでは各自の振り返りで出てくるコミュニケーションや意思疎通の問題点を確認しながら,スキルとはノウハウの「言葉化」なのだから,できるだけケースや具体例に即したOJTのスキルを考えていく。

 

《使用するもの》
・ワークシート 
 
指導とコミュニケーションギャップ
 
OJTをしたいとき
・ ツール  
ブレインストーミング

【プロセスの狙い】
 
OJTは,特別のことではなく,みずからの役割行動の遂行そのもののであることが確認されるはずである。
 部下にどういう役割を担わせるかは自分自身がどれだけポジショニングと役割確認がきちんと取れているかを反映するので,部下の役割を設定することを通して,自分がどれだけ自分自身の仕事の意味と役割の意味をきちんと捉えているかを確認する作業にもなる。

ここでは,コミュニケーションスキルを,OJTの場面に即しながら,「こうしたらどうする」「こんなときはどうする」といった具体例から実践的に考えてみる場とする。コミュニケーションは確かにスキルには違いないが,その言葉の説得力は,結局その人自身がどれだけそのことについて考えたのかといった,その人の生き方,仕事への取り組み姿勢そのものが強く反映する。 その意味で,OJTを考えるとは,自分がどういう姿勢で仕事をしているのか,どういうことに価値を置いているのかを,改めて振り返り,点検する機会でもあるはずである。


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    • 研修プランのカスタマイズについては,ここ


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