【研修のポイント】 ◇発想力研修は次の3つのステップを踏みます。 @「新しさ」とは変化である。現状を変えることである。それには,皆が見過ごしている,気づかない,当たり前としている等々,発見する問題が前例にとらわれない,「新しい」ものでなくてはなりません。 A「発見した問題」は,新しいカタチにまとめなくてはなりません。そのとき,ありふれたカタチやいままでの前例や慣習にしたがっていたのでは問題の「新しさ」が消えるからです。 B「解決のカタチ」の実現は確実か。どこまで実現可能かの具体化を検討致します。 ◇自分一人の発想力があればいいのではない。チームとしての発想力を高めるためには,いかに,メンバーの問題意識を見逃さず,チームとしての問題意識とし,チームとしての発想につなげていくかが求められます。職場で発想力が必要な理由はそこにある。研修では,そこにも力点を置きます。 【研修の進め方】 ◇「答は自分の中にある」がモットーです。自分の中に,答もアイデアも見つけるのでなければ,意味がありません。そのために,研修は,自己点検→相互点検→全体点検の基本ステップで進めます。 基本的な発想力のステップを,グループでのキャッチボール通して再確認して戴く。 @《問題意識の掘り下げ》→《問題の核心を探り出す》という問題意識を高めるプロセスを実践する。 ここでは,発想力のベースとなる基本スキルを順次確認する。 ・具体化の4原則:「具体例で考える」「シリーズで考える」「見たいように見る」「5W1Hで考える」 ・多角化の4原則(バラバラ化の4原則):「視点を変える」「カタチを変える」「意味を変える」「条件を変える」 ウォームアップのグループワークを通して,意識的な試みによって,発想の質と量が確保できることを確認して戴く。 A掘下げた「問題」をどう解決のカタチにもっていくか,その進め方は, A-1 アイデアづくりの4原則の確認 アイデアづくりの4原則,分ける,グルーピングする,組み合わせる,アナロジーの効果を確認して戴く。 A-2 アイデアを案出するプロセスの確認 アイデアをまとめあげていくプロセスを「欠点列挙法」で実習して戴く。ここではたとえ現状の問題点を素材にしても,アイデアが現状改善型におさまるとは限らないことの確認をする。 Bその実践のシチュエーションとして技法を使う。技法を,この技法があれば何かができるというアイデアを産出するツールとしてではなく,アイデアをまとめあげていくための状況,何が何でも,チームとしてアイデアをまとめあげて以下なくてはならない状況下で,チームワークを通して,それを成し遂げていくプロセスとして使う。 【研修スケジュール】 【第1日】
【プロセスの狙い】 ◇ここでの基本スタンスは, @まず問題意識が出発点となる。そのためには,「何のために」という問い(それが目的意識であり,それなしには問題意識はない)に鍵があり,それが研修全体を通しての宿題でもあることを,冒頭に確認する。 A発想というものへの先入観をぬぐうことが主眼である。発想は何か新しいことを発案することである。しかし,それは目的化されてはならない。何のために,誰にとって新しくなくてはならないのか。それによって,何が解決されるのか。実務で求められるのは,ここである。 B問題意識を掘り下げるためのスキルとして,キャッチボールの重要性を,ブレインストーミングによるウォームアップを通して体験していただく。これもまた,研修全体を通しての課題となる。 C固定観念とは,自分の知識と経験そのもののことだ。いままでの経験でものを見るとき,時に,それが新しい事態を見通す妨げになることがある。その点の確認が主体となる。 ◇ウォームアップを通して,発想力のベースとなる基本スキルを順次確認する。 @具体化の4原則:「具体例で考える」「シリーズで考える」「見たいように見る」「5W1Hで考える」 A多角化の4原則(バラバラ化の4原則):「視点を変える」「カタチを変える」「意味を変える」「条件を変える」 Bアイデアづくりの4原則:「分ける」「グルーピング」「組み合わせ」「類比(推)」
【プロセスの狙い】 ここでは,アイデアづくりのスキルの中で,最も効果的なのに,最も使いにくい,アナロジーを,簡便に使いこなすために,スキルを実習する。あくまで,アナロジーの使い勝手を味わっていただくのを主眼とする。 あわせて,このスキルの中には,常識や当たり前をどう崩すかのプロセスも入っているので,いわゆるアイデアづくりのウォームアップも兼ねている。 発想技法の3タイプのうち,組み替え型技法がアイデアづくりに適しているので,アナロジー発想法の他にも, 「形態(要素)分析法」 「特性列挙法」 「条件転換法」 等々が選択肢として提案可能である。いずれも,アイデアづくりの4原則の確認作業となる。 【第2日】
【プロセスの狙い】 「欠点列挙法」は,「欠点」という切り口で,あえて「問題」化し,「問題」を掘り起こす“問題解決型アプローチ”(注)の技法。この技法は,改良型の技法とされるが,そう決めつけると先入観になる。徹底的に問題をクリアしようとすると,本来のモノの枠組みを超えないと解決できないことがある。そのとき,元のカタチにこだわれば,それに収まってしまうが,それを打破しようとすると,改良型の発想を超えることになる。 この技法は,情報集約→原因追及→解決案の発案,という問題解決の基本ステップを踏んで,情報を処理していくため,情報をカード化して,集約していく技法や,その集約したものにウエイトづけをしていくスキルを含んでおり,「欠点」を別の着眼点(例えば,希望点,特性等)に代えることで,問題解決のさまざまな側面に応用できる基本的なスキルである。 アイデアづくりは目的ではないが,それが有効かどうかの冷静な評価もまた重要な発想力である。ここでは,プロファイルシートにまとめることで,アイデア自体を,レビューしてみる。アイデアプロファイルシートは,アイデア自体をレビューするためのシートである。その意図(目的),何をするものか(テーマ,使い方)を明確にし,イメージするアイデアの骨格をまとめ,市場の大きさ,可能性の見込まれるユーザー像,技術的な問題,リスク,流通(サービス提供)システムとの適合性等々をチェックする。
【プロセスの狙い】 発想技法をただ修得しても意味はない。発想技法ではなく,発想技法のブラックボックスになっている部分,つまり,幾らステップをたどっても,誰もが発想技法を使いこなせるわけではなく,そこには使いこなしのノウハウがあるということが肝心である。発想技法のステップには出てこないところに,ノウハウがある。技法は,そのノウハウを表現したものにすぎない。 そのあたりを中心に,全体で,「どうすれば発想技法を使いこなせるか」ではなく,「どうすれば発想力を高められるか」のノウハウを確認して,まとめたい。 また,全体討議を通して,理解を深める場としたい。 ※プログラムの流れは,変更する場合があります。
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