時間 |
内容 |
進め方 |
9:00
10:00 |
オリエンテーション
「この研修のめざすこと」T・問題意識をどう掘り下げるか
固定観念とは,自分の知識と経験そのもののことだ。いままでの経験でものを見るとき,時に,それが新しい事態を見通す妨げになることがある。その点の確認が主体となる。
《実習》 「問題意識掘り起こしの基礎訓練」
《講義》「ものの見方・もののとらえ方」
〜ものの見える人と見えない人の差は何か |
●問題意識を掘り下げる基本スキルは,さまざまな人とのキャッチボールによって,自分の中で,見逃していたポイントや着眼に気づくことである。キャッチボールの重要性を,ブレインストーミングを通して再確認し,それを有効にするスキルを整理していく。
●情報力はともすると,視野狭窄の筋に入り込む危険がある。それを避けるためには,情報収集・情報分析の筋道を突き放し,相対化する視点がいる。それがク発想力である。それは,自分の物の見方の枠組みを理解し,それを意識的に崩すことが必要になる。
《使用するツール・スキル》
・ ブレインストーミング
・ ワークシート |
【プロセスの狙い】
ここでの基本スタンスは,情報力は目的ではないということを確認する。それは,
・理解するために,
・分析するために,
・解決するために,
等々に必要なのであって,あくまでなにかの手段である。まずは各自が何に,どういう必要性があるのかを確認していただく。最初に,考える力の基本的なマインドについても,確認する。情報を相対化し,批判的に見る視点に必要な,情報力のベースとなる基本スキルを順次確認する。
@具体化の4原則
・具体例で考える
・シリーズで考える
・見たいように見る
・5W1Hで考える
A多角化の4原則(バラバラ化の4原則)
・視点を変える
・カタチを変える
・意味を変える
・条件を変える
時間 |
内容 |
進め方 |
10:00
12:00 |
U・情報をどう読み解くか
「情報掘り下げのスキル」(注)
〜情報の読みと問題意識
《実習》
「問題意識を掘り下げる」
〜情報の読み方・掘り下げ方
個人研究
↓
グループ研究
↓
発表
↓
講評/コメント
《講義》「アイデアをカタチにするスキル」(注) |
●問題意識を掘り下げるとはどういうことかを,与えられた情報の断片からどれだけの幅と奥行きを読み取ろうとするかということを通して実習して戴く。
具体的には,@与えられた新聞記事から,どれだけ判断と事実(データ)を区分し,そこから読めるのは何かを抽出する,Aそこに隠された「問題」を洗い出すために,どういう情報が必要なのかを多角的に検討し,どういう問いの立て方(設問の仕方)をするのか,を実習を通して体得して戴く。
《使用するツール・スキル》
・ ブレインストーミング
・ ワークシート |
【プロセスの狙い】
情報から黙っていて,テーマやルールや原則が見えてくるのではない。そうした一般論はあるものではなく,作り出すないし見つけ出すものだ。こちら側がどれだけ問いを幅広く,奥行き深く立てられるかにかかっているか,その結果どれだけ読みに差が出てくるかを確認するのが狙い。
@ベイトソンの問いのように,こちら側が,どれだけ問題意識を持っているかが出発点である。
A導き出す結論は,読み込みである。ひ帰納法に必要なのは,キーになる情報や,ポイントになる概念を突破口にして,自分なりに“当たり”をつけていく。そのとき役に立つのが,4つのスキルである
(注)“ベイトソンの問い”
「幼い息子がホウレン草を食べるたびにご褒美としてアイスクリームを与える母親がいる。この子供が,
@ホウレン草を好きになるか嫌いになるか,
Aアイスクリームを好きになるか嫌いになるか,
B母親を好きになるか嫌いになるか,
の予測が立つためにはほかにどんな情報が必要か。 |
(注)情報の分析・読解の基本スキルには,「分ける」「グルーピング」「組み合わせ」「類比(推)」がある。
●「分ける」は,分解してみる,細分化してみる,新たに分けてみる,分け方を変えてみる等々で,新しいカタチ(つながり)を見つける
●「グルーピングする」は,くくり直す,束ね方を変える,一緒にしていたものを除く,区分の基準を変える,一緒でないものを一緒にする等々で,新しいカタチ(つながり)を見つける
●「組み合わせる」は,異質の分野のもの,異なるレベルのもの組み合わせる等々で,新しいカタチ(つながり)を見つける
●「アナロジー(類比/類推する)」は,似たもの,異分野の例になぞらえる,参照にする等々で,新しいカタチ(つながり)を見つける
時間 |
内容 |
進め方 |
13:00
17:00 |
V・仮説立案と検証
《実習》
「情報の探索と読解」
〜情報の探索・分析によって何をすべきか読み解く
個人研究
↓
グループ研究
↓
発表
↓
講評/コメント
《講義》
「仮説検証のスキル〜情報の加工と編集」 |
●立てた仮説はあくまで,擬似的な世界像,そうであるかもしれない現実でしかない。それが妥当かどうか,本当にそれで何かを読み解けるキーワードなのかを,情報の薄皮を1枚1枚剥いで核心に迫っていく作業が必要になる。仮説作りには,集めた情報から何を選択し,何を捨てるかという読解力が不可欠だが,その検証には,現実に,その仮説(いってみればストーリー)が妥当するかどうか,を検証して以下なくてはならない。仮説の説得力とは,その汎用性である。それを実習を通して体験して戴く。
《使用するツール・スキル》
・ ブレインストーミング
・ ワークシート |
【プロセスの狙い】
仮説(情報から読み取った構図)をまとめるには,現状への問い直し(このままでいいのか,という問題意識)の強さ,それを何とか(解決)したいという強い意欲(思い)何とかならないかと,多角的に検討できる発想の幅と奥行等々にあるが,そうした思い入れの強さだけでは,独りよがり(勝手読み)に終わる危険性がある。自分の仮説(読み)を客観的な批評に耐えられるカタチ(モノ)にしなくては仮説づくりは終らならない。仮説(仮の構図)を立てるとは,ものを見る視野に,一定の窓(枠)を創ることだ。それを通して,現実を一定のパースペクティブ(視界)に切り取る。そういう見方(方向と領域)でとらえたことによって,どれだけ問題を解決してくれるかである。それが,“仮説の説得力”である。つまり,仮説は,「確かにそうなっている」「それで状況が突破できる」「それなら実現できる」「それで説明できる」等々の現実性を根拠づけて,初めて,仮説の描いた“パースペクティブ”の確からしさは,現実に質されて,“説得力”が確認(実証)されたのである。