情報をどう集約するか〜情報の読みを誘う整理をどうするか
@与えられた“問題状況の把握”
状況を俯瞰し,多角的に「問い直す」(“バラバラ化”)=隠れた「問題」を明るみに出す問題意識の掘り下げ。「問い直し」のレベルに応じて,解決のレベルが決まる。
A情報のネットワーク化により,情報探索に連続性・方向性をもたせる(“設問の構想”)
バラバラ化を通して見つけた“つながり”(分解/グルーピング/組み合わせ/類推)を仮定として,情報へのアクセスを“広角化”し,情報群をゾーンでとらえる。
B集約した情報の“序列化・関係(関連)づけ”(新しい“つながり”を見つけること)によるブロック化
情報群に共通項を見つけて,それを基準に,グルーピングする(グルーピングは既存の分類基準によらず,探索目的に合わせて,必要な“事項”を枚挙する)⇒不足情報の発見
C情報ブロックの“ウエイトづけ”(重要度による序列化)による並べ替え,再配置 情報の序列づけによる評価(評価基準は,情報探索の目的によって,メリハリがつけられなくてはならない)
情報ブロックの序列がパースペクティブ(一定視点からの“情報の遠近法”)になる。
D方向づけた情報の“構図(私的パースペクティブ)”の確定
ウエイトづけられた再配置を通して見えてくる“確からしさ”の構図によって仮説(解決方法)を仮構する。
E仮説の描く“パースペクティブの確度”を確かめる
その“仮説”を,「課題」の“解決しなくてはならない目標”やその説明事例にフィードバックし,それでどれだけ的確な“答え”(仮説)となっているかどうかをチェックし,“より確からしい解答”にまとめていく。
F仮説の検証と確信
集約情報⇔仮説,仮説⇔情報再集約によって,課題の“答え”としての確からしさをクリアしながら,“仮説”を“検証”していく。パースペクティブの見え方は,最初の問題意識に左右される。それは,先入観(無意識的なレンズ)に対して,仮説(意識的なレンズ)が,ものの見方の幅と深度を変えるからである。
◇情報を収集・整理することと,そこから仮説(解決案)を発案していくこととの間には,飛躍がある。単に,多角的な「情報」を集約・分類しただけでは「○○情報」の整理に終わる。集約した情報群から,どう飛躍した発想(新しいものの見方)で,全体構図を想定していける(設定していける)かどうかである。
◇この鍵となるのは,次の3つの“方向づけ”である。
@情報の明確なウエイト(優先順位)づけ⇒これは,目指す「目的」からどんな目標を選択し,それに必要な情報をどう条件づけたか,によって違ってくる。
Aウエイトによる情報の序列化,再配置(情報の方向づけ,)⇒条件づけに応じて,どう情報を序列し,配置し直すかによって,情報全体の位置関係,配列,構成が変わってくる。
B情報の私的パースペクティブ(視界)の角度と広がり⇒情報全体の見え方が,独自の色合い(ニュアンス)をもった構図に集約できるかどうか,である。
3つの“方向づけ”が,集めた情報を,どこまで先入観にとらわれず,具体的なシチュエーション(時代背景,場面,登場人物の関係等々)に配置した,具体像として描けるかどうかを左右する。