欠点列挙法は,GEの子会社ホットポイント社が開発したもの。対象の欠点,問題箇所,マイナスを徹底して列挙し(問題意識を掘り下げ),その解決策をまとめていく(まだないものをカタチにする)。競争相手の商品を解体・分析するように,徹底的にあら探しをする。いわば,クレームを集約し解決するのに似ている(高橋浩『パワーアップ教育研修のノーハウ』(総合労働研究所)を参照)。 欠点列挙法は,改良型の技法されているが,そう決めつけてしまうと先入観になる。この場合も,徹底的に問題をクリアしようとすると,本来のモノの枠組みを超えないと解決できないことがある。そのとき,元のカタチにこだわれば,それに収まってしまうが,それを打破しようとすると,改良型の発想を超えることになる。 この反対の,希望点列挙法というのは,欠点の逆という意味ではない。むしろ,ほしいもの,あるといいもの,理想といったものを挙げることになり,徹底すれば,改良という枠をすぐ超えてしまうことになる。 この技法は,情報集約→原因追及→解決案の発案,という問題解決の基本ステップを踏んで,情報を処理していくため,情報をカード化して,集約していく技法(代表的にはKJ法)や,その集約したものにウエイトづけをしていくスキル(代表的には,クロス法)を含んでおり,「欠点」を別の着眼点(例えば,希望点,特性等)に代えることで,問題解決のさまざまな側面に応用できる基本的なスキルである。
「欠点列挙法」は,「欠点」という切り口で,あえて「問題」化し,「問題」を掘り起こす。意識的にケチをつけることで,日常見逃している「問題」を無理やり顕在化させ,その解決をカタチにしていこうとする。バラバラ化し,それを「グルーピング」し,「組み合わせ」て,新しいカタチの発見につなげていく。
1,取り上げるテーマ決める。 2,モノやコトの欠点,弱点,短所など,問題点を洗い出し,各自ラベル(ポストイット)に書き出していく。
3,ラベルを並べながら,共通点を発見し,グループ化し,グループ毎にタイトル(標題)をつけていく。
4,各グループ毎に,何を問題としているか(何が欠点なのか)を,課題(解決すべき問題)として抽出する。
5,どのグループから取り組むか,優先順位をつける。
6,各グループ毎に,その課題が生ずるのはなぜなのか,どうしてそういうことが起こるのか,どうしてそうならないのか,発生理由を具体的に列挙していく。 7,発生理由をクリアする(防ぐ)にはどうしたらいいか,解決策を検討する。
8,出てきた解決策を,集約して採択案にまとめる。
9,採択案は,図解する。
@欠点がどれだけ多角的に,幅広く洗い出せたか。量も質を決める。 Aグルーピングに,新しい分類基準を立てたか。グルーピングの目的化,きれいにまとめる,ありふれた分け方,既存の機能区分では,新しい「問題」の発見も,新しい解決の発見もない。 B優先順位は,自分たちの発見した「問題」の“新しさ”をどうすれば生かせるのか,で決める必要がある。 C原因の掘り下げ方で,解決のカタチの “新しさ”が決まる。 D「問題」(欠点)を,新しく機能を付け加えることでカバーするのは,“新しい”解決ではない。それがなくても可能なカタチを見つけること。 |
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