時間 |
内容 |
進め方 |
9:00
10:00 |
T・事前課題をグループの課題とする〜問題の確定
《実習》
個人の問題を,グループの課題としてまとめていく。
個々の課題は,目的がある。共通の目的達成のための手段である。その観 点から,共通目的達成のために何をすべきか,という課題を見つけ出し,その原因を洗い出し,解決策を案出することを通して,課題解決プロセスを共有化する。
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●問題は,組織の問題である以上,個人の問題意識から出発していようとも,全体の問題として,解決しなくてはならない。そのためには,個人の問題から,どう全体の課題へとまとめていくかが常に求められる。
《使用するもの》
・ワークシート
事前課題シート
・ツール
ブレインストーミング |
【プロセスの狙い】
各人の課題の中から,グループとしての課題を一つ選び出し,グループとしてそれを解決していくための“解決プランニング”を立てていく。
@各人の課題の刷り合わせには,個別職務,業務のタイトルや名称にとらわれず,その具体的にになう仕事の中身を通して,組織の中でのポジション(意味と構造)を確認する。
A各人の課題の中から,グループとしての課題を,単に足して二で割るのではなく,
・全体の仕事の構造を代表するケース
・共有化される問題構造をもっているケース
・課題は共通部分が少ないが,解決プロセスが共有化できるケース
・課題が困難で,その解決と実行プランを考えることが共通に意味があるケース
・個別で特殊だが,その解決プランが,参考になるケース
等々から,主体的な課題としてひとつ立てる。この刷りあわせプロセスが,メンバーとの共通する土俵の確認につながるはずである。「そういう問題があるのか」「それは自分が経験したことと共通する」「そこは同じ行政課題につながる」等々。それを通じて,共有化できる課題を絞り込む。採択事例の提供者が,情報提供者となり,問題解決に必要な情報を提供しなくてはならない。
ここでの共有化の作業は,ロジカル・シンキングの共通土俵づくりとなる。つまり,何をするために,ロジカル・シンキングをしているかが確認されることになる。これによって,ロジカル・シンキングが自己完結したロジカルの思い込みを避ける第一歩である。
時間 |
内容 |
進め方 |
10:00
11:00 |
《講義》
U・「問題解決のスキルT」
〜問題のとらえ方と解決手段の洗い出し
《実習》
V・「問題解決プランニング」
〜解決のためのロジカル・シンキング
@グループとしての課題の絞込み
↓
A本当は何が問題なのかの再確認 |
●問題解決のスキルには,
@原因分析
A目的・手段分析
の2つのアプローチがあること,しかし@は,トラプルやクレームなど,「できて当たり前」のことができていないためであり,それよりは,より高い目標とのギャップをどうクリアしていくか,というAのアプローチの方が,ロジカル・シンキングにふさわしい。
《使用するツール・スキル》
・ワークシート
・ブレインストーミング |
【プロセスの狙い】
ここでは,ロジカル・シンキングの具体的展開として,フロー,ツリー,マトリックスを例示をしながら説明していくことになるが,問題解決の流れ,スキル自体がロジカル・シンキングのプロセスそのものになっている。
まず問題の選択では,問題の構造的理解が不可欠となる。
問題はあるものではなく,問題にするものだ。こちら側がどれだけ問いを幅広く,奥行き深く立てられるかにかかっているか。まず,問題の幅を確定するところかにらはじめなくてはならない。何を解決しなくてはならない「問題」と意識するかは,その人が何を問題と思うかで,違ってくる。問題とは,現状と基準とのギャップだから,何に基準を置くかで,
@理想との乖離を問題だと思う(理想との差を問題にする)
A立てた目標や基準の未達や逸脱を問題と思う
(目標未達を問題にする)
B不足や不満を問題と思う(欲求や満足の満たされないことを問題にする)
C価値や判断の基準からの逸脱を問題だと思う(価値や意味との距離を問題にする)
等々に分かれる。
このギャップが問題だから,
@こちら側が,どれだけ問題意識を持っているか
Aそのために,第1に「何をしたいのか」「何をはっきりさせたいのか」「何を解決したいのか」がはっきりしなくてはならない。その結果,当初の「問題」とは異なる大きなギャップが問題として浮かび上がることもある。
時間 |
内容 |
進め方 |
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《実習》
W・「問題解決のプランニング」(続き)
〜解決プラン策定のためのロジカル・シンキング
B解決プランの策定
解決プランの鍵は,それを達成するために何をするかを,どれだけ具体化できるかにかかっている。それは,現実の問題解決でも同じで,それが単なる掛け声で終わってしまうのは,誰が,いつから,何から,どう着手するかまでが,詰めきれていないからだ。そこまで詰めなければ,実践のリスク,障害は見えない。つまり,「できるはず」が,「できたつもり」になる。
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●絞った課題を,グループとして,どう解決し,どう実行していくかをグループ内で情報交換,討議し,全体でディスカッションすることを通して,組織としての解決行動のあるべき仕組みを考える。また解決プランニングを共有化する。
《使用するもの》
・ワークシート
課題分析シート
目標達成計画書
・ツール
ブレインストーミング
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【プロセスの狙い】
課題(解決すべき問題とみなしたこと)の解決プランを立てていく。そのために,解決のための具体的な手段を洗い出し,その実行をプランニングする。手段を具体化して初めて,その障害や困難は具体的な問題として見えてくるはずである。このプロセスを通して,事前課題シートでの各自の分析が妥当だったかどうかのチェックにもなる。
各手段毎にブレイクダウンし,現状の各自の現実と対比し,何ができていないのかを,できる限り,行動レベルで特定化していく。特定されない行動は,実施のために,またプランニングを必要とする。
なすべき目標と現状とのギャップを,取っている行動レベルまで具体化することが,プランニングの具体的な実施項目,つまりアクション事項になる。このブレイクダウンされた手段を,いつから,何から,どう実行するか手順化することが,解決行動のプランニングとなる。
問題解決策をつくっていくことは,現状の問題解決の最適解決策という仮説を立てていくことになる。目標と現状とのギャップ埋めていくために,こうすれば解決できる,こうすれば実行できるという仮説を,説得力のあるかたちで提案することである。それは,現状の分析,そこから有効な解決手段の洗い出し,その組み合わせ,その有効性の分析等々,ロジカル・シンキングのプロセスそのものになる。したがって,問題解決策は,いかに現状をロジカルに分析し,そのための解決ステップをいかにロジカルに積み上げたかの結果である。問題解決プロセスでロジカルでなければ,問題解決策という結論がロジカルとなるはずはない。つまり,問題解決をしていくプロセスそのものが,ロジカル・シンキングのプロセスそのものになっている。そのことを,実践として体験していただくことになる。
時間 |
内容 |
進め方 |
3:00
5:00 |
《実習》
Y・「課題の解決プランニング」(続き)
〜発表のためのロジカル・シンキング
グループ別発表
↓
全体討議
↓
講評/コメント |
●ここでは,自分たちの解決策をどうプレゼンテーションすることが,説得力を持つのか,あくまで発表という状況ではあるが,説得力を持たせるためのスキルを確認する。それは,相互の発表の検討を通して確認していくことになる
《使用するツール・スキル》
・ブレインストーミング
・ワークシート |
【プロセスの狙い】
ここでは,解決プランニングのふたつのキーポイントを,各グループの発表を通して確認する。
@手段具体化は妥当か
これは,課題解決のためのロジカルな流れができているかどうかという,ロジカル・シンキングの検証の場である。
A説得力があるか
発表の仕方の中で,説得力のためのロジカル・シンキングの確認の場である。それは単に,ロジカルの筋が,つじつまがあっているだけではなく,それを多角的に妥当かどうか点検する。それがクリティカル・シンキングの場ともなる。
※プログラム進行上時間幅は可変的です。