部下指導マニュアル(部分)
(前略)
(3)ほめ方・注意の仕方
@ほめ方(略)
Aしかり方
理由をはっきり言う。ルール違反は人前でしかる/感情的にならない。人格でなく行動や事実を,具体的に叱る。イエス・バット方式で,良い点はほめ,悪い点を改めさせるようにすること/方法や程度を考える。相手の性格・能力を考慮しないと,かえって自信喪失になってしまう。場合によっては陰で叱ることも。間違いやミスはその場でしかる。しかるべきときにしからないと意味がない。
B注意の仕方(略)
C質問への答え方
・仕事上のことで,本人が調べたり考えたりできることはヒントに止め,自分で考えるように仕向ける。
・相手が何を聞きたいのかを正しくつかむ。特に,自分の経験との違いから質問しているのなら,職場での仕事の進め方,考え方をすりあわせるいい機会となる。
D不平不満の受けとめ方(略)
(中略)
(6)戦力化指導のポイント
@指示の仕方
・やらせたいことの必要性,目的,背景となる事実,目標(どの程度の成果を期待しているか)役割分担,達成の方法,投入資源の条件,予算等をきちんと伝え,理解させる。
・相手の能力を見極めて,「言い渡す」「頼む」「相談する」の違いが出る。それは相手にとっては,上司が自分の力量をどう評価しているかを知る機会ともなる。
・相手の理解を確認する。ここで,質問の仕方が鍵になる。相手の気づいていない点,情報,問題点を気づかせる狙いもあり,またそれは上司側の求めているレベルをそれとなく伝える場でもある。「もし,〜の場合はどうする?」「こういう事態のときはどうする?」「こういう情報はどこにあるか知っているか?」等々
A助言・援助の仕方
〇本人が助言・援助を求めてきた場合,その原因と解決に必要な能力を見積もった上で,現在の能力レベルではどんな援助をすべきか考えたい。特に,それがキャリアの違いで生じていることなのかどうかを見きわめておく必要がある。その場合,職場での仕事の進め方への疑問を投げかけているケースもありえる。その辺りを配慮して,次のようなアドバイスのどれを与えるのが適切か検討する。「こうしてはどうかと,解決策を教えるのがいいのか」「こういう考え方をしてみてはどうかと,ヒントを与えていいのか」「こうしないからいけない,と原因を教えたほうがいいのか」「こういうことを調べてはどうか,と情報のヒントを与えるのがいいのか」「そのやり方をもう少し突っ込んでみてはどうか,と自信を与えるのがいいのか」「必要知識・視点のヒントを与えるのがいのか」
〇相手に考えさせるためにいろいろ質問してみる。自分に自信がある場合や,自分の仕事の仕方に固執しすぎている場合,相手の考えを聞き出すことが,とりわけ重要となる。「君はどう思うか」「君はこれまでなら,どうやってきたのか」「こういう点を考えてみたか」「こういうことを調べてみたか」「こういう事実,情報があるがどう思うか」「こんな場合どうするか」「こうなったらどうするか」
〇相手の考え方がわかれば,そのやり方が生かせるところは,はっきりそのやり方でいいと指示,良い点は,具体的にそこはおもしろいと伝える,それまでのやり方ではまずいときも,もっと掘り下げれてみろ,こう考えれば生きてくるとヒントを与え,「もう少し生かす工夫をしてみろ」と励ます,といった指導を心がけたい。それは,甘やかすというのではなく,伸ばすための上司としての工夫なのである。
〇本人が過大評価傾向にある場合は,報告・了解も得ずに突っ走るおそれがあるので,頻繁に報告するよう,「どうなっている?」と,上司側から催促してみる必要がある。
B報告のさせ方(略)
D仕事の割り当て方(略)
E職務代行のさせ方(略)
(後略)
(C);K.TAKAZAWA