情報の量と“問い”の数 情報アクセスは“問い”である。情報とは,「伝達された(る)何らかの意味」であるとして,その要件を,金子郁容氏は,こう整理した。 ・情報の発信者と受信者がいること ・伝えられるべき何らかの意味(内容)をもっていること ・受け手に伝わるスタイル(様式・形態)で表現されていること 逆にいえば,紙ベースであれ,ディジタルベースであれ,だからこそ,そのどこを問うか次第で,アクセス可能なのである。
あるメッセージに含まれている情報の不確実性を減らすために必要な量の情報をシャノンは,次のように定義した。情報量I,得られる可能性のあるメッセージ数Mとするとき, I=log2M あるいは言い換えると,M=2I つまり,「イエス」「ノー」のいずれかの選択だけが存在するとき,そのメッセージで1ビットの情報が得られる。情報1ビットは,「イエス」「ノー」2通りの可能性からの選択を表す,というわけである。とすると,1ビットの情報とは,あるメッセージを言い当てるために尋ねなくてはならない「イエス」「ノー」(つまり,オン・オフ)の質問数に等しい。「イエス」「ノー」いずれかの1回の選択で,一つの質問が解けていく(不確実性が減る)ことが1ビットである。情報量は,質問数で測ることができるのである。つまり,“問い”の数なのである。 情報量が質問数で測れるなら,情報探索とは,問題明確化のために,意味のある質問を次々として,“具体化”,“特定化”していくことである。こうした目的意識的な質問を“設問”(つまり仮説のサーチライト),設問の意味のあるつながりを“設問のネットワーク”(サーチライトに当たる点と点をつなぐ)と呼ぶ。何を,どう設問していけば,問題の核芯に到達できるのか,そうした有機的につながった設問のネットワークを組み立てること,これが“設問の構想”である。そのために,求める情報を明確にして,それに適う設問を組み立てなくてはならない。その要件は次の4つである。
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