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発想トレーニング15

発想力アップのための条件づくり
〜自分のポテンシャルを高める5つの異質化〜

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第1の異質化〜異質人との接触度

  これは、どれだけいろんな人を知っているか、です。典型的な異質人とは、同僚、同期、同級生以外の、異なる性、異なる年齢、異なる職業あるいは、異なるレベル、異なる経歴、異なる役割を想定しています。キャッチボールの効果が上がるかどうかのポイントとなります。

 幕末、若い浪士が、坂本竜馬に、

 「大事なものは何か」と聞いたところ、「刀」と答えたそうです。

 何年かして竜馬と再開した、若者が、意気揚揚と刀を差していると、竜馬は、

 「まだそんなものを差しているのか、君は遅れている」

 と、リボルバーのピストルを示しました。さらに何年か後、若者が、再開した竜馬にピストルを示すと、

 「何と時代おくれだ、これからはこういうものの時代だ」と、万国公法の本を示した、というのです。

 ここに何を読み取っても自由ですが、若者の立場から見たとき、竜馬という異質人に会うたびに、変わっていく姿がみえてきます。ここでの“異質人”とは、若者にとっての坂本竜馬です。

異質化

チェック項目

 

異質人との接触

 

この1年で新しい知り合いが何人できたか
異なる年齢の友人・知人が何人いるか
異なる職業の友人・知人が何人いるか
この1週間に何人の人と会ったか
この1週間に何人の新しい(未知の)人と会ったか
(業務の関係者でなく)異業種の人をどれだけ知っているか
電話一本で情報を得られる人が何人いるか
学生時代の友人と何人つきあっているか

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bullet異質状況(文脈・環境)との接触〜どれだけいろんな状況を知っているか

  異質状況とは、仕事場以外の場所、家庭以外の場所、行きつけ(なじみ)以外の場所を想定しています。いつも同じ時間に、同じ車両に乗って、同じ職場の人と昼を食べ、夜は飲むというのでは、頭の回路が固まってしまいます。

 

異質化 チェック項目

状況の異質化

自宅への帰り道(アクセスルート)をどれだけ知っているか
自宅までのルートの一部でも歩いて見たことはあるか
自宅への通勤経路で途中下車したことのない駅はどれだけあるか
1年に何度旅行するか
この1週間、特別違った経験があったか
人に薦められるおいしいレストランを何軒知っているか
人に薦められるおいしいコーヒーショップを何軒知っているか
VIPを案内できるようなレストランを知っているか

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 異質のインプットとの接触〜どれだけいろんな情報を知っているか

  インプットの異質化とは、必ずしもインプットするものの変更のみを意味していません。漫画+新聞+週刊誌、雑誌+漫画+週刊誌、専門書+原書+タイムでも何でもいいのです。活字をやめて映像、漫画をやめて活字、車をやめて歩く、というそのパターンを変えることも大切ですが、自分のインプットするときの目線も振り返ってください。いつもとは違うところに焦点を当ててみる、目の付け所を変える、ということです、たとえば、新聞で言うなら、3行記事、囲み、コラムに、目を向ける、ということです。ただし、会社で、業務で読む場合も含めていいのですが、身銭を切っている場合のみに限定して考えてみてください。それが個人の努力だからです。

異質化 チェック項目

インプットの異質化

この1ヵ月に何冊本(雑誌)を読んだか
知りたいことを探索する手段をネット以外に複数もっている
必要情報をどこで調べたらいいか、手段情報を持っている
専門以外に自分の土壌を広げる努力をしている
この1ヵ月に観た映画はあるか(テレビ放映も含め)
いまどんな展覧会が開催されているか知っているか
この1ヵ月に見た何回イベント美術展に行ったか
いまの仕事とは直接関係ない資格や分野の研究や勉強をしている

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 やり方・手段の異質化〜どれだけいろんなやり方を知っているか

  仕事でも個人的な生活態度でも、それまでの手慣れた手順、ステップを変えてみる、やり方をかえてみます。たとえば、こうなったときには、こうすればこうなるといういつものやり方をかえて、「こうしなかったらどうなるか」を試みてみるのです。

異質化 チェック項目

やり方の異質化

使っているツールすべてが壊れても代替手段を工夫できる
トラブルや緊急事態には平時のルールを無視して最善策を考える
失敗したに保身を捨てて修復にあたれる
新規に仕事を始めるとき従来のやり方にはこだわらない
代替手段(迂回路)をいくつももっている
リスクを心配するより新しいやり方の面白さに惹かれる
仕事の仕方の代替手段(迂回路)をいくつもっている
いつもとは違うやり方をそれとなく試み、別の可能性や代替方法を探っている

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 自分を異質化する〜どれだけいろんな自分を知っているか

  多く、誤った自己イメージが、自分の発想を閉ざしたり、タブーを作ったりするのです。発想力アップには、新たな自分の再確認、再発見、自分の別の側面を知るということが結構重要です。ユング曰く「生きてこなかった反面」に自覚的であることです。

 たとえば、

・いまの自分は数ある選択肢のうちのひとつにすぎない。が、それを選んだのは自分だ。

・既知の自分とは異質の自分、ありえた自分、なりたい自分、可能性の自分、夢の自分

・自分は一色ではない。一直線に過去から未来へつながっているのではない。

・常に何かを選択したとき、そこで断念(捨てた)生き方があるはずである。

 常にそうならなかった自分があり、そういうさまざまな可能性の選択肢の中に今があるのです(ありえたさまざまな分岐点、そしてこのいまの一瞬もまた、未来からみるとそういう分岐点でありうるのです)。

 自分を異質化するというのは、いまの自分が知っている自分だけではなく、自分の見落としている自分、見たくないと思っている自分をも受けとめ、そのすべてを自分の可能性として信ずることです。今の自分に一番影響を与えているのは、過去の自分なのです。

@今の自分の異質化

 いまの自分を、ピンポイントのいま、ここだけで考えるのは、一面的です。自分の可能性をもう少し幅広い視点でチェックしてみたいものです。

異質化

チェック項目

いまの自分の異質化

3年前とまったく変わったところはどこか
十年前とまったく変わったところはどこか
いま熱中していることはないか
いま一番関心のあることは何か
いまいやでいやでたまらないことは何か
今自分は誰に一番影響を与えているか
今自分は誰から一番影響を受けているか
いまの自分を変えるとしたら、何をするか

A明日の自分の異質化

 いまの延長線上に自分をおかず、遠近法を変えてみる。会社・仕事の延長線だけでなく、別の自分の側面(趣味、好きなこと、やりたいこと)に焦点を当てて、自分を点検してみます。それが重要なのは、仕事の足以外に、もう1本、立脚点を持てることなのです。

異質化

チェック項目

明日の自分の異質化

自分の夢は実現できていると思うか
やりたいことがやれていると思うか
未来は今の延長にあると思うか
十年後の自分を予想したことがあるか
十年後のいまの仕事の変化について考えたことはあるか
誰にとって、将来自分が一番影響を与える人になるだろうか
誰が、将来の自分が一番影響を受ける人だろうか
明日の自分を変えるためにいま何を一番すべきだろうか

 B昨日の自分の異質化

 ありえた自分の可能性(自分が選択してきた岐路を振り返ってみる)は、単なる「あのときこうしていたら、こうしならったら」という愚痴ではなく、自分の可能性としてチェックしてみよう。ハイデガーは言っています。人間というのは絶えず可能性として、まだ現実になっていない何かを残している、不断の未完成なのだ、と。

異質化

チェック項目

昨日の自分の異質化

小さいとき何になりたいと思っていたか
小さいとき何に熱中していたか
昔からずっと熱中していることはあるか
いまはもうできないがあの頃得意だったことがあるか
あのころこうしていたらなあと思うことはあるか
自分に一番影響を与えた人は誰か
自分が一番影響を与えた人は誰か
いまの自分に一番影響を与えたのはどういうことだったか

以下続く

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発想トレーニング・目次

発想トレーニング1

発想トレーニング9

発想トレーニング2

発想トレーニング10

発想トレーニング3

発想トレーニング11

発想トレーニング4

発想トレーニング12

発想トレーニング5

発想トレーニング13

発想トレーニング6

発想トレーニング14

発想トレーニング7

発想トレーニング16
発想トレーニング8 発想トレーニング17

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