たとえば,廊下で滑って転んだ→バナナの皮が転がっていた→ゴミを捨てたものが落とした→といったように,時系列の流れになることが多い。しかし現実には,このように単線の因果の流れにはならない。たとえば,
転んだ人間は遅刻しそうで走っていた→寝坊した→前夜深夜まで残業した→
廊下は老朽化していてワックスで表面をごまかしている→今朝塗り替えたばかり→
という複々線の因果が平行して流れていることが多い。これを見逃すと,ノミの仮説を笑えなくなる。
Aツリー型(たとえば5WHY)
これは,上記の平行した因果の流れを同時的に分析するのと同時に,それを構造化して,より細分化していくことになる。その問題の原因と考えられるものは何と何と何か,その原因の原因と考えられるものは何と何と何か,その原因の原因と考えられるものは……と「なぜ」を連発して(たとえば,5Whyはひとつに5ずつ原因を絞り出す),どんどん原因を個別化,特定化していく。
この利点は,原因が特定されることで,「何をすればいいか」まで,解決のアクションに直結させるところにある。