時間 |
内容 |
進め方 |
9:00
10:30
|
オリエンテーション
「この研修のめざすこと」
《講義》
「ロジカル・シンキングの基本マインド〜意味の筋と事実の筋〜」
「ロジカル・シンキングの基本スキル」
・基本思考スキル〜分ける・グルーピング・組み合わせ・アナロジー
・データや事実の断片からルールや一般論を導き出す〜帰納的思考
・一般論やルールを個別や具体論に当てはめて展開する〜演繹的思考
・問題解決に必要な基本スキル〜ツリー・フロー・マトリックス
《講義》
「ロジカルであることとクリティカルであること」
《実習》
クリティカルであるための基本 |
●ロジカル・シンキングはともすると,視野狭窄の筋に入り込む危険がある。それを避けるためには,ロジカルの筋道を突き放し,相対化する視点がいる。それがクリティカル・シンキングである。ロジカルであっても,クリティカルでなければ,説得力を持たない。
《使用するもの》
ブレインストーミング |
【プロセスの狙い】
ここでの基本スタンスは,ロジカルであることは目的ではないということを確認する。もちろんロジカル・シンキングは不可欠なスキルであるが,ロジカルであることは目的ではない。
・理解するために,
・分析するために,
・解決するために,
・説得するために,
大事なのであって,それは各自が何に,どういう必要性があるのかを確認していただく。
@ロジカルであることは,読み,書き,話す,聴く,といったコミュニケーションの手段に過ぎない。
Aロジカル・シンキングは,それ自体で自己完結したものではなく,常に,現実とのキャッチボールを忘れてしまうと,ロジックそのものが一人歩きし,詭弁,強弁,屁理屈,空理空論,億説,思い込みに陥る。
それをさけるために,基本的なマインドについても,確認する。ロジカルな筋の流れを相対化し,批判的に見る視点に必要な,
@具体化の4原則
A多角化の4原則
2つのスキルを,ウォームアップを通して確認していただく。
時間 |
内容 |
進め方 |
10:30
1:30 |
《実習》
「情報の解き方・読み方のロジカル・シンキング」
個人研究
↓
グループ研究
↓
発表
↓
講評/コメント
《講義》
「情報分析のスキル〜帰納的思考の理解」( |
●ここでは,与えられた情報の断片からどれだけの幅と奥行きを読み取れるか,一つのテーマないし結論を導き出すスキルを実習して戴く。
具体的には,@与えられた新聞記事から,どれだけ判断と事実(データ)を区分し,そこから読めるのは何かを抽出する,A読み込んだ「課題」が妥当かどうかを検証するために,どういう情報や事実が必要なのかを実習を通して体得して戴く。
《使用するツール・スキル》
・ツール
ワークシート
ブレインストーミング
チェックリスト |
【プロセスの狙い】
情報から黙っていて,テーマやルールや原則が見えてくるのではない。そうした一般論はあるものではなく,作り出すないし見つけ出すものだ。こちら側がどれだけ問いを幅広く,奥行き深く立てられるかにかかっているか,その結果どれだけ読みに差が出てくるかを確認するのが狙い。
@ベイトソンの問いのように,こちら側が,どれだけ問題意識を持っているかが出発点である。
A導き出す結論は,読み込みである。ひ帰納法に必要なのは,キーになる情報や,ポイントになる概念を突破口にして,自分なりに“当たり”をつけていく。そのとき役に立つのが,4つのスキルである。
●「分ける」は,分解してみる,細分化してみる,新たに分けてみる,分け方を変えてみる等々で,新しいカタチ(つながり)を見つける
●「グルーピングする」は,くくり直す,束ね方を変える,一緒にしていたものを除く,区分の基準を変える,一緒でないものを一緒にする等々で,新しいカタチ(つながり)を見つける
●「組み合わせる」は,異質の分野のもの,異なるレベルのもの組み合わせる等々で,新しいカタチ(つながり)を見つける
●「アナロジー(類比/類推する)」は,似たもの,異分野の例になぞらえる,参照にする等々で,新しいカタチ(つながり)を見つける
時間 |
内容 |
進め方 |
1:30
5:00 |
《実習》
「情報読解と検証のロジカル・シンキング」
個人研究
↓
グループ研究
↓
発表
↓
講評/コメント
《講義》
「仮説検証のスキル〜演繹的思考の実践」 |
●立てた仮説はあくまで,擬似的な世界像,そうであるかもしれない現実でしかない。それが妥当かどうか,本当にそれで何かを読み解けるキーワードなのかを,情報の薄皮を1枚1枚剥いで核心に迫っていく作業が必要になる。仮説作りには,集めた情報から何を選択し,何を捨てるかという読解力が不可欠だが,その検証には,現実に,その仮説(いってみればストーリー)が妥当するかどうか,を検証して以下なくてはならない。仮説の説得力とは,その汎用性である。それを実習を通して体験して戴く。
《使用するツール・スキル》
・ツール
ブレインストーミング
チェックリスト |
【プロセスの狙い】
仮説(情報から読み取った構図)をまとめるには,現状への問い直し(このままでいいのか,という問題意識)の強さ,それを何とか(解決)したいという強い意欲(思い)何とかならないかと,多角的に検討できる発想の幅と奥行等々にあるが,そうした思い入れの強さだけでは,独りよがり(勝手読み)に終わる危険性がある。自分の仮説(読み)を客観的な批評に耐えられるカタチ(モノ)にしなくては仮説づくりは終らならない。仮説(仮の構図)を立てるとは,ものを見る視野に,一定の窓(枠)を創ることだ。それを通して,現実を一定のパースペクティブ(視界)に切り取る。そういう見方(方向と領域)でとらえたことによって,どれだけ問題を解決してくれるかである。それが,“仮説の説得力”である。つまり,仮説は,「確かにそうなっている」「それで状況が突破できる」「それなら実現できる」「それで説明できる」等々の現実性を根拠づけて,初めて,仮説の描いた“パースペクティブ”の確からしさは,現実に質されて,“説得力”が確認(実証)されたのである。