時間 |
内容 |
進め方 |
9:00
10:30 |
《講義・実習》
「周囲を巻き込むためのコミュニケーションの基本」
自分が,どれだけ人を巻きこめるかで,その人の力量が測れるものであるとするなら,そこには,
・その目的・目標は人を巻き込むに足るものになっているか
と同時に
・それを実現するためにどう周りに働きかけるか
が必要になる。そこで鍵になるのは,コミュニケーション力である。
それは,日常の,
・ミーティング
・報連相
・キャッチボール
をどけだけ積み重ねたかの結果でもある。 |
●コミュニケーションには,「話すスキル」と「聞くスキル」がある。「話すスキル」には,「言葉の力」と「自己開示力」が要る。
「聞くスキル」には,「聴く」と「訊く」の2つのスキルが必要となる。
《使用するツール・スキル》
・ワークシート
コミュニケーション力・チェック
コミュニケーションギャップを振り返る
上位者との関係振り返りシート
報連相振り返りシート
・ツール
ブレインストーミング
|
【プロセスの狙い】
その人の仕事遂行の力量を生かすのはコミュニケーションスキルである。それは仕事を自己完結せず,自分の役割のもと,周囲を巻きこみ,上位者を巻き込んでいくために何が必要かを整理し,確認しておく。
コミュニケーション力には,聞く力と話す力がある。その両方について確認していく。コミュニケーションを支える力は,自分への点検が欠かせない。自分を受け入れているものが他人を受け入れる。自分を知らないものに他人を動かす力はない。
ひとを動かす場合,上位者を動かすのと,下位者を動かす場合では,多少異なる。
上位者との関係は,報連相についての振り返りで,下位者との関係は,部下や後輩への指示の仕方について考えることで,それぞれ検討していく。
時間 |
内容 |
進め方 |
10:30
12:00 |
《講義
・実習》
「チームづくりとコミュニケーション」
〜コーチングの基本スキル
チームにするには,メンバーと上司の間で,共有化されるものを作り上げることが必要となる。
そのためには,日常の,
・ミーティング
・報連相
・キャッチボール
をどけだけ積み重ねるかが重要になるが,そのスキルとしては,
・伝えるスキル
・受けとめるスキル
・聴くスキル
・訊くスキル
がポイント。これを確認する。 |
●コーチングもコミュニケーションも,上位者の一方的なものではなく,部下との協働作業である。メンバーと上位者とが,共通の土俵の上で,目的実現のために,何をしなくてはならないかが,共有化できていなくては,効果は上がらない。個々のコーチングスキルよりは,両者の信頼の土俵づくりこそが,課長補佐に求められる最も重要な役割となる。
《使用するツール・スキル》
・ワークシート
コミュニケーション・チェック
コミュニケーションギャップを振り返る
コーチングマインドチェック
・ツール
ブレインストーミング
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【プロセスの狙い】
言いたいことを伝えたら,相手に意図が伝わるわけではない。仮に明確な方針と目標があり,その意味も価値も明確だとしても,それが伝わらなければ何も始まらない。コーチングの鍵は両者のコミュニケーションの土俵にある。たとえば,メンバーとの間で何かを話し合ったとして,何が共有化されているのか。
@共通の土俵に立てているか。担当業務の目的・目標が共有化されたか。
A共通の目標を担っているか。何を達成するための役割かが相互確認されたか。
Bテーマは共有化されたか。伝えるべきこと(聞かされること)についての土俵は共有化されたか。
C言葉は共有化されたか。相手と同じレベルの言葉・用語になったか。
D話は共有化されたか。話の展開は共有化されたか。
E話の結論は共有化されたか;結論は一方通行ではなく,相互確認できているか。
F話の目的は共有化されたか。何のための話し合いだったかが了解されているか。
等々が問われる。これがあって,コーチングのスキルが生きることを再確認する。特に,今日,スキルや専門性では,上位者側が上位にあるとは言えない。そのとき,最も重要になるのが,両者の共有化される土俵である。
時間 |
内容 |
進め方 |
13:00
15:00 |
《講義・実習》
「リーダーシップの旗と仕事の意味と筋」
リーダーシップが,どれだけ人を巻きこめるかであるとするなら,そこには,
・人を巻き込むに足る旗が立てられているか
・それを実現するためにどれだけ働きかけるか
が必要になる。そこで鍵になるのは,自分の旗である。それは,自分の仕事の目的(意味づけ)とその方向性を,自分自身のために立てるものである。それがあるから,上位者を巻き込み,自分のリソースとすることができる。
それは,常に,
・自分自身の仕事に意味付けをし,
・そのために自分が何をしたいか,何をしようとしているか,を自分の中で明確かし,日々の仕事にどれだけの確信を持てるようにしているかの結果である。 |
●リーダーシップ・コミュニケーションの機能は,@旗を立てる機能〜向かうべき方向と目標を提示する,A巻き込む機能〜目標に向けて相手を奮い立たせる,である。それは,人から指示されるものでも,職位に伴うものでもなく,自分の仕事に立てる,自分自身の旗である。それを自己完結した中で納めるのではなく,それを旗印にして,どれだけ,それが人にとっても一緒に動くにたることなのか,をきちんと説明して,周囲を巻き込んでいけるロジカル
なコミュニケーションが必要となる。
《使用するツール・スキル》
・ワークシート
リーダーシップ・コミュニケーション(人を動かす)を振り返って
自分の目標とする役割行動=旗について
・ツール
ブレインストーミング
|
【プロセスの狙い】
いま必要なのは,ひとりで自己完結した仕事をすることではなく,自分の担当業務の中に発見した課題を,自分の裁量内でお茶を濁した解決をすることではなく,チーム全体の問題とし,あるいは部門全体の問題として,周囲に働きかけ,一緒に問題解決を図って行けるように,巻き込んでいく力である。そのためには,それが,自分にとって,またメンバーにとって,上位者にとって,どんな意味があるのかを“旗”として明示すできなくてはならない。それを目指していくことで,現状が打開できるという方向と目標を明示することである。そのためには,
・世の中の変化に組織はどう対応しようとしているのか
・それに対応するには自分たちは何をすべきなのか
・そのために自分たちはどう変わるべきなのか
が,上位者,メンバーとで共有化できなくてはならない。そこに,チームとしての力,組織としての力が生まれる。その役割は,上司の方針や目標をただ,受動的に受けとめる,あるいは自己完結的に,孤立して仕事をすることではない。自分がそのポジションにおいて,何をするのか,上位者の目標を受けて,自らが主体的に考えるところで,自分自身の仕事の意味と使命が見える。それを自分の仕事の“旗”と呼ぶ。自分自身の仕事と役割にリーダーシップを発揮できないものに,上位者を動かす力はない,上位者を動かさずして,組織で自分の目的を達することはできない。
時間 |
内容 |
進め方 |
15:00
17:00 |
《講義
・実習》
「外部での交渉とロジカルなコミュニケーションの効果」
交渉や折衝は目的ではない。その目的が共有化できなくては,目標は共有化できず,それなしに,ロジカル・シンキングは成立しない。それが成立するためには,
@相手が何を大切にしているか
A相手との間に,共有できるつながりをもてているか。
B相手を縛るものではないか
C相手をふさわしいステータスとして遇しているか
D相手に不本意な役割を強いていることはないか
ここで初めて共通の土俵ができる。内容を詰めるに値すると両者が認識しえる。そこで,
@何のために(目的)
A誰のために(利益享受者)
Bどういう状態にするのか(期待成果)
を再確認することが不可欠である。その上でしか,ロジカルなコミュニケーションは成立しない。 |
●誰と交渉,折衝し,何を説得しようとしていたのか。あるいは,どこまで詰めようとしていたのか。両者が交渉の土俵(テーブル)に向き合ったとき,共通の目標のために何をするかを考えるのは確かに
ロジカルなコミュニケーションだ。しかしその結果を左右するのは,その前の共通土俵づくりである。
《使用するツール・スキル》
・ワークシート
交渉・折衝プロセス振り返りシート
交渉結果振り返りシート
説得コミュニケーションを振り返って
・ツール
ブレインストーミング |
【プロセスの狙い】
外部との折衝や交渉では,ともするとロジカルな説得力だけが強調される。しかしそこでは,相手との間に二つのことができていなければ,ロジカルは,ロジカルとして共有化されず,脅威として受け止められる。
大事なことは,
@その目的や目指すものは,両者で一致しているのか。一致させる努力はなされているのか
Aその交渉や折衝は,公平か。他と比較する情報を秘匿しても必ず漏れる。
Bその交渉や折衝は,正直か。真摯であることではない。そんなことは当たり前だ。自分自身の心情と一致した対応になっているか
Cその交渉内容は,現状とあっているか。あるいは現状認識が一致しているか。
であり,その上で,
@相手が何を大切にしているか,相手の価値を踏まえているか
A相手との間に,共有できるつながり,土俵をもてているか。
B相手を縛るものではないか。人は自律することを好む。少なくとも,自律に反していると受け止められたらそれは失敗する 。
C相手を,ふさわしい位置やステータスとして遇しているか。人のプライドを傷つければ,そこですべては止まる。
D相手の役割を,相手自身の期待しているものとしてみなすように努力しているか。相手に不本意な役割を強いていることはないか。
を配慮して,初めて,両者のロジカルなコミュニケーションはスタートする。