ビジョンづくりの3つのアプローチ
| 企業の事業領域・技術的ポジションの将来像からのアプローチ
業界の将来見通し,技術的な革新の見通し,その中での自社の事業領域と技術ポジションの将来像をどうしたいのか,どうなりたいのか,どうありたいのかを洗い出し,ビジョンをカタチづくっていく。
⇒現状での自社の強み・弱み,業界自体の強み・弱みの徹底分析が必要 |
| 経営幹部の夢,理想からのアプローチ
幹部自身の来し方行く末,自分の人生哲学,企業経営についての理想像,モデルとする経営者,モデルとする企業等を,炙り出していく(幹部層をどこまで含めるかによって現状批判色のニュアンスが変わっていく)
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⇒経営者自身の強み・弱みの徹底分析と,自社の現状認識の洗い直しが必要 |
| 中堅社員によるボードからのアプローチ
会社の将来の幹部層に,自分たちの描く未来の企業像をつくらせていく。現実の技術レベルからの漸進的なものになるか,飛躍的なものになるかの岐路は,条件をつけるかどうかによる。現場の人間がつくりたいこと,やりたいことの集大成を制約なしにまとめさせる場合,自社の強み・弱みの徹底分析が重要になる |
われわれは,Aを中心に,作業を進めています。この根拠は,「幹部自身がみずから経営する企業のビジョンが描けないなら,一体いままで何をしていたのか」と,問われるほかないからです。つまり,ビジョンが「ないのではなく,明確になっていない」のであり,それを掘り起こし,カタチにする作業なのです。本来,リーダーたるもの,基本機能として,
● 「旗振り機能」(自分の率いる組織が何を目指し,どこへ向かうのかの旗幟を明確に示せることが求められる)
● 「維持機能」(その旗の実現のために,どう組織態勢をつくり,コミュニケー ションを取り,チーム力を維持向上させていくを工夫する) |
の2つがあり,ビジョンなしにリーダーシップの発揮のしようがないし,現にリー ダーシップを発揮してきた以上,拠所とした価値判断があったはずなのです。
そこで,作業の基本コンセプトは,経営幹部が本来抱いているはずの,経営や事業についての,潜在化している「基本的な価値観」「根本的なものの考え方」「理想とするもの」「願望」等々を,徹底的に掘り起こし,顕在化させることになります。
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