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どうすれば問題は解決できるか5
〜解決を実現するために何をしたらいいのか〜


問題解決のための3つのステップ
問題とは何か
問題解決のための二つのアプローチ
問題の距離をどう埋めていくか
ギャップのブレークダウンの進め方
問題解決のためのステップのもつ意味
解決プラン(解決策)をどうまとめていくか
課題を解決する解決目標を絞る
解決行動のプランニング


  •  解決行動プラン立案の考え方

@手段や原因を絞り込んだ解決目標実現のための手段を洗い出す

◇解決行動プランを考えるとき,@更に手段を分ける,A分けた手段を同一対策でグルーピングする,B同一効果の対策で組み合わせる,C民間や他自治体での成功例を参照する(アナロジー)といったスキルが有効になる。

 

◇洗い出した手段を,@目標達成に寄与する重要度の高い手段あるいはその組み合わせを選択,絞り込み,A緊急に必要な対策,短期対策,長期対策に分けて,手段遂行のプランニングを立てる。

この選択は,「パレートの法則」(8020)である。問題の80%は20%の原因から生ずる。結果の80%は20%の手段からもたらされる。手段相互に関連性をつけ“へそ”(80%の解決を作り出す20%の手段)を見つける。これは,解決策があくまで仮説であるということを意味している。

  • 解決行動プランは2つ以上考える

 仕事をしていれば,誰でも,ふつう一つは行動プランを持っている。いままで通りでよければ,ひとつは対策が思い浮かぶ,それではまずいから問題が起きている,とすれば,すぐ思いつく解決行動は捨てることが必要になる。

 当り前のことながら,目指しているものを実現してこそ解決行動である。解決案には,それがないと目的実現とはいえないもの(絶対に譲れない条件)が実現できているかどうかを評価基準として,それを満たす対策の中から,リソース(ヒト・モノ・カネ・時間・ノウハウ)との兼ね合いで,できれば望ましい条件がどれだけ達成できるかを勘案し,対策案を選択する。選択肢として,2つ以上の案,できうれば3つ考えておくのが常識である。

  • 目標達成手段のツリー化し手順をステップ化する〜解決案づくりの原則

 プランの種類としては,緊急性の高いもの,短期的に立てるもの,長期に取り組むものがある。時間的に切迫している場合は,直ちに取り組む必要がある。また短期と長期は必ずしも別のものとは限らない。全体の解決には,時間がかかる,あるいは時間が掛けられる場合,その第1ステップとして,当面何をしておくことが,次へと着実につなげられるかでステップ化する。

  • アクションプラン立案のためのポイント

◇解決プランに正しい間違いはない

 解決プランに正しい,間違いはない。解決策は現実に適用させ,現実を変えられなくては意味がない。間違っていなくても,現実にフィットしなければ,その解決策は機能しないだけだ。機能しない理由として,次のようなものが考えられる。

◇解決目標設定までのチェック

 @解決課題のもれはないか

これは,各課題レベルでも,課題をクリアするだけの目標が洗い出せていないときにも,同じように,課題解決のための解決目標の漏れは生ずる。

A手段あるいは原因の洗い出し不足はないか

◇行動目標立案でのチェックポイント

@行動目標ないし解決目標の設定に抜けはないか

Aアクションレベルまで届いているか

◇プランの意味づけ

 @解決しようとしていることの全体像は明確か

 Aどこからやるか,そこからスターとさせることの意味と効果ははっきりしているか

 Bそれをやることで,全体の実現や更なる目標達成にどうつながるかが描けているか

 Cそれを確実に遂行する仕組みとチェックの仕掛け

◇アクションプラン立案のポイント

 @主体は明確か

  誰と誰が実行するのか。それは本当にあなたに実行できるのか,あなたがコントロールできることなのか。本当の実行主体は誰か,その人を動かすにはどうしたらいいかまで詰めてあるか。

 A解決行動の狙い,意図は明確か

  たとえば,「コンセプトを明確にする」という課題だとして,そのコンセプト作りそのものがここでの課題解決目標になるのか,コンセプトを明確にするために何をしたらいい課を考えるのか,の区別はついているか。

 B使える時間の中での優先度は決まっているか

時間の限度の中で何を優先させなくてはならないかは明確か。長期プランだとすると,その中で「今」どういうポジションにあり,いまやらなくてはならないことは何かが,明確か。それをしておかなくては,次へつながらないキーとなることがあるはずで,それがきちんとやるべきこととして組み込まれているかどうか。

 C広がりへり目配り

それは自分が直接実践できる直接アプローチできることか,誰かにさせる間接的なアプローチなのかが区別できているか。直接アプローチと間接アプローチとでは,対策が異なる。

 D確実に遂行できる仕組みと進捗度のチェック

確実にやり遂げていくための仕組みとうまくいっているかどうかをチェックする仕組みとそのタイミングは決まっているか。やれるという前提で進めているところはないか。達成できたかどうかを何で確かめられるか。問題解決行動は,現状を動かそうとする。しかし現状はそのほうが都合がいいから,そうなっていることが多い。それを動かすのは,簡単だが,それを継続させる仕組みを持たないと,逆ばねが働き,元へ戻る。それを咲ける工夫がいる。

E継続へのフォローの仕組みはできているか

自分の取り組んだことを,自分だけでなくチーム全体で継続して続けるよう引き継ぐ仕組みをつくってあるか。

◇アクションプランのチェックポイント

 @それは本当に実行できるのか

 それは自分が決裁し直接実行できる目標なのか,あるいは協働者がいるのか。上司が係っているのか。

 Aリソースの見積もりは正確か

 見積もった,ヒト,モノ,カネ,トキ,ノウハウなどが過不足ないのか。また,前提条件や制約条件(予算や要員等々)を見落としていないか。

 B手段はアクションまで詰めてあるか

 確実に行動レベルまでブレークダウンされているか。やれるつもりの段階やスローガンにとどまっていることはないか。アクションまで落とすことで,リスクが具体的に見えてくる。

 C想定される障害について対応策が練られているか

  何とかなると,高をくくっているところはないか。やれなくても仕方ないと,言い訳しているところはないか。

 Dもう本当に手立ては残っていないか

 通常仕事をしていれば,ひとつは対策をもっている。それ以外に,本当にもう他にないのか。

  • プラン実現していくためのもっていき方チェックリスト

◇状況の読み

 自分を取り巻く状況はどうか

どういう立場(スタンス)でかかわっていくのか

どういう目的をもっていくのか(どこまでいくのか,だれをどうしたいのか)

最終期限として何時までにするのか,働きかけのタイミングはいつか

どういうスケジュールで進めていくのか,部門間の波及効果をどう読むか

経費の負担は何処がもつのか,どんなもっていき方をするか

最終責任者は誰(何処)か,だれが実力者か

◇着手の着眼点

 ・周囲に気づいてもらう(問題の共有化)

 ・メンバーに対するアプローチ

  実施主体となるべき人へのアプローチ/上の承認/根回し=協力者の獲得/問題意識の共有/突破口の発見と経路づくり/メンバー固め

 ・案をどう通すか

  決裁経路の把握/側面援助,からめ手,各個撃破等の方法の把握/妥協案,譲歩案,次善策の用意

 ・案のPR

  どうやれば明確に,鮮明にできるか/どんな方法で,どうやって,誰に,何処で,誰がやるか

  ・動き易い状況づくり

制約条件の除去/促進条件の強化

 ・行動態勢づくり

役割の確定/動くメリットの確保/チャンネルづくり

(了)


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